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「英語でワインを学ぶ」について よくあるQ&A

WSETのレベル4、いわゆる「Diploma」の2021年6月期が始まって1か月が経ちましたね。

ありがたいことに検索などでこちらのnoteを見つけてくださる方がたくさんいらっしゃるようで、コメント欄やTwitterのダイレクトメッセージなどからご質問を頂くことも増えてきました。

Diplomaの険しい道に挑む方たちに少しでもお役に立てれば嬉しいです。

ご質問をいただく中で気づいたのが「英語の壁」を感じている方が多いことです。
かく言うぼくも、WSETに挑戦することを決意した頃は全くと言っていいほど英語が得意ではなく、本当に苦手意識しかありませんでした。だから今、英語の壁にぶち当たってる人の気持ちは痛いほどわかりますし、もともと英語が苦手だったぼくだからこそ、お伝えできることがあると思っています。

少し話がそれますが、ぼくがDiplomaを目指し始めた頃…5年前に遡りますが、その当時はあまりそういった話題がなかったような気がします。感覚的に、以前のDiploma受験者は「英語が得意な人」が多かったんじゃないかな、と思います。英語が得意でワインが好き、だから自然とWSETに辿り着いた、という方が多い印象です。それに比べて今は、WSETに英語以外の要素、つまりワインマーケットに対するグローバルな視点や、栽培・醸造とワインのスタイルとの因果関係を見る視点に魅力を感じてスタートする方が多いのではないか、と感じています。それはすごく良いことだと思っています。英語か日本語かという表面的な部分にとらわれず、本質で選ぶ方が増えていることだと思うからです。

さて、受験者あるいはこれから受験しようか考えている方たちから頂く質問の中で、いわゆる「よくあるQ&A」をまとめてみました。

Q. もともと英語堪能だったんですか?
学生時代のぼくは完全理系で、語学大嫌い人間でした。TOEICも300点台でした。第二外国語もそういえばフランス語だったはずですが、覚えているのは先生が美人だったことくらいです。

Q. Level3は日本語がいい?それとも英語がいい?
どちらにもメリット、デメリットがあると思います。
日本語受験の最大のメリットは、体系的にワインを学びはじめるLevel3を、母国語でじっくりと取り組めることです。語学よりもまず、本質をきちんと理解できることが大事。理解するとは、考えることです。日常的に使っていない英語で考えるのは、とても非効率なのです。「Diplomaはすべて英語なのだから、Level3から慣れておくべきだ」という意見もあります。ですがぼくは、Diplomaを目指す人はなおのこと日本語でLevel3を受験し、体系的にじっくりと栽培・醸造・スタイルについて理解しておくほうが、Diplomaに進んだときに理解が早いと思っています。
ちなみにぼくがLevel3を受験したのは2017年、日本語でした。その前年にLevel2を英語(オンライン)で受験してます。

Q. WSETを始める前に、英語を学んだほうがいいの?
もしあなたが中学・高校で英語をきちんと学んでいたのなら、わざわざ新たに英語を学び直す必要はないと思います。
大事なことは、「ワインを学びながら、必要な語彙力を身に着けていく」ことです。人間の学習能力は、必要に迫られたときに最もポテンシャルを発揮します。ワインを学びたい!という強い欲求があれば、そのために必要な単語、説明するために必要な文法が、自然と頭に入ってきます。
ワインを学ぶための準備段階として英語を学ぶのをおすすめしないのは、このためです。書店で英語の学習本などを新たに買う必要は一切ありません。スーパーのレジでの会話や、アメリカに住む友達への手紙の書き方が、あなたのワイン学習に役立つことはほぼないでしょう。

Q. どれくらいの英語力が必要なの?
高校レベルの基本的な語彙力・文法力があれば、十分に英作文は可能です。Specificationには「Diploma受験にはIELTSで6.5以上の英語力があることが望ましい」と記述がありますが、もちろんIELTSをわざわざ受験する必要もありませんし、6.5以上の英語力がある人と同じ語彙力・文法力がないと試験で受からない、なんてこともありません。

Q. どんな英語のスキルが必要なの?
日本ではオンライン授業が中心になりますので、読み書きの能力だけで十分です。速読の必要はありません、じっくりと文章と向き合い、一つずつ理解していくことが大事です。
書くスキルについては、人によってはかなりの練習を必要とするかもしれません。Diplomaの試験時間は長く、求められる文章量は膨大です。文法レベルは基本的なもので十分ですが、接続詞をうまく使って因果関係を説明したり、主語・述語を的確に配置して採点者に自分の考えを正確に伝えることが求められます。
余談ですが、日本人の読み書き能力は他の非英語圏の人たちよりもずっと高いです。自信をもってください!

Q. 勉強の進め方はどうしたらいいの?
英語の内容を英語のまま理解して、英語のままアウトプットするのは至難の業です。もしそれができるなら、たぶんこのnoteを読んでいないはず(笑)。
だから、まずは英語で書かれた内容を、日本語に翻訳しながらきちんと理解することが大切です。全部DeepLとかGoogle Translateなどを使って日本語に訳してしまい、大まかな内容をつかむのも良い手です。
「英語のまま理解できない」ことに引け目を感じる必要はまったくありません。もちろん最終的には英語でアウトプットしないと試験は受かりませんが、勉強の段階で英語に捉われる必要はありません。逆に、「英語+難易度の高いワインの話」を同時に処理しようとすると、パンクしてしまって、かえって非効率です。日本語でよいので、まずはきちんと内容を理解しましょう。
理解ができたら、次はアウトプットです。
アウトプットは、インプットよりもずっと記憶の定着に効果的です。ぼくが大学受験時代からやってる勉強法が「思い出し」です。ノートやテキストを見ずに「そら」で内容を説明できるかをセルフチェックしていくのです。移動中でも風呂場でもできるので、おすすめですよ。アウトプット、最初は日本語で全然オッケーです。それに慣れてきたら、少しずつ英語でもできるようにしていきましょう!

Q. ノートの作り方を教えて!
ノートは人それぞれ流儀が異なると思いますので、あくまで参考程度にしてもらえたらと思います。
ぼくはiPadのアプリ「GoodNotes」を愛用しています。理由は膨大な情報量を1冊に収められることと、pdfファイルや画像データも入れられること、さらにノートの途中にページを追加することも可能なので、後から「あー!この内容も入れておけばよかった!」というときにもどんどんノートを拡張できることです。
ノートは英語と日本語を混ぜて作ります。専門用語はスペルミスが許されませんので、必ず原語で。それ以外の「つなぎ」の部分は日本語で書くことで、後から読んだときにすっと頭に入りやすくなります。


繰り返しますが、英語はあくまでも「ワインを学ぶ」という目的のための手段にすぎない、ということです。英語に捉われすぎると、肝心のワインの学習がおろそかになってしまいます。便利なITツールは積極的に活用し、まずはきちんとワインを理解すること、それに集中しましょう。
ワイン学習に必要な語彙力は、本当に、後から勝手についてきます。一回で覚えられなくても問題ありません。それは何度も何度も文章中に出てくるので、何度も何度も調べるから。

そのほか、質問があればぜひコメント欄にご記入ください^^

それではまた!

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