ダウ平均下げ vs ナスダック上げ過去最高値を更新[マーケット考察]2020.7.10

米国株式市場はダウ平均下げ vs ナスダック上げ過去最高値を更新。  
                        
特段のニュースもない中、ダウ平均は一時500ドル超下落する場面もあり、一般消費財、ITが上昇したものの、エネルギーが4%超下落し、航空が7%下落、金融、資本財も2%超下落しました。

先週分の新規失業保険申請件数は131.4万人と発表があり、申請件数の鈍化は続いており、予想以上に減少したことを好感し、株式市場は上昇して寄り付きました。

ところが、フロリダ州での1日のウイルス感染者数が過去最多。フロリダ州やテキサス州では、1日の死者数も増加していることや、全米の1日の新規感染者数は62,000人を超えるなど悪化が続いており、期待ほどの景気回復は見られないのではとの不安から下げに引っ張られる形となりました。最近の株高を支えてきた経済活動の再開を中断する州も増えており、市場では、再び経済が停滞する事態への警戒感が強まっています。

トランプ政府はロックダウンの可能性を否定しており、今月中には更なる景気刺激策を講じるとムニューシン財務長官は昨日発言しています。市場の懸念は感染第二波であり、それを抑える方策をとらず、経済活動向上の為の景気刺激策を段階的に打ち出したとして、本当に米国経済が上向くのかは疑問視せざるを得ないです。

そういう意味で、強気派はダウ平均を買い、弱気派はステイ・アット・ホームの恩恵を受けるアマゾン・ドット・コム、ネットフリックスやコロナ渦の中でも業績好調が期待できるマイクロソフト、アルファベットなどに投資資金が流入するのは必然と言えます。リスク回避の手段としてテック株への資金シフトはしばらく継続するのではないかと思います。


立沢 賢一(たつざわ けんいち)
元HSBC証券社長、京都橘大学客員教授。会社経営、投資コンサルタントとして活躍の傍ら、ゴルフティーチングプロ、書道家、米国宝石協会(GIA)会員など多彩な活動を続けている。投資戦略、情報リテラシーの向上に貢献します。

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