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伝統的な中国茶をリブランディングした「tea'stone」が話題

今更中国でお茶が流行る?本日は中国茶ブームを牽引している中国茶ブランドtea'stoneをご紹介します。


コンセプト

tea'stoneのロゴ

若い世代に中国茶にもっと関心を持ってもらうために
コーヒーが今とてつもない速度で中国で浸透している中、一方では若者のお茶離れが進んでいる。"馴染みはあるがなんか新鮮味がない”というのが今の中国茶に対する若い世代の印象である。
しかも彼らのニーズに合ったブランドが存在していない中、tea'stoneは若い世代に再度お茶の良さを提供し、新たな方向性を開拓している。
「创意茶饮+社交空间+创新零售」=「新たなお茶文化+社交場+斬新な小売」
中国茶の馴染みの印象を打破するためにtea'stoneはお茶に関する空間、茶器、体験等を見直し、中国茶のリブランディングを実施。

ブランドスローガン

「中国茶 新腔调」、意訳すると、中国茶に新しい感動を。

ブランドについて

ブランドの理念としては豊かなライフスタイルを送る人に伝統的な中国茶を。
今までの中国のお茶文化に加え、時代に合った新しい飲み方と体験を提供し、その時間の中で中国茶の良さを再発見してほしいというのブランドの想い。その想いは商品デザインにも反映されている。

茶葉

中国全土にあるお茶の産地を全て網羅し提供する。
北は渤海の崂山から南は福建省の武夷山まで、中国のお茶の産地は全国に広がっている。
各地に産地がある茶葉合計11,200種類以上から厳選した緑茶、紅茶、黄茶、白茶、黒茶、烏龍茶の基本中国茶を社内のプロフェッショナルチームが厳選し、提供。

店内にある中国茶の書類
様々な中国茶ブランドが選択可能

見た目、風味、香り、甘さ、苦味、状態、規格、感覚など9つの角度から独自の評価基準を設け、基準の80点以上を満たしたお茶だけが商品化される。
品質管理も徹底している。
中国政府が唯一認定している国家級茶葉科学研究機構の「中国農業科学院茶葉研究センター」で品質検査を行なっている。
茶葉の販売だけでなく、気軽に飲めるティーバッグ商品も用意されているのは嬉しい。

tea'stoneのティーバッグ商品

茶器

茶器の選択も豊富だ。特に中国の新石器時代に作られた古代文明の器から着想を得てデザインされた茶器セット「上古逻辑茶杯套组」の形はユニークで、友達に話したくなる。
この茶器は世界三大デザイン賞の1つであるドイツのreddotアワードで2023年に受賞している。

「上古逻辑茶杯套组」の茶器セット
ドイツのデザイン賞reddotを受賞

店舗状況

2024年現在、中国各地に11店舗展開中。エリアは西安、成都、武漢、上海、深圳。
本社がある深圳は5店舗展開しており、他のエリアが1都市1〜2店舗に比べて深圳は特に店舗数が多い。
また、オンラインではWechatミニプログラムでも茶葉、ティーバッグ、茶器、ギフト商品を販売している。

上海の新天地にある店舗
武漢のtea'stone店舗

売上規模

2022年の段階で深圳の旗艦店は一ヶ月の売上が150万元(約3,000万円)に達している。仮に1店舗一ヶ月80万元(1,500万円)の売り上げがあるとしたら、11店舗×80万元=880万元(1.75億円)が毎月の売り上げだと予想される。

会社情報

会社名:深圳市茶生活文化产业有限公司
ブランド名:tea'stone
創業者は李姝。彼女は北京の清華大学美術学院出身で、tea'stoneの社員も美術に造詣がある人が多い。
本社所在地:深圳市南山区沙河街道光华街社区锦绣北街8号1-9号东部工业区F1栋105B
資本金:828万元(約1.6億円)

tea'stoneで体験した感想

みんなが並んで注文する様子

上海の新天地(日本で言うと銀座+六本木のような場所)にあるtea'stoneのお店に私も実際に体験し、感じたことを紹介します。

伝統とモダンな雰囲気を融合
私もお茶葉をごくたまに購入するが、いわゆるお茶マーケットにあるお茶の値段は50gで平均40元-100元が多い中、tea'stoneの商品は150元-300元の商品が並ぶ。
3倍高くても購入したいと思ってもらえる品質とサービスは実際に感じられ、店内は平日でもお客さんが多かった。
室内音楽はジャズで、スタッフに対してトレーニングを実施している店舗マネージャーの様子も垣間見える。
また、店舗で購入された消費者の状況はデータとして蓄積され、サプライヤーは在庫データ、顧客の注文内容と頻度は見える化されている。
在庫ロスと潜在ニーズの掘り起こしを積極的に行っていることも伝統とテクノロジーを融合させた深化を感じられる。

店内の様子

1人でも気軽に、中国茶を五感で楽しめる
お茶の味だけでなく、お茶を飲む場所、体験も重視。お茶は今まで2人以上が一緒に飲んでお喋りしながら楽しむものだったが、tea'stoneはそこに新たに1人でもお茶を楽しめる工夫をしている。
テーブル席だけではなく、1人でも座れるバーカウンターがあり、目の前には中国茶のティストを行うスタッフが忙しく動き、視覚でも中国茶を楽しめる。

お茶を淹れながらティストするスタッフ


私が注文したのは白牡丹のセットで、急須は約1リットル。正直、一人では飲めきれない量だが、スタッフにテイクアウトをお願いするとティーカップでそのまま持ち帰れる。

白茶の代表ブランド白牡丹のセット+饅頭風のデザート
テイクアウト用のカップ

中国茶初心者から愛好者まで楽しめる
店内で中国茶を飲むだけではなく、茶器と茶葉も購入できて、ギフトセットもある。
中国人にとってお茶は馴染みがある分、わざわざ再度知ろうとしないため、ここに来れば中国茶を手軽に理解でき、その場で味見できる安心感があるため、初心者は思わずまず注文したくなる。
茶葉のグレードも豊富なため、中国茶の愛好者にとって中国茶の良さを再発見でき、贈り物としても検討したくなる。

茶器と茶葉のギフトセット

終わりに

tea'stoneは現在は中国国内にしかお店がないが、中国茶は世界中に広がっているため、今後海外店舗の展開が期待される。"中国茶のスタバ"と呼ばれる日が近いうちにやってくるかもしれない。


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