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中国越境ECサイトまとめ2021

上海KEMBOの中原です。

前回執筆した中国ECサイトまとめ2021(中国内版)の続きとして今回は中国越境ECサイトのまとめについてお伝えしたい。

越境ECとは、国境を越えて通信販売を行うオンラインショップのことである。訪日中国人客による爆買い現象が記憶に新しいが、来日した観光客が、帰国後もリピート買いをしたいという要望に応えるべく、中国の大手モールが越境EC専用のサービスを開始したことや、関税等の税制の優遇政策がはじまったこと、また保税区等の物流の拡充により爆発的に発展していきている。現在は、中国に法人を持たない海外法人も出店可能となっている。

中国の越境ECの利用ユーザー数

越境ECユーザ数

2020年には2.3億人のユーザーが利用している。

中国越境ECモールの主要プラットフォームのシェア割合

越境ECシェア

シェア1位がタオバオを擁するアリババが運営する天猫(TMALL)国際、2位Kaoka、3位京東国際と続く

天猫国際(TMALL GLOBAL) 1位
https://www.tmall.hk

天猫国際

『天猫国際』(TMALL GLOBAL)』とは、中国の大手IT企業アリババグループ(阿里巴巴集団)が運営するBtoC越境ECサイトで、2013年にオープンした。アリババグループは、2003年から「淘宝網(タオバオ)」というCtoC向けのECサイトを運営していたが、個人向けネット販売事業拡大に伴い、中国法人のみが販売できる国内EC「天猫TMALL」を2008年にオープン。その後、外国法人が出店できる『天猫国際』を開設した。現在では、「天猫」と『天猫国際』を合わせて5万もの出店者、約7万ブランドが流通しており、全世界で最大級のE-Commerce媒体として数えられている。
天猫国際は6年連続で越境EC1位を取り、全世界におけて、現状84の国と地域、約26,000個のブランドが天猫国際に進出していて、多くの日本企業も出店している。またアリババシステムの「菜鳥」物流の開発で、各国に物流センターを作ったりと越境でありながらもより良いユーザビリティの実現を狙っている。

考拉海購(Kaola) 2位
https://www.kaola.com

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Kaolaは中国越境ECを牽引するECプラットフォームである。 保有している越境EC保税倉庫面積は業界内で最大規模を誇り、80ヶ国以上10,000を超えるブランドがKaolaで販売されている。 企業から製品を仕入れる直営モデルに強みがあり、正規品保証、7日間無条件での返品対応。Kaolaを利用するユーザー層の80%は女性で、その中でも19〜35歳の購買力が高いミドルクラス層のユーザー比率が多くを占めている。Kaola出店企業様の40%は、Kaolaが企業から製品を仕入れる「直営モデル」であるため、Kaolaが品質を保証することでユーザーの信頼度が高く、新規ユーザーの40%は既存ユーザーの紹介で入会している。また、Kaolaはブラックカードという有料会員制度もあり有料会員ならではの価格やサービスを提供している。

京東国際(JD Worldwide) 3位
https://www.jd.hk

JD国際

中国第2位の総合型のECサイトである京東商城の越境ECプラットフォームである。もともと電気製品のEC販売がメインであり、徐々に総合型ECサイトまで発展してきた。2015年よりグローバルECプラットホームを展開し、日本製品に特化した販売ページである「日本館」も開設され、日本企業商品の販売も強化している。

蘇寧国際(SUNNING INTERNATIONAL)
https://g.suning.com

蘇寧国際


日本のLAOXを買収した企業として有名な蘇寧グループが運営するECモールの蘇寧易購(第4位のシェアを誇る中国EC)が開設した越境ECサイトである。現在、米国、英国、ドイツ、オランダ、日本、韓国、香港、その他の国や地域で最も売れているブランドを持っている。 現在、主に母子、美容、食品・ヘルスケア、3C電化製品、日用品の5つのカテゴリーに分類されている。母体が大手家電量販店ということもあり、店舗とECの連携にも強みをもっている。

洋碼頭YMT
http://www.ymatou.com

洋碼頭YMT

洋碼頭(ヤンマートゥ)は2009年に成立し、海外でバイヤーが仕入れをおこなう様子をライブストリーミングで配信し、ユーザー間のSNSを用いた商品シェア機能を充実させ、ユーザーを定着させることに成功た越境ECである。実は会員数が3800万人にまで達しており、TmallやJDに続く注目ECプラットフォームである。日用品や化粧品、衣料品など総合的なECモールとして人気を博している

豌豆公主(ワンドウ)
https://www.wandougongzhu.cn

ワンドウ

中国消費者向け日本商品特化型越境ECショッピングアプリとして2015年8月のリリース以来、流通総額を急速に伸ばしている。
登録ユーザーは2000万超えで、取り扱い商品数は、中国で既に人気のアイテムから中国ユーザーの認知度が低い商品まで約40,000商品(2017年11月時点)で、多岐にわたるカテゴリーの商品を取り揃えている。

蜜芽(mia)
https://www.mia.com/platform

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2011年に設立された蜜芽の前身である蜜芽宝贝は、ベビー用品ブランドに特化した越境ECモールの先駆け的存在であった。中国産の粉ミルクにメラミンが混入されていた事件もきっかけになり、外国産の粉ミルクが急速に需要拡大しことも成長の要因である。2015年7月8日に“蜜芽宝贝”から“蜜芽”へと社名を変更し、現在では中国でも有数の輸入マタニティ・ベビー製品を扱う大手ECサイトへと成長した。

洋葱(OMALL)
http://www.msyc.com

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Onion O‘MALLは2014年に設立され、革新的なM2S(Made to Social)の新しいソーシャルリテールモデルにより、サプライチェーンのリソースを緊密に統合し、倉庫保管、コンテンツ、マーケティング、カスタマーサービス、通関の5つのネットワーク統合システムを構築している。
ONION(洋葱)グループは中国と世界を繋ぐ中国最大級のソーシャルECプラットフォームである。80万人の店長(ソーシャルバイヤー)が商品を紹介、販売しており、2019年に売上2000億円を達成した。

 現在、O‘Direct(クロスボーダーダイレクトメールインポート)、O’Fànmài(クロスボーダーエクスポートおよび国内販売)、O‘Life(グローバルブティックライフスタイルスーパーマーケット)、O’Fashion(O‘MALL自己開発消費者製品グループ)の4つの主要ブランドを所有している。 包括的な新しい小売エコシステムであるビジネスセクションは、家族の日常生活のニーズを完全にカバーしている。

最後に、中国の越境ECでの進出はここ数年熱くなってきているが、大手プラットフォームへの出店は審査や費用等の問題もあり簡単ではいし、同時に成功も簡単ではない。あらたなプラットフォームも続々出てきて選択肢も広がってきているので、自社の商品や戦略に合わせて方法を模索するべきである。

ライター:中原賢一
KEMBO(上海賢房信息技術有限公司)CEO 董事長 総経理
2000年、ソフトハウス、ITコンサルティング会社でシステムエンジニア。
2003年より中国往来開始、上海でのWEB系システム開発のPMを歴任。
2008年、上海にKEMBO社設立、中国の日系企業を中心にWEBマーケティング、プロモーションを多数実施、現在はデジタルマーケティングコンサルタントとして、クライアントと寄り添い新ブランドの戦略立案から制作・運用までデジタルマーケティング全般をお手伝いする。また、データ分析、AIは再度エンジニアレベルから研究中。日本ディープラーニング協会E資格保持者。
趣味は空手。2児の父。

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お問い合わせ:info@kembo-net.com
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