#スタートアップに転職して3ヶ月目の学び(DX編)

入社から3ヶ月

2020年4月に転職して3ヶ月目に突入しました。3ヶ月が過ぎると試用期間も終わり、一四半期が終わるということで一つの節目でもあります。

6月から新たに取り組みが増えた業務に、デジタルトランスフォーメーション(DX)というものがあります。前職でもDXには取り組んでおり、大企業のDXとスタートアップでのDXという経験ができるのは貴重なことだなぁと思う今日この頃です。

ということで今回はDXについて現在感じていること、今後の取り組みについて述べたいと思います。

ここ数年DX自体は様々なメディアを通じて見聞きすることが多くなっていると思います。なのでDXの取り組み自体は特に珍しいことではなく、大企業などでは業務改善の一部としてRPA(Robotics Process Automation)の導入やAIを活用した予測、チャットボットによる顧客対応などいろいろな取り組みがあることでしょう。

一方で、デジタル技術を活用したビジネスモデルの変革についてはどうでしょうか?はっきりと「既に取り組んでおり、成果が出ている!」と答えられる企業の方々は少ないのではないでしょうか?

DXに取り組む際の課題

DXを進める上でぶち当たる課題として、以下の3つはあるあるのような気がしております。

①トップマネジメントの方針や戦略、コミットメントが不十分なため、軸がブレたり、「デジタルでなんかやって」というような指示が曖昧だったりする。

②DXの旗振り役と実働部隊に壁があり、頭脳と手足が連動していない。旗振り役はこれがやりたいというHowの連発で、実際に現場を動かしている側からするとなぜやるのか?という具合になってしまう。

③外部のパートナーを起用したが上手くコラボレーションできない。外部のコンサルを雇ったが結局やるのは自分たちなので描いた絵の通りに行かない。

まず始めのトップマネジメントの方針や戦略、コミットメントは非常に重要なファクターであると思っています。主な理由は、ビジネスモデルを変革するには、時に既存事業とカニバることもあれば、場合によっては既存のビジネスを破壊しかねない(ここまでやれるとインパクトがあるが)ためです。

特に大企業であれば既存のビジネスが収益を稼ぎ出しており、漸進的な成長はさせたいと思っているが、ドラスティックに変えようと思っていないし、変えることでもし負のインパクトを与えた場合、自らの評価にも跳ね返って来ることになると考えるのです。

経営者も3〜5年で入れ替わることが多く、自分の代では大きな失敗をしないように意思決定をしてしまう傾向が強く、その裏返しで大きな成功も難しくなるのです。

また、現場の方々も既存の商習慣、プロセスを守り、変化を受け入れたくないと思うのが基本的な姿勢だと思います。これはいろいろな業界・業種の方と話していても強く感じることです。

経営層と現場の中間層(マネージャー)も数年の任期で次のステージまたは退職があと数年であれば、何事もなく、あわよくば数%の成長を続けながら引退できれば御の字と考えるのではないでしょうか?(当然そんな方ばかりではないということは重々承知しておりますが、人は易きに流れやすいと思いますので)

従いまして、大きな変化を巻き起こすためには、会社のトップであるリーダーが明確な方向性を示し、ブレない意思表明をしなければ現場までを巻き込んだ取り組みは難しいと考えております。

次にDXの旗振り役(例えば経営企画)が様々な方策を考え、時には外部のコンサルやスタートアップ、投資家などから提案をもらいながら今何をすべきかを作り込みます。

そしてある時、自社のビジネスに使えそうなテクノロジーや親和性のあるビジネスを展開するスタートアップを使った新しい取り組みをやろうと考えます。

実際にその案を現場に持ち込むと、中々受け入れてもらえないということが頻発していると感じております。実際わたしも何度か社内で提案をしたことがありますが、中々上手くいかないことが多いです。

この原因は先述の通り、Whyの部分があまり詰められていない、または現場と共有されていないことが原因ではないかと考えております。

例えば会社としての方向性があり、ゴールまでのステップとして、今期はこの部分からスタートして、いつまでにどのような成果を目指していく、さらにDXに取り組むことで現状のビジネスにも定量的・定性的な正のインパクトがあると丁寧に説明ができれば一体感のある取り組みになると思います。

やはり人を動かすには、大義の共有と会社が目指す方向性のストーリーに腹落ち感を持ってもらうことがポイントです。

最後に外部を活用した体制での取り組みの難しさです。

ハサミも使い用と言うように、コンサルも使い用だと感じています。

(コンサルの方には大変失礼ですが)コンサルを起用する意味は、取り組みをそれっぽく見せるための箔付です。あとは、ハンズオンで入り込んできてくれる場合は、ちゃんとやれない人のTODO管理人です。

例えばDXの全社戦略を3ヶ月かけて作り上げるという案件を戦略コンサルティングファームに発注すると、数千万円から億単位の出費になります。

各部署へヒアリングをして、様々な事業説明資料、オペレーションフロー、組織図などの資料を提出し、さらにディスカッションを度重ねて、最終的な戦略を語るレポート数十枚でその金額なのです。

例えばレポートを渡して、「いくらなら買いますか?」と質問をみなさんが受けたらいくらと答えるでしょうか?

従って、レポートは一つの成果物ではありますが、ある意味サンクコスト(埋没費用)のように感じている側面もあるかもしれません。

「これだけ費用をかけたのだから、DXに取り組むしかないと・・・。」

お金がかかっているにせよ、DXの取り組みに本気になり、全社を上げて様々な取り組みがスタートするのであれば安い投資と考えられるのかもしれません。

外部に描いてもらった物が上手く進まない理由は、その実行プランが自分事になっていないからです。本当にこのプランにコミットして取り組めば道が開けると思えるまで研ぎ澄まされていないのではないでしょうか。

これはDXに限らずですが、プランに価値はなく、実行にこそ価値があります。そのため、自分のリソースを投入して価値を出すことにコミットできるプランを作る必要があります。

以上がわたしがDXに携わる中で、直面したり、見聞きした課題の主なものでした。

これからのDX

今後は何をするかというと、これまでの経験を活かして、業界を変革するようなDXに取り組みたいと考えております。かなり大掛かりなものではありますが、漸進的な成長すら不透明な企業は多いと思います。

さらにテクノロジーは進化し、それに伴い消費者も加速度的に新しい技術やサービス、プロダクトに触れるようになります。

最近では有楽町の電気ビルにb8taというシリコンバレーで急成長しているスタートアップのお店が8/1にオープンし、多くの人で賑わっています。

今ある何かを改善または課題解決するのではなく、新たに消費者の購買体験や提供価値を提供または提起していくような取り組みを進めたいと思っています。

難易度はかなり高いと思いますが、業界の有力なプレイヤーや熱い想いを持った方を巻き込むことで、ニューノーマルの一つの答えになるようなことが実現できるのではないでしょうか。

4ヶ月目以降は目に見える成果を求めて行きます!!


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