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ディスられがちな日本は意外と頑張ってるんじゃないか説

日本という国は外国(主に欧米)と比較し、「賃金が低い」「生産性が低い」「人権意識が低い」などとよく言われる。
それに異論を唱えるつもりはない。賃金も上げなきゃいけないし、生産性も上げなきゃいけない。もちろん人権意識も高める必要があるだろう。
この文章はこの国が抱える数々の問題の存在を否定するものではない。

ただ、そういった問題は別にして、GDPは世界4位であり(どんどん抜かれていきそうな気配はあるが)、世界的にはかなり豊かな国であることには疑いはない。

ところが、ネット上で「オーストラリアの最低賃金は日本の倍だ」「アメリカではこれだけでウン万円もらえる」や「こんなに頑張っているのに給料がこれだけなのはおかしい」みたいな「日本ディス」のツイートが定期的にバズっている。

もちろん、それが間違いとは言わない。
ただ、そういったマイナスばかりなことを言う前に意外と忘れがちなことがある。
それは「日本は他国とスタートラインが同じではない」ということだ。
そしてそれらを踏まえると現状でも意外とすごいということがある程度言えると思う。

今回は、その「スタートラインの違い」について言及していく。

日本は世界トップクラスに森林・山だらけ

日本は森林率が68%である。しかも国土の75%が山である。
オーストラリアは約20%であり、アメリカは約33%である。

つまり、日本は極端に平地が少ない。
これはさまざまな問題がある。「大規模な農業がしづらい」「移動が大変」「インフラの整備が大変」といった問題だ。

アメリカの広大な畑の映像を見たことがあるだろうか。
日本でも稲作などで広大な畑がないわけではないが、諸外国に比べると規模はあまり大きくない。
当然、広い面積でたくさん作った方が効率的であることは間違いない。

また、日本はたくさんある山に道路を通したり、トンネルを掘ったりするので、その分費用がかかる。
しかも維持にもより費用がかさむ。

資源が圧倒的に少ない

日本のエネルギー自給率は約11%である。次に先進国で低いのがドイツの33%だ。(ちなみにアメリカは103%、オーストラリアは300%を超えている)

イギリスには北海油田があるし、フランスは原子力発電所大国である。
これほどまでに必要な資源がない先進国はない。

資源というのは適当に掘って売れば金になるから、効率よく稼げる手段だ。(掘る技術を持たずに搾取されている国もあるが)

オーストラリアのエネルギー自給率は日本の30倍である。日本より最低賃金が断然高いのは普通に考えれば当然である。

災害が圧倒的に多い

日本は地震も台風もたくさん来る。
そのため、災害の復興にお金がかかるし、耐震化するための費用もかかる。
他国がかけていないところにお金がかかっているのだ。

日本は災害死者数は意外と少ない方なのだが、それは間違いなく防災にお金をかけているからである。

結論



日本はそもそものスタートラインが欧米諸国と比べてかなり遅れているので、普通に競争すれば圧倒的に不利である。
そのため、割とディスられがちな日本ではあるが、原状「意外と頑張っている」とも言えるのではないか。

もちろん、日本には解決すべき課題がたくさんあることは間違いないので、「日本はこのままでいい」とか言うつもりは毛頭ない。
ただ、日本という国を考える上で、こういった「スタートラインの違い」というのを認識しないと現状を正しく認識できないように思う。

その上で、そのハンディキャップを乗り越え、この国が良くなるためにはどうすればいいかを考えていかなければならない。


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