見出し画像

共創と独創でデザイナーのJD(募集要項)を作ってみた話

デザイン会社の顔となる情報

皆さんは、転職先を探す時やデザイン会社を知ろうと思った時に、まずどんな情報を見にいきますか?
デザイン会社のコンセプトやポリシーの情報、どんな仕事をしてきたのかの実績。メンバー構成など人によって様々だとは思うのですが、まず多くの人が職務要件や募集要項を見て自分の求める仕事ができるかどうかや向き不向きを判断するのではないのでしょうか。

ちなみに、NEWhのサービスデザイナーの募集要項はこんな感じの内容になっています。

https://newh.co.jp/career/service_designer.html

求められる成果・資格やスキルセット・マインドセットから始まり、福利厚生や会社概要が掲載されている、デザイン会社の求人としてはよくあるフォーマットです。募集要項は求人情報として載せる以外にも、昇級の要件定義に活用したりと各社用途は様々だと思いますが、デザイン会社各社のスタンスや思い・願いが詰まっている非常に重要な位置付けの情報だと考えています。

NEWhの募集要項も御多分に洩れず自分達のスタンスや思い・願いが大いに詰まった内容になっているのですが、僕たちならではの少しユニークな方法で作ったので今回はそのプロセス・背景のお話を共有したいと思います。


きっかけ

前述の通り、NEWhは2021年1月に創業したばかりの会社です。創業のタイミングで優秀なメンバーの参画が決まっており、更に立ち上げと同時にも関わらず多くのクライアントからお声掛けを頂くという幸運な状況が続いていました。
沢山のオファーを頂く一方で、メンバーの不足から全てのご相談を受けることができない状況もあり、一緒に価値創造できる新たなメンバーをチームに迎え入れることが急務になっていました。
また、デザイン会社やメンバー各々がデザイナーとしての価値や視点を常にアップデートしていくためにも、新たな出会いが必要だということをチームの課題としても抱えてました。

そんな立ち上げのバタバタの状態が続いていたため、「このままではいかん、等閑になっていた求人情報の整理をしよう!」と一念発起して募集要項の作成のプロジェクトを立ち上げることとなりました。


募集要項作成の方法論

独創⇄共創

折角自分達の思いや願いをこめた募集要項を作るのだから、作るプロセスも自分達らしいやり方にしていこうということになりました。NEWhのバリューの特徴として「共創と独創を繰り返すことでチームの共通認識を構築しながら、ターゲットユーザーのニーズを叶えるプロダクトの提供価値を構築していく」というポイントがあります。
共創とは、WSやユーザーインタビューなどの参加型のアクティビティを通じてメンバー間の共通認識の構築や1人での思考では創出しづらい多様なアイデア発散を行う営みです。一方で独創とは、前提となる情報に基づき、メンバー1人1人がじっくりと腰を据えて課題の深堀りやアイデアの検討と向き合う機会を設けることで、本質的な課題解決に向けたアイデア創出やインサイト発見を行う営みです。

NEWhのサービスデザイナーが備え持つべきマインド・スキルセットをきちんと定義した上で、これからどんな価値提供ができる人材になっていきたいかというWILL(願い・目標)も、募集要項に内包する情報として持たせるべきという話をチームでしていました。そのため、この募集要項の設計においても共創でチームメンバー間で組織のサービスデザイナーの位置付けや価値発揮に対する共通認識を構築しながら、独創で情報の精度を上げつつ、各メンバーのWILLを組み込む形で練り上げていくNEWhのプロセスが適しているのではないか、ということで募集要項作成のプロセスを設計することにしました。


チーム組成

NEWhの3職種

まず共創と独創で募集要項を作っていくプロジェクトの、ファーストステップとして、プロジェクトチームの組成をしました。NEWhにはサービスデザイナー以外にもビジネスデザイナーとプロジェクトマネージャーという職種の人々がいます。サービスデザイナーは、主にサービスの根拠となるユーザーインサイトの発見や体験設計を担います。一方で、ビジネスデザイナーは、サービスにおける収支モデルや事業性の設計を担い、プロジェクトマネージャーはプロジェクトのQCD管理や事業上申のコミュニケーション管理を担います。
普段のプロジェクトでは3者がそれぞれの役割を担いながらプロジェクトゴールの達成に向け連携し動いています。今回はサービスデザイナーの募集要項を作るプロジェクトなので、サービスデザイナーの参加はマストとしつつも、普段サービスデザイナーと一緒に動くことが多いプロジェクトマネージャーにも参加してもらいました。ビジネスデザイナーはアサインできなかったのですが、替わりにNEWhの事業全体を把握している代表の神谷に参加してもらうことでビジネスデザイナーの視点を担保しました。そうすることで、サービスデザイナーの定義をサービスデザイナー自身の視点だけで自分達を定義するのではなく、プロジェクトマネージャーやビジネスデザイナーがどんなプレイヤーと一緒に働きたいか?という視点も組み込むことを目論みました。


設計プロセス

サービスデザイナーの募集要項設計のためのチーム組成が完了した後は、どういったプロセスで募集要項を作っていくかを考えます。今回の設計のポイントは、前述の通り「共創」で共通認識を作りながら「独創」で情報の精度を上げていくことだったので、
・NEWh全体の意見を発散するタイミング
・発散した意見をプロジェクトメンバー1人1人が噛み砕いて1つのアイデアにしていくタイミング
をプロセス構築の軸として設けることにしました。

上記の方向性を踏まえたプロセスの概要は以下、

募集要項の設計プロセス

1. チームやサービスデザイナーに対する認識の可視化WS(共創)

まずは、全社のメンバーに参加してもらってNEWhというチーム全体やサービスデザイナーに対する現状認識やこれからなりたいデザイナー像・チーム像の意見を発散

2. サービスデザイナー必要要件定義(独創)

WSで得られた全社メンバーのサービスデザイナーの現状認識に基づいて、プロジェクトメンバーそれぞれでサービスデザイナーとして必要なスキルセット・マインドセットの必要要件を定義し、議論をして仮のサービスデザイナーの要件定義を実施

3. 検証:実績との照らし合わせ(共創)

仮説のサービスデザイナーの要件定義に対して、過去の実績と照らし合わせる形で内容の検証を実施

4. 検証:競合企業との比較(共創)

実績と照らし合わせて、整合性確認した後に、競合企業の募集要項とサービスデザイナーの要件定義を比較して、NEWhのサービスデザイナーのユニークポイントを議論

5. 募集要項初稿作成(独創)

これまでの議論を踏まえて募集要項の初稿を作成

前述の通り、共創と独創を繰り返すことで、結果NEWhの現状と未来への願いを含めた募集要項ができたのではと考えています。また、今回の一連のアクティビティの中で得られた副産物の成果もあり、そのあたりの情報もいずれこのnoteで紹介をしたいと思います。

次回は、プロセスの中で実際にどういったアクティビティをしてどういったアウトプットや議論をして募集要項を作り上げていったのかを詳しく紹介をしたいと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?