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【映画】『TAR/ター』令和ロマンから着想するシュールな感想

※下のリンク先音声付映像流れます。


アマプラで『TAR/ター』を観た。


元々ケイトブランシェットが好きだったけど、映画館公開中には見ることができず、忘れていたが、年末年始に配信しているのを見つけた。
示唆的なセリフ、示唆的な映像がふんだんに盛り込まれ、明確な説明はなく、ラストまでモヤっとした思いを抱えて終わった。

僕は何も予習せずに見たけど、公式サイトで一通り予習したほうがよさそう。
割と人物も多いので人名だけでも覚えておくとストレスが少ないと思う。
(年々人名と顔覚えるのが辛くなるの何とかしてほしいな、、)

まあそれでも1回でストーリーと示唆するもののつながりを理解する人はごくわずかだと思う。
難解というよりも、行間を読ませる展開が多い。
だから「何回も見たくなる」みたいな感想が多いと推測している。

僕も一回見ただけではよくわからん映画だったので、解説サイトを観て補った。
↓こちらがおおむね納得した解説

解説を踏まえた感想

主人公ターのカリスマ性を存分に感じる序盤から、どんどん印象が変化していき最終の感想は「リアルな人間だな~!」というもの。
難易度の高いことをしているとは思うが、好きな映画かと言われるとそうでもないかな。
でもケイトブランシェットの株を下げる映画ではなかった。
ちょっと走り方ダサかったけどね。




解説サイト以上に書くことがねえ

感想を書く記事にしたかったけど、↑の解説サイトでほぼ書かれてることとほぼ被るので書くことねええええ!となっていた。

ということで、視点を変えることで何とか記事にしたい。文字数を稼ぎたい。
どんな視点で書こうかというヒントがこちら。

M1最年少王者となった令和ロマンの高比良くるまがバラエティ番組で解説した、エンタメの視聴者層の分類が「ベタ」「メタ」「シュール」の3種類。

映画の感想で置き換えて
ベタな感想を「ターの狂気にしびれた」「音楽家の悲哀を感じた」みたいな真直ぐ受け止めた感想として
それを俯瞰して構造を観るのが
メタな感想で「キャンセルカルチャーへの批判的映画だと思う」みたいなことと思う。
これをもう一個抽象化して俯瞰レベルを上げたものをシュールな感想と呼ぼうと思う。
※令和ロマンくるまが提唱するものとはずれてる気がするけど、着想を得ただけだからいいよね!


シュールな感想に挑戦

抽象度を上げてこの映画を言及すると「一度見ただけではわからない映画」ということと、それでも「アカデミー賞に複数ノミネートされるほどヒットした(評価された)」ということ。

ここから思うシュールな感想は「みんな謎解きが好きねえ」

謎を考察し、点と点がつながる瞬間に快楽を感じる種類の人間は一定数いると思う。
ドラマや映画に伏線があればYouTubeに考察系の動画がすぐに投稿されるがこのようなカタルシスを得られるから再生数が回るのだろう。
(自分で気づき考えたい人と、答え合わせを早くしたい人といると思うが同じ穴の貉)
このカタルシスを狙いながら、キャンセルカルチャーへの言及をするのが『TAR/ター』という映画の構造と思った。
メタとシュールの両取りですね。

もう少し言うと、TVのクイズ番組での一問一答みたいな謎と答えが近いものではなく、その距離を遠くして、作品内では語らない部分に答えを忍ばせ、考察という余白を楽しみ、答えらしきものに突き当たることでまた快楽を得るものであると思う。

作品の制作難易度というものがあれば、このような作品を作るのはかなり難しいと思われる。
謎は少なからず観る人のストレスを生むので
映像音楽演出演技で何とか客を引き込み、離脱させないようにギリギリを攻める必要がある。
わかりやすすぎてもカタルシスはないし、
わかりにくすぎると理解をあきらめてしまう。
「なんかよくわからないけどいい映画を見た気がする」くらいには最低とどめないといけない。
そういう意味で、アカデミー賞にも評価されたのだろうと思う。

もちろん単純明快なストーリーが好きな人も一定数いて、そこには刺さらない、というかそういう人にはストレスが半端ないと思うので勧められない映画と思う。
エヴァンゲリオン見られない人にはぜったいに勧めません!
TENET嫌いな人にも勧めません!


いぬ

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