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学生起業が最も獲得するべき競合優位性とは!?

皆さんこんにちは。久しぶりのnote投稿になります、株式会社ホロックスの社長鷲尾です。

私は現在、立教大学に籍を置きながら、学生起業家として日々事業に励んでいます。

これからしばらくは、そんな私が学生起業について思うことを、noteに書き記していこうと思います。

学生起業が最も注力すべき競合優位性とは!?

起業家を志し、自分で1つでも事業案を構築したことのある学生であれば、一度は競合優位性という壁に突き当たったことがあると思います。

実際私も投資家の方や、メンターの方に「競合優位性は?」と質問された際、「技術的に~」とか、「まだ世にないサービスなので~」とか、表面的にしか答えることができていませんでした。

そしてそれは、競合優位性という言葉を本質的に理解できていないことの現れでした。

では競合優位性とは果たして何なのか?

技術的優越なのか?スイッチングコストなのか?スケールメリットなのか?

もちろんそれらも競合優位性の1つですが、それだけではありません。

今回は、RBV(リソース・ベースト・ビュー)という考え方に基づいて、学生起業家が最も意識するべき、そして獲得を目指していくべき競合優位性の本質について解説していきます。

RBV(リソース・ベースド・ビュー)とは?

RBVとは、企業の経営資源(リソース)に着目して、その企業の業界における競争優位性を分析するものです。

各企業の経営資源は異なる・各企業の経営資源は企業間を移動しない、という2つの前提のもと、『経済価値』・『希少性』・『模倣困難性』・『代替性』の4つのフレームワークから、企業それぞれがどれだけ持続的な競争優位を持っているかを分析します。

この4つのフレームワークの中で学生起業家が最も大切にするべきものは、『模倣困難性』だと私は思います。

なぜなら模倣困難性とは、金をかけずに手に入るものであった、どんなに金をかけても獲得できないものであるからです。

ディエリックス=クールの論文に見る模倣困難性

1989年、INSEDA(欧州経営大学院)のインゲルマン・ディエリックスとカレン・クールは、「企業のリソースがどんなに素晴らしいものであっても模倣されたらその価値は長続きしない。企業のリソースは模倣しにくいものでなければならない。」という主張を展開しました。

ここで彼らが画期的であったのは、模倣困難性の要因を『リソースの組み合わせ』に求めた点です。

通常企業は人材・ブランド・技術など複数のリソースを持っており、それらを組み合わせることによってビジネスを行っています。

彼らは、「大切なのはその組み合わせ方であり、その組み合わされたリソースが特定の条件を持つとき、はじめてその企業は模倣困難性を獲得できる」としました。

その特定の条件が以下の3つです

①蓄積経緯の独自性:企業が時間をかけて組み合わせて蓄積したリソース群ほど、その企業独自のものとなるので模倣されにくい。

②因果曖昧性:因果関係が複雑なリソースの組み合わせほど、「その中で何が一番大事なのか?」「価値を出す根本の原因は何か?」がはっきりしないので、他社は模倣しにくい。

③社会的複雑性:リソースが複雑な人間関係・社会的関係に依拠することで、他社がそれらリソースを獲得しにくくなる。

これら3つの条件は、いづれも金で獲得できるものでなく、それまでの時間と行程が意味を帯びてきます。

つまり、『どんなに資金力がある大企業や、経験値の高い大人でも決してまねできない』という点から、学生起業が最も優先して獲得するべきものだと私は考えます。

いざ実践!真の競合優位性を学生起業家が獲得するには?

では実際に、以上の競合優位性を獲得するためにはどうすればいいのでしょうか?

まずは事業のPDCAを高速で回すことです。

PDCAを回転させるたびに社内にノウハウがたまっていきます。

そして、PDCAを回転させるには少なからず技術・人材・チャネルなどといったリソースが必要となり、それらを取捨選択しつつ組み合わせていくことで、独自のリソースの組み合わせが大成されていき、『①蓄積経緯の独自性』に近づいていきます。

また、残念ながら学生起業家は経験も知識も何もなく、一部例外を除いてほとんど無力です。

だからどんどん、いろんな人や会社を巻き込んでいきましょう。

社内・社外問わず、様々な人々を適宜巻き込んでいくことで『③社会的複雑性』に近づいていきます。

そして、①と③が満たされたとき、他人の目からは価値の源泉が発見しずらくなり『②因果曖昧性』に近づいていくでしょう。

上記をそれぞれ適切に取り組んでいけば、本質的な競合優位性を獲得できると私は考えています。

まとめ

RBVは現在でも様々な学者が、その妥当性や有用性に疑問を投げかけています。

しかし、競合優位性や模倣困難性の本質を理解して、それらと真摯に向き合う上ではとても有用であると私は感じたので、今回取り上げました。

少しでも参考になったと感じた方は、シェアしていただけると嬉しいです。


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