見出し画像

伊勢神宮の旅③

バスは愛知県にある
熱田神宮へ向かった

今回のツアーは神宮を巡るツアーだと
ガイドさんが言ったのを聞きいて
年配の方が多い理由にも納得ができた

知らない町の知らない道を
ひたすらバスで走るのは楽しかった

日常を追い抜いて
日常から離れていくのは
とてもワクワクした

このまま日常へは戻らず
どこかの果てまで突き進んで
消えてなくなっても悪くないとさえ思える
そんな快感を感じてしまった

五感で感じる全てが長閑だった
空気が澄んでいて、山の緑も濃く
鳥の鳴く声も綺麗に聞こえた

青く広がる空は自分が住む場所とは
どうしても同じ空とは思えなかった
実は空には見えない境界線が
存在してるのかもしれないと思った

もしもこんな素敵な場所で育っていたら
もっと素直な性格に育っていたのかもと
そんな不毛なことを考えてしまった

✳︎

熱田神宮の入り口に到着して
バスを降りると懐かしい匂いがした

「あれ?この匂い知ってるぞ…」

必死で過去の記憶を巡らせた
この匂いが薄れてしまう前に
絶対に思い出さなければと
脳内をフル稼働させた

そして答えが見つかった

小学生の頃の材木屋の
川口の家の玄関の匂いと同じだった
木彫りの熊の置き物がある
川口の玄関の匂いと同じだった

もしも熱田神宮へ行く人がいたら
熱田神宮の入り口の匂いと
川口の家の玄関の匂いは
同じなんだと思ってほしいです

ちなみに川口は冬でも半ズボンだったと
そんなどうでもいい情報も思い出してほしい

熱田神宮へ入ると神秘的な体験をした
結果的に今回の1泊2日の旅で
そんな体験をしたのは
この1回だけだった

もし神秘的な体験をするなら
伊勢神宮でするものだと思っていたので
急激な角度からの体験には驚いた

それは熱田神宮の2個目の
鳥居をくぐった瞬間だった
一気に空気が変化して
目の前の色が濃くなった感覚を覚えた

気のせいかもしれないと思い
他の参加者さんの反応を確認した
皆んな普通に通り過ぎていくだけだったので
やはり気のせいなんだと思った

しかし、そのさらに後ろを見ると
母親が足を止めて頭を押さえていた

「頭の中がパチパチしてる」と言っていた
痛いとか刺激的なものではなく
小さな炭酸のようなものが
頭の中でパチパチしてると言っていた

ちなみに親子ともに
スピリチュアル的なことは
まったく信じないタイプです

この不思議な現象が何だったのかは
まったく分からない
でも2個目の鳥居をくぐった所で
何かを感じたのは間違いない

これが御利益なのか?不利益なのか?
母親と話し合った結果
よく分からないからポジティブに
この出来事を捉えようと解釈して
不思議な体験を納得させた

この出来事を誰かに言ったら
頭のおかしな親子だと
そう思われると思ったので
黙って心の中に閉じ込め
みんなの後を追って前に進んだ



熱田神宮の中には
『刀』を展示する施設があったので
入館料を払って入ってみた

刀は綺麗だった
刀は清らかだった
刀って芸術作品なんだと
惚れ惚れしてしまった

刀には不思議な魅力があり
刀の曲線美はとてもセクシーに感じた

この刀で斬られたら興奮するのだろうか?
どこを斬られたら最も興奮するのだろうか?

そんなバカバカしい事を想像してしまうほど
刀には底知れぬセクシーな魅力で溢れていた

ちなみに、この施設に入った瞬間
「また何か空気が変わった」
と母親が言ってきた

『クーラーが効いてるだけじゃない?』
と言ったら、図星だったのか
「本当だ」と言ってめちゃくちゃ笑っていた

母親は熱田神宮の神聖さに
思いっきり引っ張られてしまったようで
とても見事な天然っぷりでした


今回はここまでです
次回はホテルに到着です


《お賽銭あるある》
財布を開け10円玉と500円玉しかない場合
自分の器の小ささが露呈されがち

それではまたCiao!

この記事が参加している募集

#一度は行きたいあの場所

54,172件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?