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箒星/2月17日

集中して字を書きすぎた時、私は多分姿勢がよくない。多分頭が前に出てしまっている。首の付け根をはじめとした首肩まわりの筋肉が、必死にその重さ6kgぐらいの、脳みそが詰まっているのかスッカラカンなのかわからない頭を支えてくれている。その代償は、意外と大きい。身体がガチガチになって、なんとなく、調子が上がらなくなる。
そうなった時はふと気づくと、「あ、今身体がとっても力んでるな」と感じる。意識できた時は呼吸をしてゆるめる努力をするが、すぐ無意識になるし、そうするとまた力んだ状態に逆戻りだ。

昨日整骨院に行ったら、「右肩上がってますね〜」と言われた。まっっったく気づいていなかった。最近サブスク解禁になった、ミスチルさんのアルバム「SOUNDTRACKS」の1曲目「DANCING SHOES」の歌詞の一節のように、左の肩も上げて、やっぱ両肩下げなきゃいけない(お聴きになった方はご理解いただけるかと思う、ミスチルのアルバムの1曲目はほんとどれもいいですよね)。

そこに、冬の逆戻り攻撃。先週までもう春か〜2月なのに早いな〜と油断させておいての、この寒さ。スキップしていたところを後ろからぐさりと刺されたような感じだ。もうちょっとだけ冬の寒さを味わっていたかったな〜とか思った数日前の自分がうらめしい。何事も、無い物ねだり、だ。

今日は大してハードに働いたわけでもないけど、寒いし、なんとなく調子が上がらなくて、家に帰ってきた時には「別にそれほど疲れていやしない」とは言えなかった。色々やりたいな〜と思っていたけど、ご飯を食べて早く寝たほうがいいかな〜と思っていた。

そのくせに、ちょっといつもより早く帰れて時間があったからって、調子に乗って筆を取る方を選んでしまった。
最初は朱墨を。外は寒いし、あったかそうな文字を書きたくなった。もったり、まったりと。
次は普通の墨汁で。この寒さに乗じて、ワタシ的に響きが好きな、冬のおきまりの言葉を、好き勝手に書いてみた。イメージは、等圧線の間隔が狭い感じ。

不思議なことに、こうして手を動かしていると、なんだか元気がわいてきた。元気といっても、モリモリ〜!1という感じではなく、疲れたな…というマイナスの間隔が、ふわっとなくなって消えた感じ。

栄養をとって、身体を横たえる、という「静」の休め方が大事なのはもちろん。だけど、時には「動」の休息が必要なこともあるらしい。
本当にただただ自由に筆を運ぶ、自分が楽しいだけのお字書き。使っていない感覚を呼び覚まして動かすことが、ガチガチに固まった身体…というか感覚をほぐしてくれることになった。結果的に。

「最近ストレッチを怠ってるからかなぁ?」
それはどこのストレッチなのか、身体に、心に問い、応えられる自分でありたい。

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