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スプーン作り - クリエイティビティはパクリから

まな板のプロジェクトが終わると徐々にパワーツール系も習得し始めます。

最初のパワーツール - Band Saw

最初に学ぶパワーツールはBand Sawです。

日本名だと帯鋸??
小さめの刃のBand Saw

このパワーツールは昔小学生の時に竹トンボ作りをする過程でよく使っていた記憶があります。今回カレッジでは当然使い方、注意点、セーフティー面、刃の交換・扱い、などなど事細かく習いますが、小学校の時にそんなことを学ばずによく気軽に使っていたなぁ、とふと思いました。あれはあれでとてもいい時代でした。

そう言えば、当時工具用ナイフやノコギリ、キリ、組ヤスリなんかが入った工具箱も小学生が各自持参して、木工(竹細工など)をしていたように思います。現代社会ではあり得ないんじゃないですかね??
どっちにしろかつてのこの経験が今の木工をやるという原点になっていることには間違いありません。

話がちょっと逸れましたが、Band Sawでは板を真っ直ぐ薄く切ったり、曲線や細かい形状を切り取ったりできます。
今回このパワーツールとその他カービンチゼルなどの手工具を利用して、スプーン作りに挑みます。

スプーンのデザインと機能性

ということでまずはスプーンのデザインを考える。
とにかく思いついた形状をスケッチブックにラフに描いてみます。

思いついたスプーンをとにかく描いていく。

結局どれも同じような感じになってしまいます。笑 やはりデザインのアイディアは乏しいと実感します。なので、ネットでいろいろ検索しパクれるものはパクってみようと!

アイディアやクリエイティビティって?

そう、アイディアやクリエイティビティは生まれつき持ってる場合もあれば、いろいろ試行錯誤して生まれることもある、そしてパクリから派生することもある。それを今回のスプーンプロジェクトで一番学んだ点です。

そして、自分にはアイディアやクリエイティビティに欠けると思い込んでいたが、否、いままで使っていなかった能力、そしてそれを生み出そうとする努力をしていなかっただけだったのです。。。ギク!!

今回に限っては、たかが(と言ったらそこまでですが…)学校の課題です。世に出して誰に売るわけでもなく外部の品評会に出すわけでもありません。と言うことで今回はデザイン的にも機能的にも自分が好きなやつを作ってみようと思いました。

結局左ページの下と右ページのデザインに決定。

結局スプーンというよりはおたまですね。いつもカレーやシチューなど鍋の底の角に残ったやつを掬い取るのに苦労してたので片側を直角にしてみます=これはゴムベラの形状を真似て。そして、カウンタートップにおたまのボトムが付かないように'足'をつけます=これはネットで見つけたパクリアイディアです。(正直に 笑)

今回使用した木材はBlack Cherry。黒いスジが特徴的でデザイン的にもアクセントをつけてくれてよかったのですが、途中削っているとスジ状の穴が出てきてそれを出さないようにしたり、埋めたりする作業が大変でした。

まずはBand Sawでここまで切り取ります。下の小さいスプーンはまだ未完成です 笑
あとはこのようなカービンチゼルや組ヤスリなどで削ずり、最終的には紙やすりでひたすら磨き形を整えていきます。
完成系がこちら。最後はハニーワックスで仕上げます。

出来はまあまあですね。いろいろ改善点はありますが初めてのスプーン作りにしては80点くらいでしょうか!

ハンドルの滑らかな形状はなかなか綺麗にできたと思います。
足を付けることでスプーンの底がカウンタートップに付かないようになってます。
鍋のエッジにも掛けられますが安定はしてません。
そして結局直角の方ではなく丸みがかった方が鍋の角によく合いました。笑笑笑

スプーンと言えど生徒20人いたら20個、いやそれ以上の全く違ったユニークなスプーンが出来上がります。まさかスプーン一つのテーマでここまで個性が出るんなんて。皆さんほんとすごいです。。。

下の写真はクラス内でそれぞれのスプーンを発表する品評会の様子です。

みんなで囲ってスプーンの品評会をします。
それぞれほんと個性豊かで器用です!

以下は特に印象に残った何点か。

なんでこんな形を思い浮かぶのか…(リスペクト!!)
ハンドルがスピラルになってて見事に型取られてます。
スピラルがスプーンの枠にしっかりシンクロしてます!
ハンドルの先っちょが足の形になっていて、スプーンの部分と二点で立つようになってます。
滑らかなハンドルと足の形状がとても綺麗にできてます!
スプーンとしての役割はほぼ皆無ですが、木の中に埋まっていた焼け焦がれた部分を利用してます。ロード・オブザ・リングに出てきそうな呪物のようです!

機能性云々抜きにしてもほんとクリエイティビティに溢れてますね!これらは木材の特性などもありますし、真似したくても真似できません。
それぞれのスプーンに感動しっぱなしでした!

今後は堂々と(リスペクトを込めて)パクれるところはパクり、既存のものからアイディアを得ること、言い換えるといい作品からどんどんインスピレーションを受けていこう、そしてアイディアを生み出せる力を養っていこう、と思えるスプーンプロジェクトでした。

↓Selkirk College Fine Woodworkingのインスタページ ↓


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