面白ければ、新聞やインターネットで読めても、書籍でも読みたくなる
新聞やインターネットで読める内容なら本で読まなくてもよいと思いそうですが、そうでしょうか。
本当に面白い内容だったら、新聞やインターネットで読んだあとでも、本で改めて読みたくなることはないでしょうか。
日経新聞にて22年3月から23年3月まで土曜日の教養欄に連載された、直木賞作家の佐藤賢一さんの「王の綽名(あだな)」というコラムがありました。これは、ヨーロッパの昔の王のあだなと、あだなの由来となった王の生涯を紹介するものでした。「肥満王」、「単純王」、「修道士王」、「金袋大公」、「慎重王」など、あだなと共に個性豊かな王の生涯を楽しめるものでした。
この「王の綽名」は23年3月に終了したのですが、終了した時はがっかりした記憶があります。「毎週土曜日はこのコラム楽しみにしていたのにな」と。
そうしたところ、昨年の11月に日経BPさんからこの「王の綽名」が書籍化されたので、すぐに買ってしまいました。全コラム読んでいたのに。
今年に入ってから書籍も読みましたが、改めて読むと面白く、また毎週土曜日に楽しんでいたことも思い出されました。
その時ふと思ったのが、「新聞やインターネットで読めたとしても、その内容が面白ければ、改めて書籍で読みたいと思うものだな」ということです。
そして、出版関係者の方からお聞きしたところ、実はこの傾向は私だけのものではなく、マス媒体やインターネットで好評だったコンテンツは、書籍にしても売れるという傾向があるということでした。
「本離れ」が叫ばれて久しいところですが、書籍だけでなくて、複合的なメディアで情報発信を続けることが(そのコンテンツが支持を受けることが前提ですが)、本の需要を結果的に高めるのかもしれません。
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