Nº11 B2レベルのイタリア語の展開図(4) Coniugazione dei verbi (di diversi tipi)
B2レベルのイタリア語取得を目指す上で、CILSのガイドラインを手がかりにしながら、文法的にどういう単元または項目をおさえておけば良いのか、をみなさんと一緒に確認していくシリーズ「イタリア語の展開図」の4回目です。
今回取り上げるのは、Conigugazione della forma attiva e riflessiva dei verbi di diversi tipi です。
イタリア語の学習をはじめたばかりの方から途上の方にとって、動詞の活用や複合形は一見大変そうに見えるかもしれない要素です。
でも実際には慣れるのが大事で、下手に覚えようとしないことが最大のコツだと、僕は捉えています。
不幸なことに、大部分、または少なくとも一部の講師は、動詞の活用を io から loro/essi まで順に言わせたり、自分がそれをスラスラ言っているのを動画でお手本として見せたりしています。
僕はそれはナンセンスだと思っています。そういう練習を自主トレでやってもいいとは思いますが、あくまでも補完的に、に限るべきです。
むしろ、セリフや文の中でたくさん出会うことを優先する方が収穫は多い。そう思います。
話を元に戻します。
まずは範囲を抑えましょう
B2レベル(CILS DUE-B2を指す、以下同じ)で求められているのは、規則動詞、不規則動詞、そして verbi modali の活用です。最後のは、dovere とかのことです。
これらについて、modo の種類と、tempo の種類を組み合わせたパターンに基づいて出題ネタにされます。
modo というのは、indicativo とか congiuntivo とかの分類のことです。
対して、tempo というのはいわゆる時制で、imperfetto とか trapassato prossimo とかのことです。
僕を含めて、文法の説明の中で便宜上、modo と tempo の区別を意識せずにただ単に「時制」という言葉で括って話を進めることもよくあります。
B2で特徴的なのは、forma attiva e riflessiva に的が絞られている点です。
forma passiva すなわち受動態は、「認識できればOK」という扱いになっています。CILS TRE-C1になるとそれを運用できるスキルまで求められます。
続いて、modo と tempo を順に上げていきます。
modo indicativo
すなわち、直接法です。みんな大好きなやつです。(congiuntivo に比べての話)
B2で求められるのは、
presente
passato prossimo
imperfetto
passato remoto
trapassato remoto
futuro semplice e anteriore
の6つです。
ここで、僕の経験から一つ言えることは、futuro か presente かの使い分けや、futuro anteriore か presente および passato prossimo の使い分けについて、話し言葉では 本来 futuro 系を使うべきところで presente などを用いることが常態化しているので、受検時だけは「お行儀よく」解答することを意識すると良いでしょう。
modo condizionale
次に条件法です。これは一番人気だと思います。断定的に物事を言わない癖が強い日本人の「言葉の使い方」にフィットするためだと思いますが、coniugazione はみなさん定着しているでしょうか。
presente
passato
の2つが範囲です。
passato の方は、僕を含める一部の人は、(condizionale) composto という呼び名で認識しているかもしれません。同じことです。
modo congiuntivo
続いて、お待たせしました、congiuntivo です。みんなが本当は一番好きなやつです。B2で求められるのは、
presente
imperfetto
の2つです。C1にならないと congiuntivo composto(passato および trapassato)が問われないのは少し意外に思いましたが、いずれにせよガイドラインはこのように示しています。
modo infinito
あと2つです。まずこの infinito は、
presente
passato
の2つとも範囲に含まれます。passato の方は、たとえば
Penso di averlo già visto prima.
のような構成のことですね。
modo imperativo
これが最後です。
presente
の1つです。
verbi modali について
一般的には、potere, dovere, volere の3つを指すのですが、一応ここに追加で sapere(後ろに動詞の原形を伴う場合について)も認識しておいてください。と言っても、その用法自体はみなさん既にご存知で、単に分類の仕方について「あ、そうなんだね」と思うくらいかもしれませんね。
学習の難易度 ★★★(ハード)
冒頭でも述べたとおり、活用形は細々といろいろありますが、一覧表にして無機質に頭に詰め込もうとムキになるのはナンセンスです。
大事なのは、セリフや文章の中でいろいろなケースについての経験値を頭に蓄積していくことだ、と思って進めてほしいです。
難易度をハードにしたのは、実際には、難しいというよりも一つずつ(1回ずつ)それぞれの用法での活用形に出会う回数を増やすことが必要だから、という意図です。
ある程度経験値がたまってきたら、話したり書いたりするときに自分で使っていく、これが欠かせません。