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[無料]クライミングの始めかた1『ボルダリング編』

クライミングっていうと断崖絶壁を登るイメージが強く、「一般ルートでハイキングするだけだから別世界でしょ」なんて思われがちです。登山人口(300万~500万人くらい)と比べてクライミングをする人は多くありません。

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でも、クライミングってやってみると楽しいし、登山を続けていく上で身につけておいたほうがいい要素も入っています。食わず嫌いはもったいないので、そそのかされてみませんか?

クライミングの効能

バランス
バランスを使う競技なので、バランス感覚が養われます。60代からでも練習していけばバランス感覚は向上するそうです。登山ではバランスを崩しての転倒事故が遭難に繋がることが多いので、バランスは良いにこしたことはありません。体幹も鍛えられます。岩場での身のこなしも、クライミング経験者とそうでない方ではだいぶ違います。

体重の維持やダイエットのモチベーション
体重が軽いほうが有利なので、ダイエットをしようというモチベーションになります。太れば明確に体が重くなり登れなくなるのですぐ気づきます。クライミング自体で痩せるわけではありませんが体重の管理に役立ちます。

ロープワークなどの技術が身につく
ロープを使うクライミングならロープワークの勉強になります。落石や滑落など岩場での安全管理は登山の安全にも繋がります。特に、人を山に連れて行くリーダー的な方は少しでもやっておくと役に立つと思いますよ。

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ただし、これらはちゃんとやる気を持って頑張ったときの結果です。漫然とやっていても意味はありません(僕はだいたい初めてやってから8年くらい漫然と登ってました)。

単純に楽しい
人間には重力に逆らって体を引き上げると気持ちよくなる機能があるようで、自分の力で体が上がっていくと気持ちよく感じます。設定されたルート(課題)を上まで登れると、ちょっとした山の登ったくらいの爽快感があります。なぜ多くのクライマーが夢中でクライミングをするかと言うと、とても気持ちよくて楽しいからです。

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クライミングの種類はまた今度

『クライミング』と言ってもロープを使うか使わないか、インドアジムか外の岩場か、整備された岩場か、あまり整備されてない岩場か、道具はどういう物を使うのか、季節は、人数は、などなど様々な要素で細分化されています。そういうめんどくさい話はとりあえず横に置いて、今回はインドアジムでのボルダリングについて書きます。

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まずはボルダリングジムに行くといいです

クライミングの種類とかいろいろありますが、初めてならインドアのボルダリングジムでしょう。街で出来るし使う道具が少ないのでお手軽です。

ボルダリングはクライミングの一種で、ロープ(命綱)を付けずに低い壁を登ります。ジムなら使う道具をレンタルできるので敷居が下がります。

僕がクライミングを始めた2005年くらいは東京でもT-wall系列とPUMP系列くらいしかなかったのですが、オリンピックによるブームもあって、今ではジムはけっこうな数があります(それでも一時期よりは減ってるらしい)。

公共施設のクライミングジム(クライミングウォール)もあります。地元のスポーツ施設などを調べてみてください。

江東区の深川スポーツセンターのクライミングウォールは、そんなに広くありませんが格安の400円で利用できます(※)。以前はよく行っていました。ただし、レンタルシューズなど無いのでマイシューズが必要です。

※2021年5月現在、感染症拡大の影響で使用できませんし、区外の利用も当面できそうにありません。

クライミングジムの利用方法

クライミングジムに行って、どうやったらクライミングを始めるのかざっくり説明します。

最初の持ち物
運動しやすい服装、ペットボトル飲料、お金
※ハマるとマイシューズやマイチョークなどが増えます。

1.初めてです、と言う
「初めて来ました、クライミング(ボルダリング)も初めてです」と言えば大抵は店員さんが一通り説明してくれます。

2.登録手続き
クライミングジムは最初に登録の手続きがあります。普通は誓約書など登録に必要な書類を書きます。登録と言っても毎月会費が掛かる訳ではなく、会員証が発行される程度なので身構えなくても大丈夫。大抵は500円~2000円くらいの登録料が掛かりますが初回だけです。

