年中無休

家のそばに年中無休の昔からある小さなスーパーがある。

大道路沿いのその小さな店の店頭には所狭しと果物や、野菜が置かれている。

店のおじさんは息継ぎを忘れているのではと、心配になるくらいずっといらっしゃいませを言い続けている。

安いよーなどと言わないところに、
安売りをするのではない、いいものを売るのだと
いう商業人のプライドが感じられてとても好きだ。

一人暮らしを始めた街にあった小さなスーパー。

上京して、渋谷駅と新宿駅は乗り換えがままならないまま、大学が始まり、飲食店でのバイトも始めた。とにかく東京という街で浮かないようにするのに精一杯だった。

あれから6年、僕は一丁前に社会人2年目をやっている。今ではもう、渋谷駅でも新宿駅でもお気に入りの乗り換えルートを見つけているくらいだ。

たまにふと思い出す、上京したてのことを。
あの小さなスーパーのことを。
その年中無休のプライドは、あの時の僕を奮い立たせる応援歌だった。