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【Amazon勤務で学んだ事 - その① 文書作成】

Amazon JapanでProduct Managerをしています。
もうすぐ10年目の40歳手前です。

Amazon で仕事をしていると一般的な会社とは違う様々な文化が存在していることに気が付きました。その中でも、自分が勉強になったと思うこと、他の場面でも応用ができるなと感じた事などについて共有していきたいと思います。

【Amazonのドキュメンテーション文化について】

Amazonの特殊な文化で学んだ事のその①はドキュメンテーション文化 (文書作成) です。

私がAmazonに入社して驚いた事の一つでもあるのですが、Amazonではほとんどパワポを使いません。使う場面は限られていて、大人数に対しての部署紹介や、All handsと呼ばれる全社員集会など、大多数のAudience向けに説明をする機会のみだと思います。もちろん外部の方々に説明をする際などに使用するケースはあるかと思いますが、社内会議では全く使いません。というか、使用NGです。

Amazonでは、「会議で何かを決めたい」という場合には、1ページャーもしくは6ページャーと呼ばれるWordドキュメントを用意します。1ページャーは1枚の紙。6ページャーは6枚の紙(両面印刷なので紙3枚)がメインとなります。Appendixとして追加するTableやFAQ(よく質問される内容のQ&A)などは除きます。

会議のOwnerはそのドキュメントを印刷もしくは参加者に事前に送付することで共有します。会議が始まると、最初の5-15分かけて全員がそのドキュメントを読みます。会議で、ただただ全員が読みます。会議に沈黙の時間が流れます(笑)。

15分後、みんなが読み終えたタイミングで会議がスタートし議論が行われます。基本的には1ページずつ内容について質問などあるか?と聞いていくのですが、その前に決裁者に対して最初にコメントを求めます。

会議によっては最初の一言で終わることもあります。「Approve、以上。」みたいな。その場合、そのドキュメントは「ポイントが整理されており、読めば全てわかり判断ができる」、とてもいいドキュメントということになります。

私が初めてAmazonに入社して担当したProjectでも、Management Teamに承認をもらう会議でも同様に6ページャーを用意して臨みました。

会議の冒頭15分間、自分は内容をわかっているので他の仕事しながら読み終わりを待つのですが、待っている間の手持ち無沙汰が半端なかったのを今でも覚えています。

また、読み終わったタイミングでコメントを求める前に説明をしようとしたら、「書いてあること言うな」と怒られたのを今でも覚えています。

ドキュメンテーションは奥が深く、私自身もいまだに日々上手な人の書き方を参考に試行錯誤を繰り返しています。完璧なビジネスドキュメントが書けるようになるまで、まだまだ時間が掛かりそうだと感じていますが、少しずつですが効率的に議論が進められるスキルが付いてきていると感じます。

【そもそもなぜパワポダメなのか?】

パワポ禁止になった理由には色々噂があるのですが、どうもJeff Bezos が昔コンサルを入れてprojectを進めようとした際、コンサルのパワポがすごくわかりにくかったようです。アニメーション等でごまかして、ポイントが分からん。と。

一方、枚数の制限があるWordで書かれたドキュメントの場合、書いてあること以上のことを説明できない訳で、Simpleにせざるを得なくなる。また、読み手にとっても質問点もメモですぐに書けますので、会議参加者の視点を合わせて議論ができ効率的、というような理由のようです。

慣れるまでは違和感があるのですが、とても効率的なルールだなと感じることが多いです。

私も前職ではパワポをたくさん使用していました。Wordなんて一切使っていませんでした。今振り返ってみると、内容にかけている時間に加えて、どういうデザインにするかとか、アニメ―ションをどう入れるかとか、「見せ方」に結構な時間を使っていたような気がします。また、上司にも「見せ方」に好みがあって、内容よりもデザインを指摘されたりもしました。最悪なのは、その上司にまた違う「見せ方」の好みがあって更に差戻しが発生する場合でした。あまり本質的でない時間がストレスだったことを覚えています。

