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「日経平均バブル後最高値更新」に関する月末グダグダ雑談

ついに、という感じで、日経平均がバブル時につけた高値を超えましたね。

まあその事自体は良い事だと思います。喜ぼう。

ただ、まあ日本経済全体が、今かなり難しい時期で、インフレで実質賃金の目減りに直面しているような立場の人からすると、シラけた気分になる事もわかる。

「株高で潤うのはほんの一部の富裕層に過ぎない」というような方向で文句を言ってる人に対して、「リスク取ってないヤツがその恩恵を得られないなんて当然だろ?」みたいな事を言う人が結構いるんですが、なんか、まあそれはそれで正論だとは思うけれどもそれでいいのかな?という気持ちはあります。

もちろん、例えば年金の運用みたいな形で株高が「万人のためになっている」のはあるんですよね。

あと、経済全体として停滞期を超えて前に変えていくためには、この株高のような流れに飛び込んでいくのが必要だというのもある。

だから、今の時点で「金持ちだけが儲かっている」という声が出てくる事自体は仕方がないけど、ある程度騙し騙しでも”納得”してもらいながら進むことが必要なタイミングではあると思っています。

つまり日本全体で前向きな回転に持っていくために、一瞬だけある程度「置いてけぼり」になる位置にいる人もいる中では、単に「あんたらも投資すりゃ良かったよねw」みたいな感じではなく「これは日本全体のために必要なフェーズなんだ」というような話をある程度真剣にアナウンスしていく事が必要なんじゃないかと思うんですよね。

昨年末の記事で、私は以下のように書きました。

日本経済の状況は、なんだかんだインフレを追いかける賃上げが徐々に実現しつつあり、「好回転」に持っていける入り口ぐらいには来てると思います。
何度も言ってるけど「今」はもうガチでどんどん前に進んでいかないとマジでヤバイ時期なので、状況変化にどんどん飛び込んで日本経済のあちこちを変えていかないといけないタイミングですよね。
インフレのスピードと全く同じスピードで賃上げが起きるなんて世界中どこでもありえないことなので、しばらくは実質賃金(額面をインフレで割り戻した額)は低下気味になっちゃうわけですが、その先でちゃんと「飛び立つ」ことができるかどうか。
去年の「円安の発散が心配」みたいなのとは別に、今年はこの「インフレに賃金上昇が遅れて追いつく」ことができるかどうか?については注意して見ておかないと、と思います。

結果として、ちょっと今フラフラしてる状況にはなってるんですが…

ただ、「実質」で見てちょこっとマイナスかどうかというのは移行期の小さな違いに過ぎず、とにかく「名目」である程度大きな成長が可能になっているサイクルにある事自体をとりあえず喜んでおくことが大事だと思います。

そしてちょっと遅くなるのは仕方ないとしても、賃金上昇がこれに追いついていけるかどうか。

年末に書いたように「それが正念場!」という感じの時期だと思います。

滑走路に入った飛行機が全力でエンジン吹かしはじめたけど、滑走路が終わるまでに飛び立てるかどうか???はたして???的な状況。

大企業の賃上げは相当に進むはずですが、その先の広い範囲でキチンと「賃上げ」していくためには、「中小企業」が結果的にある程度統合されていく流れを妨げないことが大事なんですが…

私の本やこのnoteで何度も書いてきたように、日本は「零細」サイズの企業が多すぎてそのまま放置されている事が生産性向上の限界を作ってきたところがあったわけですよね。

岸田政権はそういう細かいところでちゃんと手を打っていく政権ではあるので、「中小」とは別の「中堅企業」という区分が出来て、そこに向けた賃上げ税制みたいなものも整備されてました。

また、この記事↓

で書いた「消費税を払いたくないから決算を二期ほったらかしにしてる会社」、ついに「清算」することになったようで、(あまり好きな言葉でないですが)いわゆる「ゾンビ企業」に成仏していただきながら生産性を上げていく回転ははじまっていると思います。

そんな感じで、過去10年〜20年の間必死に「変化に抵抗」してきた日本が、今まさに「今変化しなきゃどうするよ?」って感じで怒涛の変化に飛び込んでいきつつある状況だと言えます。

とにかく、「今こそ労働組合さん頑張ってくださいよ!」という感じだし、分断を煽る言説に負けずに、「一緒に日本という国を前に進めていこうぜ!」というメッセージが大事なタイミングだと思っています。

ところで、日経平均に関して面白い話を聞いたんですが、なんと!!

日経平均とダウ工業平均の騰落率は、1945年(太平洋戦争終結時)を起点として指数で比較すると今ちょうど同じぐらいになっているらしい(笑)

ええー!!そんなことある?って感じなんですがめちゃ考えさせられますね。

日米の株価の歴史っていう意味では以下の記事が昔かなり読まれたんですが、今久々に読んでて、当時と今の状況の違いはあれど、「ウィンブルドン現象的な意味でのアメリカの時代は今後も続くかも」という話とかは自分で凄い納得感がありました。

「1945年からの日経とダウが同じ」っていう話については今月忙しくてちゃんと考えられていませんが、上記リンクの記事なんかを読み返しながら考えてみたいですね。

ある意味で、「あのアメリカ合衆国」ではなく「世界の中の共通了解としてのアメリカ」において、昨今国家ブランド力ランキング一位になったとかいう日本がキチンと「メタ正義的に溶け合わせるビジョン」を表現できれば、この「微妙なバランス」が崩壊しないままそのまま成長を続けるみたいなことも、ありえるのかも?

まあ、そうなるように頑張っていこうぜ!って感じですかね。

ほんと、日本経済は「ここ半年でちゃんと賃上げとかしていけるかが勝負」みたいになっていますが、自分たちを信じて変化に飛び込んでいく流れを止めないようにできればいいですね。

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