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学校の「当たり前」をやめた。 ― 生徒も教師も変わる! 公立名門中学校長の改革

EdTechのビデオにも登場していた工藤校長の本。

まず、ここまでやれるんだ、と驚いた。法律などでかなりがんじがらめで、やれることがとても限られているのかと思っていたから。

本書で書かれていることの一つ一つについては、各学校の事情、効果の賛否があってしかるべきだと思うが、最も注目しなければならないのは、目的指向で様々なビジネスツール(工藤校長はビジネスツールとは明言していないが、良いとされるビジネスの主に組織に関するツールに類似する思想がみられる)を使って仕組みを変えたということだ。校長はおそらく多くのこういったツールについて学ばれたのではないかと推察する。

もし、教育改革のハウツーものを求めているなら、たぶんあまり参考にならないかもしれない。でも、改革のための思想や、できることの想定のホライゾンをぐっと大きく広げるためにはすごく役に立つ本だと思う。


この本が書かれたのが2018年。取り組み自体は2014年ころから始まっており、多くの学校が参考にと訪問されているようであるので、もう少しこういったスタイルが広まっていそうなものであるが、少なくとも私の周りでは聞かない。改革者は強いリーダーシップが必要だということなんだろう。広げるためには、改革のハードルを下げる仕組み、それこそハウツー本が必要なんだろうな。

ところで、本書の中にあまりに普通の校長とは違う思想のため、民間出身ですか?という質問を受けることが度々あるという記載がある。でも考えてほしい。本を書けるような先進的な取り組みをし、成功している企業なんてやっぱり珍しい。そういった意味で、民間出身ですか?という質問そのものはナンセンスだが、少なくとも、変な校長ですねというよりは礼儀は正しいかもしれない。

Note の中の工藤校長に関する記事

宿題の問題について議論されています。

対談ですね。

さすがのサマリーです。

目指すべき教育の方向性に対する比喩がいいですね。

そのほかにも引用多数。




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