S&P500記録的。史上最短でのリカバリー[マーケット考察]2020.8.19

米国株式相場は強弱まちまちの展開。
ダウ平均は66.84ドル安の27778.07ドル、ナスダックは81.12ポイント高の11210.84ポイントで最高値更新しました。S&P500は、2/19以来の史上最高値を更新。

与野党が追加財政策で速やかに合意する兆候が見られず、第3四半期の消費鈍化懸念が広がったものの、
7月住宅着工件数が前月比+22.6%、149.6万戸(予想124.5万戸)となり、経済封鎖前2月の水準を回復しました。

各メディアが騒ぎ立てているのは
①ベアマーケットが3/23に終了したことが正式に確認された。
②ブルマーケットが正式に3/23 からスタートしたことも確認され。
③従って今回のブルマーケットは既に50%以上上昇している。(添付資料参照)
というシナリオです。

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今回は異常な価格動向であったのは否めません。つまり、S&P500のベアマーケットとしては史上最短であり、過去87年間103日でリカバリーしたのは記録的だという観点からです。

そのスピードは過剰流動性の現代金融市場の特色なのかも知れません。メディアは往々にして、新型コロナショックをリーマンショック時と比較していますが、結果をみると、あらゆる意味で両者は異なっているとも言えます。

いずれにしても、このシナリオが正しいか否かが明確化するのはこれから年末にかけてです。年内のワクチン承認が視野入り、コロナ以前の世界への回帰シュミレーションが成立するのかが今後の焦点です。本当にコロナ以前に戻るのか、それとも新しい世界はコロナ前と本質的に異なる世界なのかによって、PER22.6倍という2000年時のドットコムバブル(26倍)レベルの現在の株価が割高なのかそれがニューノーマルなのかについても一定の解答が示されることになるでしょう。

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立沢 賢一(たつざわ けんいち)
元HSBC証券社長、京都橘大学客員教授。会社経営、投資コンサルタントとして活躍の傍ら、ゴルフティーチングプロ、書道家、米国宝石協会(GIA)会員など多彩な活動を続けている。投資戦略、情報リテラシーの向上に貢献します。

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http://www.youtube.com/c/TatsuzawaKenichi

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