3-3 《アメリカ生活記》 お客様は神様? 日米の違い
「お客様は神様」っていう日本の考え方がある。
けど、アメリカに住んでいた影響からか、その考え方に対して物凄くイワカンを覚えるようになった。
アメリカは広い。土地も広大。人も多様。
だから、アメリカとかアメリカ人ってことを一般化して話すことには無理がある。それはわかっているけど、敢えて自分の経験から話をしてみたい。
日本のお客様は神様
日本では、お客様から言われたことに対して、店員が反論することはあんまりない。「神様」だから。
そういう上下関係のようなものがあるからなのか、商品に不具合があったり、サービスに不備があったりすると、不機嫌になる客が多いと思う。
結果として、お客様に不快なおもいをさせないよう、できれば喜んでいただけるよう、日本のサービスレベルはとても高い。
顧客対応の丁寧さも世界一流だ。オ・モ・テ・ナ・シというやつ。
アメリカでは対等関係
そもそも富裕層は別として一般的なアメリカ人たちは、サービスに対して高い期待を持っていないように思える。ある意味でとても寛容な人たちだ。
これ、いい意味で言ってます。念のため。
少なくとも僕が住んでいた都市ではそうだった。
例えば地下鉄
電車が停車する時にピッタリ停車できなくて、動いたり停まったりを繰り返すことが多い。椅子に座ってればいいんだけど、立ってるとユラユラして大変。
だからかもしれないけど、赤ちゃんとか抱っこしてたり子供連れだと、ほぼ間違いなく席を譲ってもらえた。
ポイントは、電車の停車がヘタクソなことを気にしてる人はいなそうだった、ということ。
例えば駅のエスカレーター
しょっちゅう故障してて動かない。毎日地下鉄に乗ってた僕の感覚では、30-40%の確率で稼働してなかったと思う。
エレベーターもあるんだけど、ほとんどの人が使わない。年配の方や小さな子供を連れた方だけしか使ってない。たぶん、そういう共通認識があるんだと思う。
これって心の余裕とも言えるかも。エレベーターに乗って「閉まる」ボタンを連打している人とは対照的。
みんな、エスカレーターが故障して動いてなくても、エレベーターを使わずに歩いて上り下りしてる。
それを不満に思っている様子も感じられない。
「そんなもんだよね」って受け入れている感じ。
例えば飲食店
「店員と顧客は対等なんだなぁ」って思うことが多い。お客さんと気さくに会話するけど、対応が丁寧ってわけじゃない。
例えば宅配
日本では、アマゾン等で物を買うと2、3日で確実に届く。
このサービスレベルは、アメリカだったらプライムに加入しないとあり得ないレベル。しかも、アメリカのプライムって年間1万円くらいだった。日本より高い。
アメリカで生活を始めたばかりの頃、家具や生活必需品をそろえるために、かなりオンライン発注をしてた。
けど、なかなか予定通りには配達されないし、届いても壊れてる(涙)。そもそも届かない(怒)ってことも珍しくなかった。プライム入ってたんだけど。。。
都度クレームしても、配達の人に悪びれた様子は全くない。
気さくな感じで「それじゃ返品したら?または交換する?」とか、「返金しとくから商品は処分しちゃって」ってな軽い感じ。
最初の頃はそれがストレスだったんだけど、いつの間にか慣れちゃって気にならなくなっている自分がいた。
日本で感じたイワカン
そんなんだったから、日本に帰国した後に目にした光景にはすごくイワカンを感じてしまった。
ある時、レストランで隣のテーブルのお客さんがコップを落としてしまった。床は割れたガラスでバラバラに。しかも、ジュースでびしょびしょ。
店員さんがすぐに駆けつけてきて、
「お客様、大丈夫でしたか?申し訳ございません。今すぐ片付けますので。」
って対応してた。
その時の僕は、何に対して「申し訳ない」のかサッパリわからなかった。
日本の店員さんって「申し訳ございません」って言うこと多いけど、「申し訳なくないでしょ」ってツッコミたくなることが結構ある。
日本のサービスレベルは高くてありがたいけど。。。
日本のサービスレベルは、たぶん世界最高レベルだと思う。
そしてそれを維持するために、サービス提供側はものすごく努力してる。
飲食店のウェイター/ウェイトレスも、毎日クレーム対応しているカスタマーセンターの方も、商品を発送する方も、配達する方もみんな。
しかも、お客様に理不尽なことを言われても滅多に反論しない。
それって、一人一人の従業員がサービスレベルを向上させた分だけ、ストレスをためてるってことになるんじゃないかな。
お客様の立場しか経験しない人はいいかもしれない。いつも「神様」みたいに丁寧に扱われるわけだから。
けど、働く側に立ってみれば大変だ。
最近、スーパーのレジで理不尽なクレームをする客が増えている、ってテレビで報道されてた。
コロナ禍のストレスってのもあるだろうけど、仕事で溜まったストレスをお客様側に立った時に吐き出している、という側面もあるんじゃないかな?
それって悪循環じゃない?
僕はアメリカの方が、サービス提供側とお客様とのパワーバランスがちょうどいいな、って思う。
「お客様は神様」ではなくてもいいんじゃない?
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