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バフェット氏もコロナ誤算? デルタ株を異例の短期売却に関しての考察[メルマガ読者完全版]


出典:日本経済新聞

バフェット氏は平均購入価格約46ドルで保有していたデルタ航空株式を約24ドルで合計約3億1400万ドル(約335億円)分を売却しました。それは、1カ月前の買値を5割近く下回る価格です。また同日、米サウスウエスト航空株の売却も行ったと伝えられています。

近年、アメリカン航空、デルタ航空、ユナイテッド航空は合併を繰り返し巨大な航空会社に成長しました。顧客に提供した座席数をもとにランキングするとアメリカン航空、デルタ航空、サウスウエスト航空、ユナイテッド航空の順番でトップ4が全てアメリカの航空会社となってます。( 因みに日本勢はトップ20には14位にANAのみ入ってます。) また、ヨーロッパの7大航空会社のマーケットシェアは55%に対して、北米では大手のシェアは82%にものぼります。

普通に考えましたら、世界第2位の座席数を提供している航空会社に長期投資するのは大いに有り得ます。バフェット氏もそうお考えだったのでしょう。然し乍ら、このままですと新型コロナウイルス肺炎は世界航空業界の強制淘汰を誘引したという結果になりそうです。北米の航空業界の未来はかなり暗雲が立ち込めているのは否めません。

ヨーロッパの航空会社はドル高がコスト増を招き、新型コロナウイルス肺炎ショックによるヨーロッパ経済の後退は大幅な収益減をもたらしてます。幅広いネットワークを持っておらず、しかもバランスシートの良くないヨーロッパの航空会社にとって、ドル高と経済状況の悪化は致命的になります。世界の航空業界は最終的には(1) 体力がある航空会社と(2) 政府からの金融支援を受けられる航空会社のみが生き残ることになると予想します。

ポイントはバフェット氏の発言が朝令暮改だとか、長期投資家なのに短期でロスカットしたことを非難することではなく、世界の航空業のトップクラスであるデルタ航空を世界一の実績があるバフェット氏が損切りしなければならない事態に世の中が遭遇している事実なのです。

リーマンショック時にバフェット氏は今こそ米国株を買うタイミングだと怯えきっていた投資家にエネルギーを与えました。今回、バフェット氏すらも短期で損切りしなければならない世界情勢に私達はリーマンショック以上のショックに遭遇していると認識すべきなのです。

短絡的に勘に頼って割安感?があるので米国株を今購入しようと考えておられる方は(1) 少し大局的に今の世の中の実情を把握し、(2) バフェット氏の行動を参考にして今後その世の中がどうなるであろうかを予測する、というプロセスを通してご自身の投資戦略を再考する必要があるのです。

関連記事:投資の神様~バフェットが保有航空会社株を全て売却した事実に関しての検証

立沢 賢一

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