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私の頭の中のガラクタ

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その日の思考のお掃除的文章を集めてみました。 「ガラクタ」って、「我楽多」って書くんですって。 「ガラクタなんか捨てなさいよ」って言われるかもしれないけど、 「我楽多」なら、捨て…
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2021年3月の記事一覧

あの日、あの時。 そして、今/3月11日

あの日、あの時。 そして、今/3月11日

あの日。
私は高校を卒業し、長めの春休みの真っ只中だった。18歳。
進路は、100%思うようには行かなかったけどほとんど決まっていて、ちょっとしたほろ苦さと、この先に始まるはずの、この街を離れた新しい生活になんとなく期待しながら、なんでもない昼下がりを過ごしていた。

実家のリビングに居た。揺れた。テレビをつけた。少し経つと、想像の遥か上を行く映像が目から、必死に避難を呼びかけるアナウンサーの声が

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薄墨に意味があり、/3月5日

薄墨に意味があり、/3月5日

人生で初めて、薄墨で“意味のある”文字を書いたのは、おぼろげながら、確か1年前だった気がする。

職場の上司の実のお母様が亡くなった、なので、今日の午後から郷里に帰るので数日不在にする。上司自身が、その連絡をメールで部下に送り、私は朝出社し、いつものようにメールボックスを開き、無機質に光を放つモニターの画面を見て、その事実を知った。

上司の席を見た。普段と変わらず、淡々と仕事をこなしている。

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#morningroutine/3月4日

#morningroutine/3月4日

朝起きてから、(もろもろのことをして、)筆をとって、「おはよう」と書いて、その日の東の空を背景に写真を撮って、Twitterに投稿することが、日課になってきた。ルーティーンワーク。

平日はだいたい同じ時間に。1月中旬に、思いつきで始めて、かれこれ2か月近く続けてきて、わかったことがある。当然のことも、新たな発見も。ざっと書き出してみる。

・日が昇る時間が、日に日に早くなってきている。季節が前進

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「大人になる」とは、その愛を想像できてしまうこと/3月3日

「大人になる」とは、その愛を想像できてしまうこと/3月3日

春一番が吹いた後、例に漏れず、寒さが戻った。
張り切って咲こうとしている桃の花も、身を縮めずに入られない。

先日、職場の先輩がご出産された、部内の皆さんでお祝いを贈ることになり、その選定係に任命された。

出産祝いを選ぶのは、初めてのことだ。Googleで「出産祝い おすすめ」と入力して検索をすれば、無数の情報が一気に表示されるが、選び慣れていない私にとってはどの情報もどうも無味無臭で、かつ無限

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春一番/3月2日

春一番/3月2日

手元にある季節それぞれの服たち、今季はこれが最後に着る機会、などと認識もしないまま、自然は勝手に移ろってゆく。前へ前へと、私たちが置いてきぼりにされて進んだと思ったら、急に猛スピードでバックしてきたり。私たちは揺れ動かされながら、知らぬ間にそれらの服を洗い、しまい、前の季節に閉じ込めて、次の季節に最適な服をまた、手にする。肌に触れる。

服をしまうタイミングが読めないのと同じように、新しいシーズン

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私が着たいものを選ぶ/3月1日

私が着たいものを選ぶ/3月1日

朝起きて、ふわっと花の香りが鼻をかすめた。また日付は1に戻る。

ずっと、「おしゃれな人」に憧れていた。今も、ずっと憧れている。

自分で服を選んで買って、ってするようになったのは、いつだろう。

本当に小さい頃は、記憶にある限り、母が結構かわいい服を選んで着せてくれていた気がする。私が幼かった頃は、まだ「ユニクロ」がなかったし、ローコストで服を買える文化がなかった時代だったろう。親が選んだ服を着

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