見出し画像

WSET diploma 取得への道スタート

(2021.01追記)ありがたいことに多くの方にこのブログを読んでいただいてます。キャプランでの講座開講状況は年度毎で異なりますので、キャプランHPをご参照ください。またロンドン本校での集中講座は現在確認できません。社会状況が変わればまた開講されるかもしれませんので、本校に直接問い合わせて頂くのが良いかと思います。

・・・ずっとこのテーマを書き始めるか悩んでいたのですが(だって書き始めたらハッピーエンドまで書かないといけないプレッシャーがあるじゃないですか、合格っていう)、いよいよもう後戻りできない場所にいるのでここまでの道のりを整理したいなと思い、noteに書かせていただきます。
今後僕と同じようにdiplomaを目指す人の参考になれば、すごく嬉しいです。

(勉強に少し疲れたので、休憩がてらこのnoteをお送りいたします ←言い訳)

さて、最初にこの「WSET diploma」という資格について説明しておきます。
とはいえ上にも書いた通り「目指す人の参考」のために書いてるので、これを読んでる方はすでにその中身は理解していると思いますので、ごく簡単に。

WSET(Wine & Spirit Education Trustとはロンドンに本部を構える、世界的なワインの教育機関です。その守備範囲はワインだけに留まらず、スピリッツ、そして日本酒なども取り扱います。その資格のレベルに応じてLevel1からLevel4まであり、最難関であるLevel4は学位に匹敵するという意味を込めて「diploma」と呼ばれています。

「ワインの資格」というと真っ先に思い浮かぶ「ソムリエ(あるいはワインエキスパート)」は、日本ソムリエ協会という社団法人が認定する資格のことで、このWSETが提供する資格とはまた異なります。みなさんご存知の田崎真也さんが会長ですね。

すごくざっくりした分け方をすれば、両者の違いはこんな感じ
ソムリエ・・・ワインのサービスに必要なワインに関する知識と技術を持つ
WSET・・・ワインビジネス(栽培・醸造・販売)に関する知識とワインを評価する技術を持つ

さてWSETはロンドンに本部があるわけですが、世界各国に認定校(APPs)があるので、そこでも受講することができます。日本だとキャプランアカデミー・デュ・ヴァンがAPPsに認定されています。

ではここから、実際にdiplomaを目指したい人のために。

まず、いきなりdiplomaを受講することはできません。Level3に合格している人しかdiplomaを目指すことはできません。Level3の難易度はソムリエ資格と同じくらいという方もいらっしゃいますが、人によってはより簡単、あるいはより難しいと感じるでしょう。僕個人としてはソムリエよりも「面白かった」です(その理由は後ほど)。

ソムリエ有資格者であれば最初からLevel3を受講できるようですが、僕はLevel2のオンラインコースから始めました。理由は、大阪キャプランで受講する場合、Level3の授業は日本語しかなかったので、英語のテキストを読むという習慣を身につけられないこと。あとオンラインコースだと他の国の生徒ともチャットを通じてコミュニケーションが取れるので、日本人学生との感覚の違いを感じることもできるでしょう。Level3のオンラインからいきなり、というのも悪くないと思いますが、ソムリエ用の勉強との違いに驚くかもしれません。

「具体的に何が違うの?」そうですよね、そこが気になるところです。

WSETがソムリエと大きく違う点、それは「WHY? - BECAUSE」の考え方が徹底していることでしょうか。

ソムリエは広くワイン全般の「知識」を求めるため、非常に膨大な記憶容量が必要になります。イタリアの全DOCGを全部記憶する!ボルドーの全アペラシオンの生産可能色を全て答えれるようになれ!など、記憶が苦手な人には結構、というかかなりハードルが高い資格です。僕は横文字が全然頭に入らないタイプなので、何度も何度も呪文のようにぶつぶつと唱えていました。(そして試験翌日に全て飛んだ)

対してWSETでは、単語の記憶力よりも、その技術の仕組みを理解しているか、その栽培方法はワインの品質にどう影響するのか、なぜこの気候ではその仕立て方をしないのか、といった理論が求められます。ここが最大の違いだと言えるでしょう。ソムリエ有資格者の方にはびっくりされるかもしれませんが、ボルドーの格付けシャトー一覧表がテキストにも載っていません(笑)。

なので、単純記憶が苦手な僕にとって、Level3はすこぶる面白かったのです。今まで曖昧にしていた栽培のなぜ、醸造技術のイロハが、すっと頭に入ってきたのです。そんな訳でLevel3を楽しく受講し、無事に合格(Pass with distinction)することができたのが、2017年の冬のこと。


次に、diploma資格を受けるために、何をするべきか。

日本ではWSET Level4、diplomaを取り扱っているのはキャプランだけのようです。(詳しくはこちら

これによると勉強ルートには2種類あります
オンラインコース(1年半)を受講し、受験準備コースやテイスティング対策講座などで補強する
⑵独学で受験する
(登録料とTutorial Programmeの受講は必要)

1年半は長い!!という方やオンラインやってる時間ない!という方は⑵で受験されるかと思いますが・・・けっこう無謀だと思います。オンラインで指標が示されてないと、一体何から手をつけて自分が一体どこにいるのか、分からなくなるんじゃないかと。

ちなみにロンドン本校の毎週通うコースでも1年前後かかるようです。さらにそれから試験を何種類も受けるので、多くの人がdiplomaを目指してから合格するまで最短でも2年、普通は3〜4年くらいかかるかな、という感じです。

・・おっと、大事なことを書き忘れていました。
diplomaは今年(2019年)の8月から「新カリキュラム」に変わるんです!

