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特殊ケース以外補助金が出ない!中国の体外受精事情

こんにちは!上海KEMBOの髙橋です。現在不妊治療中で、上海のローカル病院にて体外受精の診察を受けています。今回は中国で体外受精を受ける場合の費用についてまとめました。

出生人口が58年ぶりの低水準

中国は2015年秋より一人っ子政策を撤廃し、二人までなら出産可能という「二人っ子政策」にシフトしました。2019年の中国出生数は1465万人で、58年ぶりの低水準となっています。

2009-2019年中国大陸出生人口

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2018-2030年中国人口出生率と予測

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出典:https://www.chyxx.com/industry/202006/872559.html

原因の一つに晩婚化や教育費の高さなど様々な原因がありますが、出産コストが高いことも挙げられます。「二人っ子政策」は始まりましたが、一般的に生殖補助医療に関する助成金や補助金といった政策は今の所なく、すべての費用は個人負担となっています。

中国で「失独家庭」と呼ばれる、事故や病気で一人の子どもを失い、新たに子どもの可能性がない夫婦で、補助金の条件をクリアしている場合は貰える場合もあります。出典:http://jibing.qiuyi.cn/yykivf/dongtai/7424.html

中国での体外受精費用をまとめましたので、見てみましょう。

体外受精、顕微授精、着床前検査からの移植の費用

体外受精ができる病院は徐々に増えてきています。国内に体外受精や胚胎移植ができる病院は330軒ほどありますが、病院によって価格が大きく変動します。

1. 検査費用(5000〜8000元)
体外受精の術前検査の項目は個人に依って内容の差がありますが、一般的な費用は5000〜8000元と言われています。検査内容は、男性側(精液検査、血液検査、甲状腺機能、腎機能、肝機能、地中海貧血症スクリーニング、単純ヘルペスウイルス、風疹、トキソプラズマ、サイトメガロウイルスなど)、女性側生殖能力検査(甲状腺機能、ホルモン検査、子宮エコー、膣分泌物検査、HPV検査、マイコプラズマ検査、クラミジア検査、卵巣機能AMH検査など)

これ以外に、染色体、血液凝固検査などがあります。主に体外受精に適しない原因を排除します。

2. 薬の費用(5000〜5万元)
体外受精で排卵誘発にかかる費用は使用する薬によって変化します。一般的に排卵誘発剤は国産と輸入の薬があり、輸入のものは価格が高くなります。排卵誘発の過程でかかる費用は25000〜5万元ほどになります。例えば、輸入のDipherelineという薬は1回の注射で2000元しますが、国産のものであれば1000元程です。国産の薬を使用した場合は5000〜2万元の間ですが、輸入の薬を使用した場合体外受精全体の費用が3〜4万元増加します。

3. 手術費(13000〜25000元)
■採卵+胚培養費(1万元)
先生が状況によってどの方法にするのかを決めるので、体外受精の種類によって費用が変わってきますが、一般的に体外受精と胚培養は1万元ほどと言われています。卵の凍結に必要な費用は別途かかります。

■胚移植手術費(3000〜15000元)
体外受精:国内の体外受精からの移植手術は1回3000〜5000元。
顕微授精:顕微授精からの移植手術は1回5000〜7000元。
着床前検査からの移植:移植手術前に遺伝子検査をするため、費用は1万元ほど多くなります。そのため着床前検査からの移植費用は15000〜17000元になります。

数字はあくまでも参考で、具体的には各個人の状況によって決まります。

これまでのすべてを計算すると、中国での体外受精の1回の費用は23000〜8万元の間で、多くの人が大体4〜5万元を費やします。
排卵誘発、胚培養、移植に失敗などの状況が起きた場合は、また最初からになるので、費用は倍になります。

地域ごとの体外受精費用

体外受精の費用は3〜5万元ほどと言われています。主に、排卵誘発剤、採卵手術、胚培養と移植の費用が含まれ、特に排卵誘発のサイクルでは、誘発剤の量や患者の年齢及び卵巣機能などの理由により、年齢が若く卵巣機能が良好な患者に対する薬の量は比較的少なくなり、費用も低くなります。体外受精の費用は個人や地域差により価格が変動してきます。

