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第98回【花園】調べ③選手の体格

花園もいよいよ佳境。明日が準決勝ですね。本業、というわけではないけど、選手の体格は仕事柄気になるところです。ということで、今回の内容は以下の通りです。

第98回「花園」出場選手の体格分布調べ。
比較項目:身長、体重、BMI(Body Mass Index:体格指数)
 1.戦績別体格比較
 2.学年×戦績での体格比較(ポジション別)
*BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

はじめに

アンケート記載から試合までは時間もありますし、計測方法などもチームによって差がある可能性もありますが、体脂肪率やトレーニング記録よりズレは少ないのではないかと考えられます。

もちろん、これだけで決まるわけではないことはご承知いただきたく思います。実際に大学選手権でもFWD8人の体重で劣っていた天理大学がスクラムを押し込む場面もありますし、他にも色々な要因が絡んできます。
それでも体格というのは1つの指標にもなるもの。

今回の対象者はこちら
複数ポジション記載されていた選手には両ポジションでカウントしています。また、FWD/BKSのようにポジションを特定できない記載については集計から除外しています。

戦績別で分類すると、このように分かれます。

*チーム数:(1回戦:19チーム、2回戦:16チーム、3回戦:8チーム、ベスト8以上:8チーム)

1.戦績別体格比較

戦績が高くなるのに合わせて、選手の体格が大きくなっているのが確認できます。そして、戦績が下位の方がバラツキも見られますね。
ただ、これではポジション特性が出てこないのでポジション毎、また学年などで分類して比較してみました。
花園調べ①では、複数ポジションの選手を含まずに計算しましたが、大学選手権を見ていて「ラグビーはもう15人だけでやるものではない」という言葉もあったことと、選手層という部分が戦績にも影響する可能性があるのではないか、ということで今回は含めています。

2.学年、ポジション別平均体格比較

【FWD】
統計的に検証したわけではありませんが、PR・LO・FLでは2年生の方が3年生よりも体重が重いという結果に。どのポジションでも1年生と2年生を比べると増加が顕著ですが、2年生から3年生ではそういうわけでもない。
良いように解釈するなら、プレースタイル含めてちょうどいいところに落ち着くのかな。

そして2回戦までと3回戦以上で、体重に差が出てくるポジションが複数あります。

【BKS】

BKSは概ね、学年が上がると体重も重くなっています。元々身長の割に軽い傾向にはあるので、トレーニングや発育に合わせて大きくなっていくんだろうと思います。
同学年であっても戦績で随分と変わります。

ラグビー選手の体格

あくまで今回のデータからですが、高校生は身長の変化もあるので、体重○○kgという目標だけじゃなくBMIなども1つの指標になるのではないのかなとも思います。
もちろん平均データなので、実際にはもっと大きなバラつきがあるのは事実です(散布図参照)。

体重、とにかく増やせばいいんだ、だけじゃない資料にもなるといいかなと思います。

まとめ

1.戦績別体格比較
上位進出チームほど大きくなる傾向はあるが、高い水準でまとまりバラつきが少なくなる
2.学年・戦績・ポジションでの体格比較
戦績に伴って体格も大きくなる傾向になるが、FWDでは3年生よりも2年生の方が大きいところもあった。BKSは概ね戦績・学年に伴って大きくなっている。どのくらい大きくなっているかは本当は個人を追跡するのがいいのだろうが、そこまではやっていない。


読んでいただきありがとうございます。日々の雑感やスポーツ、運動にまつわる数字を眺めてまとめています。普段はトレーニングサポートや講義を行なっています。