6-4 英語を学んだその先に見えるもの
英語を学んだその先に見えるもの。それを3つにわけて説明したい。
1つ目:立体的に見えてくる世界
ワイドショーとかのコメンテーターの話をきいて
「中国や韓国は反日教育をしていてけしからん!」
「政府が報道を統制しているから、自国が正しいと信じ込まされているんだ」
とか思っている人がいるかもしれない。
けれど、「自分たちもそうかもしれない」と気づくことができる人は、どれほどいるだろうか。。。?
程度の差こそあれ、全ての国は自国に有利な視点から教育・報道をするものだ。日本も例外じゃないし、そもそもそれは悪いことなのだろうか?
国益に関わる外交問題であれば、自国の利益を守るために正統性を主張するのは自然だし、それを国民に理解してもらえるよう努力することも理解できる。
アメリカだって同じ。もし興味があれば、原爆投下や真珠湾攻撃に至るまでの経緯について、どう教育されているか調べてみて欲しい。
そもそも誰にとっても公平な視点、教育、報道なんてものは無い。
人間関係だって同じだ。ある人が誰かの悪口を言っていても、他の人はその人を褒めるかもしれない。
いろんな意見を知ることが大事なんだと思う。
この世界は複雑でたくさんの側面がある。だから多角的な視点が必要だ。気になる報道があった時、各国の英語のニュースではどう報道されているかを確認することで、別の視点を得ることができる。
インターネットの半分は英語だ。日本語はたったの3%に過ぎない。
主要な国は英語でもニュースを発信している。英語を読めるようになれば、少なくとも主要各国がどういうスタンスで報道しているかを知ることができる。これが英語の強みだ。
ある問題に対して、必ずしも世界が日本と同じ考え方をしているわけではない、と知ることができる。さまざまな側面を知ることで世界が立体的に見えてくる。
2つ目:国際交流を通じて見えてくる世界
英語ができれば外国の人たちと接するチャンスが増える。留学、海外出張、駐在、移住とかして、外国の人たちと深い付き合いをする機会も増えるだろう。
日本にいても外国人と接することはあるだろうし、英語を学ぶ過程で、そして話せるようになることで、海外の人たちと付き合う機会は断然増える。
国際交流を通じて、海外のことをより深く知ることができる。
僕がフランスに住んでいたとき、ベラルーシ出身の友達がいた。時が過ぎそして僕たちはそれぞれ帰国することとなった。いざ別れとなった時その友達は大泣きしてしまった。。。
僕は「また会う機会もあるさ」って思ってたから、その悲しみようをみて少し戸惑った。あの時の僕はベラルーシという国をよく知らなかった。あの日から今日まで「また会う機会」はやってきていないし、やってきそうにない。
別れ際の「また会おう」っていう僕の言葉がとても軽かったことを、今でも後悔している。
チェコ出身の友人と一緒に暮らしていたこともある。「国を捨ててきた」と言っていた。彼の話から、僕は自分がどれだけ恵まれた環境で生きてきたかを知った。
オーストラリアを放浪していたとき、太平洋戦争で日本軍がしたことや、日本の捕鯨について批判されたことがある。僕は日本軍がオーストラリアにまで進軍していたことを知らなかったし、そもそも鯨の肉を食べたこともなかった。
英語を学んだことで、外国の人たちと挨拶や道案内以上に深い交流をすることができた。相手を知り、自分を知る。視野が広がり深まる。驚きがあり、また不快な経験もすることになる。これが国際交流ってもんだと思う。
結果として、歴史や国際情勢にも興味を持てるようにもなった。
違う歴史や文化を背負った人たちと交流することで様々な学びがあった。深い国際交流ができたのは英語を学んだおかげだ。
3つ目:脳の拡張により見えてくる世界
英語を学ぶことで新しい思考回路を得ることができる。つまり、自分の脳が拡張される。新しいソフトウェアをインストールして新しい機能が追加されるのと似てる。
「英語脳」って言葉をときどき聞くけど、確かに言語によって脳の使い方が違うと思う。そもそも語順が違うってことは論理回路が違うってことだろう。
実感として、僕が日本語、英語、中国語を話す時、言語スイッチを切り替えてる感覚がある。性格すら少し変わると思う。
言葉は、それぞれの土地で長い時を経て発展してきたものだ。その土地の文化や歴史を色濃く反映している。
だから、違う言語を学ぶと、違う考え方や価値観を知ることができる。
日本語だったら尊敬語、謙譲語、丁寧語が発達してきた理由がある。中国語では時制が厳密ではないことが多く、また音の抑揚で意味を表現するという独特さがある。英語は言いたいことを客観的且つ明確に伝えることに長けていると思う。
みんな違って面白い。
どの言語が優れているとかってことじゃない。"just difference" 。あらゆる言語があって、それを母国語として使っている人たちがいる。当然ながら全ての言語は、考えたことを伝えるための表現力を十分に備えている。
他者との違いを知り、自分を知り、視野が広がり、世界をより広く深く知ることができるようになる。
つまり、脳が拡張されることで、自分の視野が拡張され、見える世界が広がるということだ。
英語を学んだおかげで見える世界が広がった。そして、自分の人生を豊かなものにしてくれていると思う。
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