年賀状表紙

年賀状

ペンネーム Mr.K


昨日、ニュースを見ていたら、
年末の年賀状用紙の作製が始まったと伝えていた。
もうそんな時期が来ているのだと思った。

私の実家は商売をしていて両親共働きだったのだけれど、
その商売上の付きあいもあり、年賀状の作製数は500枚を
越えていた。そしてその作製は母の仕事であった。
もちろん、印刷で作製もできたのだけれど、
毎年、母は手書きにこだわった。
当然、作製労力は大変なもので、連日、仕事終わりの時間、
深夜までかかって筆を走らせていた。
毎年この時期になると「年賀状書かなきゃ、あー、やだやだ」
と嘆いていた。
子供心に、そんなにイヤなら印刷にすればいいのにと思っていた。

近頃はパソコン普及もあって、年賀状印刷は家庭でもできる。
微笑ましい家族写真、美しい風景に、卓越したイラスト、綺麗な文字。
手の込んだ完成された年賀状が多く見受けられる。
しかしそれだけでは、なにか物足りなさを覚えるのは私だけだろうか。
できあいのパンフレットや印刷物に受けるような印象が先立つ。
一度見たら、程なく忘れてしまう。
そう、「読む」ではなく、「見る」感じなのだ。

そんな中で、たとえ一言でも、手書きされた年賀状は目に留まり、
心象に残る。達筆な人には感心させられ、そうでない人の文字にも
その人らしさが浮かび上がってきて、その人を思い浮かべたりする。

皆さんは今年の年賀状の文面はいかがされるのでしょうか。
ちょっと余白を設けてそこに「お元気ですか」等のちょっとだけでも
手書き一言が添えられていると、喜ばれるかもしれませんね。
少なくとも私は嬉しいです。
母は今年83歳。今年も年賀状を全て手書きするのだろうか。

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