ここでは2020年の広州、広西、深セン、上海などの費用をまとめています。

1. 深セン
多くの場合体外受精の費用は薬の使用状況によって変わります。一般的に手術の費用は固定されています。病院によって差がありますが、それほどさ差はなく、深センの体外受精治療にかかる費用は3〜4万元ほどです。

2. 鄭州
一般的に検査費用は5000元ほど、排卵誘発の費用は年齢や薬の量によって変動しますが、5000〜1万元ほど、手術費用は1万元ほど。鄭州での費用は3〜4万元ほどです。

3. 杭州
検査費用は5000元程度、国産の薬を使った排卵誘発費用が6000元ほど、採卵と移植手術が1万元ほど。杭州での費用は3万元程度です。

4. 上海
一般的に上海での体外受精の費用は他の何も影響がない前提で、1周期で3万元前後。着床前検査からの移植の場合は1周期8万元程度で具体的な費用は個人の実際の体調によって決まります。

上海で有名な紅房子医院の場合は、患者の生活や食事まですべて管理されているので、紅房子医院の場合体外受精の費用は12〜15万元とされています。(出典:https://www.snsnb.com/post-174266-1.html

これは上海での自分の経験談ですが、病院によっては中国式の診察方法で、予約受付、超音波検査、採血検査、検査から排卵と移植など全てが流れ作業で、段階ごとに違う先生が担当というのが一般的です。診てもらう先生を指定することができても、患者が多すぎて、我先にと診察室に他の患者が入って来るため、プライバシーはなく、落ち着いて診てもらえない状態です。結局、私は他の病院を紹介してもらいましたが、その病院は診察に来る人で混雑していることはなく、ゆっくりと一人の先生が担当してくださいます。

このように、一つの例をとっても、病院ごとに対応や環境が全く違いますし、国産または輸入の薬かに依っても、大きく費用が変わってきます。

5. 広州
国家衛生計生委員会が発表している情報によれば、広東省には56軒の体外受精が可能な病院があり、中でも広州には18軒あって、国内でも生殖補助医療が比較的密集している都市となります。

中国国内で、一般的に1周期に体外受精にかかる費用は3〜5万元と言われており、広州もおおよそ、それと変わりません。個人の状況によって具体的な費用が決まります。

6. 成都
四川省には10件の生殖補助医療の病院があり、成都にはそのうち7軒あります。以上の状況から見て、成都には体外受精が受けられる病院はかなり多いほうです。費用も国内の平均で、1周期にかかる費用はおおよそ3万元です。

7. 香港
香港での体外受精の成功率は、大陸地域よりも20〜30%高いというデータが有り、香港で体外受精を受けたがる患者が多いというのも頷けます。

香港で体外受精を受ける場合、病院によっては性別を選ぶことができ、先進的な技術と優れた医師がいるため、高い成功率が期待できますが、大陸地域よりも費用は高くなります。1周期にかかる費用は、おおよそ8万元前後と言われています。

8. 天津
国家規定の体外受精の費用は3万元で、天津は基本的にこの価格の範囲にありますが、地区や病院によって価格が異なりますので、具体的には病院で検査してから予想が可能になります。

9. 広西省
どの地区でも国内の1周期にかかる基本的な体外酒精の費用は3万元程度と言われており、広西省の費用も3〜5万元ほどです。

国内の病院の場合、基本的に費用は3万~5万元ほどで、少数のハイエンドな私立病院の場合、価格は非常に高く、1周期でも8万~10万元かかりますが、サービスもそれ相応のものとなります。その次に香港とマカオの病院も内陸より高くなります。

記事出典:
https://www.youxiivf.com/sgfeiy/430.htmlを翻訳・再構成

ライター:タカハシヒロミ
2000年より上海在住、趣味は空手とダイビング。海水魚のブログも運営。

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