これまで 「Level4 diploma in Wines & Spirits」だった資格は、Spiritsがなくなり、「Level4 diploma in wines」に変わります!(SpiritsはLevel3の単独資格となります) →詳しくはこちら

Spiritsの勉強は一切やる必要がないので、蒸留酒に興味のない方には朗報ですね!(さらに試験の難易度も下がる・・・?という噂も・・・これは今受講しているdiplomaの講師が、8月以降の試験は少しだけ時間割が変わって少しゆとりがあるはずだよ、とお茶を濁すように言っていたので多分本当ですw)

diplomaはワインに関するあらゆる知識が求められる、WSET最難関の資格です。範囲が非常に広いので、大きく6つにカテゴリー分けされています(旧:Unit)。
それぞれ別々に試験を受ける必要があり、試験ごとに基準点を満たしていないと合格にはなりません。

※ここに「3年以内に合格しないといけない」との記載をしておりましたが、僕の認識違いでした。3年経過した場合、再登録すれば合格したユニットは引き継がれますのでご安心を!


★diploma新カテゴリー(2019年8月より。重要度を比率で)
D-1 : Wine production (20%)
D-2 : Wine business (10%)
D-3 : Wines of the world (50%)
D-4 : Sparkling wines (5%)
D-5 : Fortified wines (5%)
D-6 : Independent research assignment (10%)

旧カテゴリーに比べると、とてもすっきりして見やすいですね。

さて、先ほど勉強ルートには2種類あると書きました。ですが僕はそのどちらでもなく、ロンドン本校で受講することにしました。その一番の理由が、Continuous Single Block Releaseという短期集中講座があったためです。

この集中講座、なんと通常は1年以上かけてじっくり学ぶdiplomaの内容を19日間に凝縮してしまうという「いやそれ無理」な講座なのです!

なのでロンドン在住者でなくても、1ヶ月間の時間の都合さえつければ受講が可能なのです。

※2021年1月現在、ひと塊になったSingle block releaseは開講されていないようです。比較的短期間に集中しているBlock releaseでも2ヶ月半ほどに分散しています

ただし集中講座だけで全て終わらせることはできません(そりゃそうだ)。講座の申し込みをすると事前にテキストが送られてきます。

画像1

このテキストたちの中では多くは語られてません。これと併用する形で、ワイン界の広辞苑こと、"The Oxford Companion to Wine"(Jancis Robinson編)を読んで予習しないといけません。

画像2

WSETからの「これだけ予習しておいてね」という推奨時間、なんと500時間(!)。

誰が計るねん。

で、あまりに膨大な情報量に唖然としているうちに集中講座の時期になってしまい今に至る訳です。

この集中講座は受講後にオンラインにも参加できます。(追加費用はかかりません)特に範囲の広いD3は焦って試験を受けるのではなく、このオンラインでじっくり学んでから受けるのがベターだと思いました。

ロンドン本校で受ける理由は他にもありますが、それは次回にでも。


では僕のざっくりとスケジュールを公開。

集中講座は5月13日から6月7日までロンドン本校にて。

▪️試験日程

Unit 2 (新D-1):5月28日
Unit 1 Case Study (新D-2):6月12日
Unit 4 (Spirits。新カリキュラムには無し):6月12日

(以下日本で受講予定。名称は新カリキュラムに変更されている)
Unit 5 (新D-4):10月28日
Unit 6 (新D-5):10月28日
Unit 3 (新D-3) Theory & Tasting:10月29日・30日
Unit 1 Course assignment (新D-6):2020年1月提出

・・・むちゃくちゃタイトー!!

帰国する6月半ばから、全体の重要度の半分を占めるD-3までわずか4ヶ月しかない。。

・・・やっぱり一発で受かる気がしない。。。

でも、もしロンドンでそのまま受講するなら全ての試験が終わるのは来年の5月(これが最難度のUnit3)。

つまりこれはロンドンと日本のカリキュラムの時差が生んだ「仕方なしスケジュール」・・・やるしかない・・・。


いやあ、いきなり書きすぎました。勉強しなさい僕。

次からは集中講座で学んだこと、ロンドン本校のここが面白い!などをご紹介したいと思います。


それではまた!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?