一度登録すれば系列店では共通のところもありますが、PUMP系列みたいにお店が違うごとに登録料が掛かるところもあります。

3.着替え
手につけるチョークで服が汚れる事が多いので、普通は更衣室で運動しやすい格好に着替えます。貴重品は貴重品ロッカーに入れてください。

4.レンタル品を借りる
初めてのクライミングジムでいきなりマイシューズっていう人はなかなかいません。最初はレンタルになるでしょう。ボルダリングならクライミングシューズとチョークバッグを借ります。

普通は靴が300円~500円くらい、チョークバッグが無料~200円程度のジムが多いと思います。初回は入会金を取る代わりにレンタル無料というジムもあります。

靴のサイズは、最初は『足先に無駄な空間は無いけど履いて痛くない程度』にしましょう。やってる人はギリギリのキツイ靴を勧めたりしますが、最初からそういうのを履くと足が痛くなってクライミングが嫌いになります。最初は痛くない靴で大丈夫です。

5.登る
着替えて靴などを借りたらあとは登るだけ。ルールなどは店員さんが説明してくれるはずです。チョークバッグを借りたなら、登る前にチョークを指や手のひらにつけると手汗を吸ってくれて滑りにくくなります。

登るテクニックはYoutubeを探せばいくらでも動画が出てきますが、最初、特に初回は意味がよくわからないと思います。最初はあまり意識しなくて構いません。

初回に気にするべきことは、『無理するな』です。無理やり手の力を使って登ってしまうと、あっという間に腕の筋肉が壊れて何も持てなくなります。「あ、無理」ってなったら降りてください(※)。じゃないと4000円近く払ったのに10分で登れなくなっちゃってもったいないですよ。

登る壁もmオーバーハングしてるような負荷の高い壁でなく、垂直かむしろ後傾しているスラブ壁などがいいです(スラブはスラブの難しさもありますが)。

※「あ、無理」から頑張って登れるととても嬉しいんですが、それを最初から求めるとあっという間に腕が終わります。

それと、一番簡単なやつができたからと言ってむやみにグレード(級)を上げると行き詰まってしまいます。そういうの無理に登ろうとして腕力を使うと短時間で登れなくなります。くれぐれも無理しないようにしましょう。

6.終わったらしばらく筋肉痛に苦しむ
無理しないように登っても、1時間も登れば腕がパンパンになります。自転車やバイクのブレーキも握れなくなりますので帰りは気をつけて運転しましょう。マウスやキーボード、スマホの操作にも支障が出るかも知れません。タンパク質を取って、出来ればお酒は飲まないかほどほどに、よく寝て筋肉を回復させましょう。

以上が、初めてボルダリングをする時の流れです。

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どのくらいの料金になるのか

初回登録料+ジム使用料+レンタル料などで、合計すると初回はだいたい3,500円~4,000円(大人料金)くらいになります。次回からはジム使用料+レンタル料で2500円くらいでしょうか。続けるならマイシューズを買うとレンタル料金が掛からなくなります。時間帯にもよりますがジム使用料だけだと1日1500円~2200円程度が東京での相場です。

ドハマリしてジムに通うようになったら回数券や月パスなどを利用すると出費をやや抑えられます。回数券はたいてい10%程度お得ですが利用期限が設定されていることが多いので期限に注意してください。

月パスは1ヶ月登り放題になりますが、普通は週に2回来ると元が取れるくらいの設定になっています。週に2回ジムで登ったら短期間で強くなること請け合いですが、週2で通うのはけっこう忙しいのでよく考えてください。相当に家の近所なら行けると思いますが。

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はじめてのボルダリングあるあると対策

いつ壁に取り付いたらいいのか問題
初回の人が悩みがちなのが、混んでる壁をどういうタイミングで登ったらいいかです。慣れてないと、長縄跳びに入るタイミングみたいな難しさがあります。

誰かが登っていて、登れたか途中で降りたかで壁から離れたタイミングで足を踏み出してください。タイミングが被ることがありますが、そんな時は「どうぞどうぞ」みたいな感じで譲ったり譲られたりします。なんとなくいけそうなら壁に近づいて登りはじめてください。

