フォローしませんか?
シェア
チビチビのねじねじ
2020年9月11日 07:16
寒い冬の午後。灰色の世界。清貴が住む場所は、あまり雪が降らない。山からのおろし風。乾いた冷たい風が、窓を叩く。清貴は、穴ぐらのような部屋にいる。窓を見ながら、何も見ていなかった。抜け殻。消えてしまいたかった。積極的に死を望んでいるわけではない。それだけの気力さえないのだから。氷のように、溶けてしまいたかった。ただ、流れてしまいたかった。佳代子が、死んでどれくらいになるのだろう。それすらも、