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田んぼのあぜ道への憧れ

何故か昔から田んぼのあぜ道に憧れがある。田んぼに縁がない生活をしてきたからなのか分からないが、学生時代からずっと憧れていた。

田んぼのあぜ道を歩いたことは片手で数えるくらいしかない。初めて歩いた時はすでに大学生の時だった。それくらい縁がなかった。

憧れと言いつつも、田んぼのあぜ道そのものに憧れがある訳ではない。私が憧れているのは、中学や高校の放課後に友達や彼氏と自転車で二人乗りをしてあぜ道を走ることに対してだ。よく晴れた初夏に、二人でキャッキャしながら自転車であぜ道を走りたい。よくドラマに出てくるような光景が私の憧れだ。学園モノのドラマの見過ぎで美化しすぎているのかもしれない。

しかし、いろんな条件がうまく重ならず、ついにその夢を叶えることなく学生時代を終えてしまった。

正直、私の人生の中でも相当な心残りだ。些細なことに思われるかもしれないが、私にとっては数少ない憧れの中でもかなり強い憧れに入る。

ぶっちゃけ今でもやろうと思えば不可能なことではないが、学生時代をとっくに終えている私が制服を着た時点で絵面が悪い。それに、学生たちのあの爽やかさはアラサーには出せない。残念だが、私にはもうその憧れを叶えることは不可能だ。もし来世があるのなら、来世で叶うと信じよう。