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[無料]草花を知って山をより深く味わいましょう

登山は山に登るアクティビティですが、単に山に登るだけでなく様々な楽しみ方があります。

中でもメジャーなのが自然観察。動植物の種類や生態を覚え、見分けられるようになると登山がより楽しくなります。

知識は登山を豊かにします

同じ絵や映画、音楽、建築物、などに触れても知識がある人とない人とでは味わえる情報の量が変わります。知識がないと理解できないので簡単に「つまんない」と言ってしまいます。

物事を楽しむには知識が必要なのです。

山なら、植物、動物、天気や地形、歴史、地質などを知っていると登山が深まります。今回は、特に植物の知識を得る方法をご紹介します。

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草花を覚える方法

私もそこまで植物に詳しいわけではありませんが、3年間ほど同定や観察を続けて200種類程度は覚えたかと思います(それでもまだまだひよっこです)。

どうやって覚えたかと言うと、とにかく山で花を見かけたら写真を撮って同定して、友達や自然観察の先生に教えてもらいました。覚えるには観察、撮影、同定を繰り返すしかありません。

ウリノキ

草花の写真を撮って後で同定するなら何枚か撮っておいてください。

全体、花や葉のアップ、花は左右や上下など様々な方向から撮り、出来ればマクロで花の中も撮るとよいです。1枚だけ適当に撮っただけでは似ている亜種との区別が付かないことがよくあります。

(などと書いてる私自身、よく撮り忘れて同定できないことがあります)

自然観察の注意点

・同定や所有欲のために山の草花を持ち帰ってはいけません。撮っていいのは写真だけ。

・登山道にロープが張られていて立入禁止になっていたら登山道から外れないようにしましょう。ロープや立入禁止の表示なくても、登山道や踏み跡を外れて歩かないほうがよいです。雑草と思って踏んでる草も、時期になればきれいな花を咲かせます。

・珍しい草花を見つけた場合は、詳しい位置などを載せないようにしましょう。それを見た犯罪者が盗掘しに行くリスクがあります。

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おすすめの本

植物の同定を山で行うなら厚くて重い本を持っていくのは大変なので、山域を絞ったハンドブックなどあるととても良いです。一番良く使っているのはこれ。

価格も安くて探しやすく、詳しすぎないのでオススメです。首都圏に住んでる初心者が買うのにピッタリ。

ギンリョウソウ (6)

スミレの種類が多すぎてよくわからないのでスミレ専門のハンドブックも買いました。

種類がとても多くて、私がよく行く奥多摩や高尾には生えていないスミレも大量に載っていました。今のところあまり出番がありませんが。たまに、上記の『高尾・奥多摩植物手帳』だけでは分からないときに使います。

コケの勉強もしようと思って、コケの図鑑も買いました。

が、マニアック過ぎて区別が付かずコケの勉強は滞っています。

ダイモンジソウ

コケより先に樹木か、と思って買ったのがこれ。

葉の付き方や特徴が大きめのカラー写真で解説されており、樹木の同定には最適の本かと思います。山でなくても公園で樹木の同定をするだけで楽しい。

スマホで同定する方法

草花専門の同定アプリもありますが、一番手っ取り早くて無料なのはGoogleレンズです。Googleフォトというアプリに含まれている機能です。

スマホで写真を撮って、Googleフォトで開くと下のような状態になります。

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赤い矢印で示したGoogleレンズボタンを押すとGoogleのAIによる解析が行われて、写っているものの名前を教えてくれます。

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答えが間違っていたり大雑把だったりしますが、それを人間がわかった上で、同定の手がかりとして使うなら十分使える精度かと思います。

下の写真は春に咲くフデリンドウをGoogleレンズした状態です。

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単にリンドウと表示されていますが、リンドウで検索すれば「リンドウは秋に咲く」と分かります。

検索を続けていくと「春に咲くリンドウで、1本の茎から複数の花が出ているからこれはフデリンドウだな」と分かりますし、リンドウという手がかりから高尾・奥多摩植物手帳などを開けば大体答えに行き着きます。

名前が分かると見えていなかったものが見えてくる

フデリンドウはとても小さな花で、名前や存在を知らなければ目に写っても「なんか可愛い花」くらいの感想で見送ってしまいます。

それが、写真を撮って調べて名前が分かるようになると急に見えてきます。人が物を認識するには名前が必要なのです。

フデリンドウ (2)

植物だけでなく鳥や虫、動物も分かるようになると楽しいです。足跡や鳴き声、動物が植物に与える影響や痕跡なども、それと知っていれば目に入るようになります。

知ることにより、まるで目がアップデートされたかのように見えるものが変わります。

最近はこういう、分かるようになる感覚を『世界の解像度が上がる』と言います。知識によって世界の解像度を上げ、山をより深く味わえるようになりましょう。

講習を受けるのもよいです

草花について先生に教えてもらうと学習の効率は上がります。東京近郊なら、都岳連の自然保護委員会の講習がオススメ。

驚くような低価格の講習費用で、長年自然観察を続けてきた先生が教えてくれます。

私が運営しているおくたま登山学校でも自然観察の回がありますが、自然保護委員会に講師派遣を頼んでいます(私も多少は分かりますがまだ自然の知識に深みは無いので)。

まとめ

・草花を知っていると山をより深く味わえるようになります。

・草花の写真を撮って、ハンドブックや図鑑で同定してください。

・GoogleフォトのGoogleレンズ機能はとても便利なのでスマホを持ってるなら絶対に使いましょう。

・知識によって、見えていなかったものが見えてきます。

・講習を受けるととても勉強になります。

自然観察の勉強をして、もっと山を楽しめるようになりましょう!私も精進します。

ヤマボウシ (1)


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