ナスダック買い vs ダウ平均売り[マーケット考察]2020.7.21

米国株式相場は上昇。ダウ平均は8.92ドル高の26680.87ドル、ナスダックは263.90ポイント高の10767.09ポイントで取引を終了しました。ナスダックは7月10日以来6営業日ぶりに終値での史上最高値を更新しました。ダウ平均は中盤まで軟調に推移でしたが、IT株がけん引し、終盤にギリギリプラス圏に浮上しました。

相場上昇要因として
(1) オンライン小売りのアマゾン(AMZN)はゴールドマンサックスの目標株価引き上げを受けて7.93%上昇。検索大手のアルファベット(GOOGL)もクレディスイスによる目標株価引き上げで2-3%上昇。テスラが9.47%高、マイクロソフトが4.30%高となり、エヌビディア、アップルも2-3%上昇。

(2) ウイルスワクチン開発の治験で良好な結果が発表されました。
英製薬大手アストラゼネカと英オックスフォード大はこの日、ワクチン候補の臨床試験(治験)で、良好な抗体反応が確認されたと発表や米ファイザーと独ビオンテックは、米での治験に続き、ドイツの治験でも好結果が得られたと発表。

(3) 失業給付など新型コロナを受けた一部の施策の期限切れが近づく中、米国政府・議会が追加財政策の協議を開始。トランプ大統領は記者団に、「給与税減税は非常に重要」と加えた。

一方、米国の南部や西部を中心に新型コロナの新規感染者が急増していることへの懸念から、ダウの上値は限られました。ダウ工業株30種平均の構成銘柄であるエクソンモービルが2.3%安、シェブロンが2.2%安など、エネルギー株の下落が目立った。この他、化学大手ダウが3.1%安、コカ・コーラが1.5%安となりました。

先週はセクターローテーションの週でしたが、昨日はそれまでのトレンドでしたナスダック買い vs ダウ平均売りの典型的な1日でした。新型コロナの新規感染者が急増するのを覆い隠す様に、相場上昇要因が目白押しに出てきている限り、引き続きナスダック買いの勢いは強い傾向にある様相です。


立沢 賢一(たつざわ けんいち)
元HSBC証券社長、京都橘大学客員教授。会社経営、投資コンサルタントとして活躍の傍ら、ゴルフティーチングプロ、書道家、米国宝石協会(GIA)会員など多彩な活動を続けている。投資戦略、情報リテラシーの向上に貢献します。

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