譲ってもらったら次回は譲るなど、なんとなくいい感じにバランスを取ってください。そういうのが苦手な人は空いてる時間に行くとか、人がいない不人気壁を登るといいですよ。

譲り合いから知らない人と仲良くなることもあります。同じ趣味にハマる仲間同士、仲良く登りましょう。

見られてるっぽくて恥ずかしい
自分が登ってるのを後ろから見られてるようで恥ずかしい、失敗して落ちたら恥ずかしい、登れてもみっともない動きをしてそうで恥ずかしいとかいろいろ思うことはあると思いますが、気にしないでください。

登ってるのは確かに見てますが、失敗しても普通の人はバカにしたり悪い感情を持ったりはしません。むしろ「惜しかったね!」と言われたりします。見てる人はみんな自分を応援してくれてると思い込むくらいでいいと思います。

「ガンバ」が恥ずかしい
クライミングの応援はなぜか「ガンバ!」です。体操の応援も「ガンバ」だと聞いたことがあります(ガンバ! Fly high って漫画の知識)。

クライミングは体操と似たような身体能力が必要なので、体操系の人がクライミングを初めるケースがよくあるようで、そのへんから「ガンバ!」という掛け声がクライミングで定着したのかも知れません(あるいは逆か)。

少しひねくれてくるとガンバ以外の応援の言葉を模索したりしますが、他にいい言葉が見つからず、結局ガンバになります。言われりゃ実際に頑張れたりするので、応援の気持ちを受け取る、応援の気持ちを送る、くらいの意味で使ったり使われたりするといいんじゃないでしょうか。

さぁ、恥ずかしがらずにガンバって言ってごらん?

一人で行くと寂しくて死ぬ
最初に友達とクライミングジムに行って楽しかったからと言って、次回1人で行くと寂しくて死にます。だって、周りはグループで楽しそうに登ってるのに1人ですよ。ウサギなら5分で死ぬ寂しさです。しんどいので山仲間や友達、周りにいるクライミング経験者と行ってください(友達がいない方は…ガンバ…)。

小さいジムだと常連さんが仲良くしてくれるかも知れないし、逆にムラ社会に入り込んだ余所者的な居心地の悪さを感じるかも知れません(ジムによります)。

どうにかして仲間を作らないとクライミングを続けていくのは難しいです。登山も同様に1人で続けるのはしんどいので仲間を作ってください。

山仲間の作り方はそのうち書くかも知れません。

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こまかい事は考えなくていい
登り方とかルールとかマナーとか、ボルダリングに関して細かい情報やノウハウはたくさんありますが、最初から完璧に出来るわけないので細かい事は気にしないでください。徐々に出来ればよいでしょう。

経験者はそういう人を温かく見守りましょう。安全に関しては問題があれば注意したほうがいいですが、優しく指摘してください。誰だって最初は初心者です。

人と比べるとしんどいので比べない
一緒に始めた友達が自分より難しいグレードを登ったり、あとから始めた人に抜かれたりなんてよくあることです。人には得手不得手があります。人と比べず、自分が登りたい課題を頑張ればいいのです。

だいたい、すごく上手く見える人だって上を見たら『全然ダメだなぁ』って思ってます。クライミングの世界は上を見たらしんどいだけです。上を見たらキリがない、下を見るのも意味がない。自分の手だけ見て頑張りましょう。

そして、他の人が登れて喜んでいたら素直に一緒に喜びましょう。その方が楽しいから。

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まとめ

・クライミングは楽しいぞ。いろいろ身につくし山に登るならやってみては?

・最初は気軽にできるインドアのボルダリングがいいですよ。

・あまり細かいことは気にせず楽しみましょう。楽しむのが大事!

なお、僕は葛西という街に住んでいるのでロックランズというクライミングジムによく行きます。平日の昼間に登ることが多いですが。ボルダリングよりリードクライミングをやっています。見かけたらお気軽にお声がけください。

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つづく

以下、つづきます。

クライミングが上達する方法が知りたいって?そんなの僕が知りたいわ😂

わぁい、サポート、あかりサポートだい好きー。