米国株マーケット考察 2021.1.5

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

マーケットサマリー

米国株式相場は3日ぶりに反落。ダウ平均は382.59ドル安の30223.89ドル、ナスダックは189.83ポイント安の12698.45ポイントで取引を終了しました。ニューヨーク証券取引所の出来高は前営業日比4億0436万株増の12億5027万株でした。

年明けワクチン普及や各国の製造業PMIの改善で世界経済回復期待から寄り付き後上昇し、ダウは日中取引で史上最高値を更新しました。

しかしその後、主に以下の2つの要因で相場は大きく下落に転じました。

① 新型コロナウイルス変異種感染拡大抑制のため英国が第3回目の全土ロックダウン入りを発表したこと。ジョンソン英首相が新型ウイルス感染の行動制限措置で最上級にあたる「ティア4(自宅待機)」の制限をイングランド全体で導入し、期間は本日夜から2月中旬までとしました。

また、米国のコロナによる死者は、今月に入り累計で35万人を超え、変異種も米国内で次々見つかっている状況です。

② 本日ジョージア州で予定されている上院の2議席をめぐる決選投票で共和党が2議席を確保した場合、税制改正や景気刺激策強化、インフラ投資などバイデン新政権が押し進めようとしている政策の実現性が不透明になるとみられていること。

更に、6日の米大統領選の上下両院合同会議による選挙人投票の集計ではトランプ大統領が逆転する可能性もあり、政治不安がもたらす暴動がワシントンなどの一部の都市で発生することを警戒していることです。

しかしながら、多くの投資家にとって、米国株式市場のモードは引き続き、FRBの金融緩和政策、FOMCの刺激策、ワクチン開発、上下院が分断された政府、景気の二番底回避の5つの柱が背景になった上昇気運が根底にあると言えます。


立沢賢一とは

元HSBC証券社長。
会社経営、投資コンサルタントとして活躍の傍ら、米国宝石協会(GIA)会員など多彩な活動を続けている。投資戦略、情報リテラシーの向上に貢献します。
・立沢賢一 世界の教養チャンネル
http://www.youtube.com/c/TatsuzawaKenichi

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