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立沢賢一のマーケット考察 米国市場の大幅反落と新型コロナウイルス (2020/03/06)

米国株式市場は再び大幅反落。IMFの緊急融資枠設定の報道もありアジア市場は比較的堅調であったが、欧州市場に入るとあっさり反落し、米国市場ではネガティブセンチメントに拍車が掛かった。

コロナウィルス については、アジア地域(含む日本国内)では冷静な分析も目立ってきた雰囲気はある一方、米国はまさにこれからという感じでかなりオーバーリアクション気味に反応してきている。その感覚は少し前のアジアのようで、地理的に離れているのか時差がある感がある。カリフォルニア州は朔日死者の発生及び53名の感染者の確認し、非常事態宣言を発令した。またニューヨークでも一晩で感染者が倍増し22名となったが、インフルエンザで今冬1万人以上の死亡者が出ていることと比較するとかなり敏感になっているようにも窺える。

もちろんコロナは一大事であるが、それは大ラリーした水曜日も変わらず市場に存在したはず。その意味では依然として我が物顔に跋扈する短期トレーダーだけが景気刺激策が出ると買いをリードしている。一方で中長期の投資家はむしろリスク外しに専念しているように見える。今日の米雇用統計など誰も気にしていないのかもと勘繰ってしまうほど市場はコロナ一色のジェットコースター相場だ。

株式市場が乱高下する間、債券利回りは市場最低の利回りを記録し一貫して下落している。それと関係あるのかは不明だが、あれだけ上昇していた米ドルインデックスもこの2週間で急落した。ドル円はその影響の下、107円の硬めだった筈のサポートラインをあっさり割り込んでしまった。ドル円の動きを占う上で、今後はサポートラインに鉢合わせした米ドルインデックスの動向にも注意する必要がある。

米ドル円インデックスについて、2週間前にはドルインデックス100台突入を彷彿させていたのが嘘のようで99.70から96.60まで急落した。その急落の大きさが市場のセンチメントを反映している。

冷静に考えると低金利・ドル安は中長期的には米国株の下支え要因になる筈。冷静な一部の中長期投資家は今は落ちるだけ落ちてくれたほうが買いのタイミングというご褒美を貰えると考えている。

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