電子カルテのUI/UXを考える その1

電子カルテが登場してから随分たつが、残念ながらいまだに素晴らしいものにお目にかかったことはない。特に、日本のメーカーが開発したものは使いやすさまで考慮されているとは言いがたく、UI/UXにも改善の余地がかなりあるように思う。

一般的にPC上でセキュリティのかかったものにログインするためには、利用者IDとパスワードを入力後にエンターすれば開く。電子カルテも同様で、多くのメーカーの場合、利用者IDとパスワードを入力してエンターすればログインできる。

画像1

これはF社の電子カルテであるが、利用者IDとパスワードを入力後にエンターするだけではカルテの画面にはならず、利用者氏名が表示されるのを待って、さらに「診療業務開始」をクリック(もしくは再度エンター)しなければならない。

診療業務(電子カルテ)以外の業務も選択できるようにするために、このようにしていると思われるが、多くのユーザーは1回のエンターでログインすることが当たり前と考えているため、この仕様はもどかしく感じるのではないだろうか。

また、利用者氏名の表示欄が、いかにも入力できそうなデザインとなっているのも問題である。「ログイン」ボタンの手前にあることから、初めて使うユーザーがパスワード入力後に利用者氏名に自分の名前を入力しようとする姿が目に浮かぶ。

さらに、利用者IDとパスワードを入力しても反応しない「ログオフ」ボタンと「業務選択」ボタンが、パスワード入力後にクリック可能となる「ログイン」ボタンと同じデザインで、しかも横並びで表示されているのも理解に苦しむ。

いずれにしても、初めて使うユーザーでも混乱しないように、ログイン画面は利用者IDとパスワード入力欄だけにして、ログイン後に利用者氏名と「診療業務開始」「業務選択」「ログオフ」が表示されるようにするべきではないだろうか。