そう考えると、完全にFormatが規定されているルールの中で、中身にフォーカスして時間を使うのは確かにいい仕組みだと感じています。

【ドキュメントをまとめる際のポイント】

ここまで記載したのは、Amazon全体でルール化されている独特な文化なので、ここまで極端に変えることは難しいと思います。しかしながら、この文化の中で私が学んだ次に記載するいくつかの事は、他社で働く上でも、またその他の場面でも役に立つのではないかと考えています。考えをまとめるという作業のためにも、ドキュメント化をすることをお勧めします。

1. フォーマットの定型化 - 先ほども記載したように、自分の型をしっかり定義、ルール化する事。また、可能であればそれを周囲と合意しておく事。こうすることで、デザインの好みなど、議論の本質的でない点に時間をかける必要がなくなります。パワポであってもフォーマットや、フォント、ページ数の上限等々、定型化出来ることはあると思います。

2. 簡潔にする – ここが特に大事なポイントだと思っていますが、1page もしくは6pageと上限を設けることで簡潔に絞るしかなくなります。不要な段落がないか、論理が明確であるか、読み手に取ってわかりやすい内容になっているかを考えることが必要になります。読み手にとってはポイントが整理されているため読みやすく、かつ長々と説明を聞く必要がない事もメリットになります。この点については、転職活動における職務経歴書などにおいても重要な点になると思います。その紙1枚で、自分がどういうskillや実績を持っているかを簡潔かつ分かりやすく伝える、という点で共通項が多いと考えます。

3. 表現を明確にする - 日本語でも英語でもそうですが、多い、少ない。というような言葉だけの表現は避け、明確に数字を使ってどの程度少ないのかを表現します。+100bps, +10% (YoY) など。何に対してどれだけ、ということが明確になっているかを意識して記載しています。

4. データを適切に使用する – 表やグラフなど、特に複雑になりがちです。また、使うグラフによっては、受け手に間違った認識をされる可能性も有ります。議論のために適切な表現になっているのかという点を考えると共に、不要な議論を産む可能性のあるものは言葉で表記するようにしています。

特に大事だと感じる4点についてまとめましたが、これらを意識して考えをまとめ、読み手の立場で読み返すようにしていくことで、少しずつですが分かりやすいビジネスドキュメントが書けるようになってきていると思います。

最近私が担当したGlobal projectでその成長を感じることがありました。当初1時間の会議でしたが、冒頭15分のreading timeのあと、決済者の「Good to Go!」一言で終わりました。結構な金額のBusiness 判断だったので私自身が一番驚きましたが(笑)

【ドキュメントのフレームの例】

Amazonでは様々なタイプのドキュメントに応じて、構成要素のフォーマットがある程度定義 (おすすめ) されていますが、一般的な構成要素は以下のようになっています。ビジネス判断を必要とするような会議の際に私が使っている構成要素になります。

1ページャーと6ページャーで基本的に大きく流れは変わりません。その内容の多さによって使い分けている形になります。もちろん6ページかからない場合には2ページで終わることもあります。


1. Summary (まとめ):このドキュメントが何の目的として書かれており、どういう結論、提案としたいのか。

2. Background/Situation (背景、状況の説明): 問題の背景や、現在の状況の説明を追加する。

3. Root cause/Solution (問題・課題の原因とその解決方法) : 問題の本質的な原因の説明と、それを解決する方法について詳しく記載する。

4. Proposal/Action plan (提案とアクションプラン) : 結論としての提案とそのアクションプランの詳細、Next stepについて。

パワポであっても聞き手にとって分かりやすくするという点で、流れは同じかなと思っています。いったん文字で書いてみて、必要な要素をパワポに乗せていく形になるのではないかと思います。

以上、参考になれば幸いです。

今後迎えるタフな期間を生き抜くため、また、キャリアアップのために、今後も私の経験やAmazonで学んだ事をNoteやTwitter で発信し、転職や、キャリアアップのサポートをしていきたいと考えています。

TwitterはKen@転職・キャリア相談です。もしよろしければ、フォローしてみてください。よい情報を発信できるようにしたいと思います。

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Amazon JapanでProductManager 40歳手前 | 転職やキャリアアップで給与をあげ、やりたい仕事を手にするための情報発信 | 経歴:地方大学→メーカー→Amazon | 年収:320万から昇進をして500万。Amazonに転職、昇進し現在2,000万程 |

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