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【動画でレポ】RSGT2021 - Kazuki Mori - ふりかえり手法のおもちゃばこ

コロナ禍になって辛いことも多いですが、とてもよくなった事もあります。そのひとつにセミナーやイベントの動画が公開されるようになった事です。コロナ以前であれば時間が合わない、場所が遠い・・・・などの理由で参加する事ができなかったセミナーやイベントがYoutubeなどを通して簡単にできるようになった事。たしかにリアルで参加する臨場感も一体感もありませんが、大事なところを何回も聞いたりも出来ますし、こうやってログを残すことも出来ます。これはものすごく幸運です。このGWは三度目の緊急事態宣言になってしまいましたが、それをポジティブにとらえてネット上で探した素晴らしいコンテンツをこうやって聞き直してみようと考えています。

What’s RSGT?

RSGTとは「Regional Scrum Gathering℠ Tokyo 」の略でアジャイルのひとつであるスクラムを実践する人が集い・語り合う場・・・という目的で行われるイベントです。アジャイル関係のイベントの中でもかなり大規模に開催されるイベントでもう10回目になります。

昨年まではオフラインで開催されていましたが今年は1月6日~8日までの間インラインで開催されています。

Who's Kazuki Mori?

森さんは「ふりかえりの黄色い人」です。以前からアジャイルのなかでもふりかえりに関する活動を行っていて先日、書籍も出しています。

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そして忘れてはならないKANEさんも紹介

森さんとともに「ふりかえりam」や「ふりかえり実践会」などの発信を行っている方です。

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What’s ふりかえり手法のおもちゃばこ?

「ふりかえり」とはレトロスペクティブとも呼ばれ、アジャイルのたくさんあるフレームワークのひとつ。アジャイルというとついついスプリントとかに目が行ってしまうけど、非常に重要なモノで、これをまったくやらないならアジャイルは成り立たないし、アジャイルやりたくない人でも「これはやってみ?}っていいたくなるほど大事・・・・森さんのおかげもあって最近やっと脚光を浴びて来た感があるワードです。スクラム自体がそうですが、より良い仕事を行うために・・・といった観点でどんな仕事・活動にも有効です。

そして、その「ふりかえり」というものは奥深くて、「ふりかえり」事態にもいろんなアプローチや手法があっったりします。

今回の企画はふりかえりの手法について参加者がDiscodeに挙げたリクエストに応えて、その手法を紹介するといったものです。さすがふりかえりの第一人者ですね。

・・・・ここからは紹介された手法についてメモしていきます。

動画はこちらです



「感謝」 ~効果が一番実感できるもの

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感謝の気持ちをボードに貼る。KPTの「K}を感謝に変えてみるとかふりかえりのどのタイミングでも使える手法です。

ポイントは具体的な事について感謝すること。

応用としては「Kudo Cards

このカードを使って感謝あの気持ちを書いておき、渡したり壁に張ったりすることで感謝の気持ちをつたえやすくする。

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さらに「Kudo Box

感謝を書いたカードを箱に入れて置き、ふりかえりの際に箱を開けて感謝を伝えあう。楽しそうです。

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「カラーコードドット」~感情をひきだす

タイムライン上でふりかえりを行った際、感情の上がった下がったをドットシールで投票する手法です。投票結果をもとに「なんで上がったのか?」を考える事で効果的にふりかえりを行なえます。特に感情をあまり出さない人でも参加しやすいので、そういった場合に使います。

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もうひとつの手法「Mad Sad Glad

こちらは「モノゴト」からふりかえるのではなく、感情を軸にしてふりかえる手法です。

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ふりかえりの場で感情をだしにくい・・・まずは出しやすい良い感情を出す場づくりが重要で、そこで使えるのが「Good & New」・・・よかったこと、新しいことをふりかえりの場づくりのところで、そこで全員が声を出すことで、そのあと言葉や感情を引き出すきっかけになります。

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「フォースフィールドアナリシス」~問題を深掘る

ふりかえりというよりも問題を分析するための手法で、まず課題・テーマを挙げて、それに対するサポートできる、抑制できる要因を洗い出し、その強さを線の太さで表現する手法。オンラインでも「手書き」がいいと思います。

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「FMEA」・・工場や製造業で使われている問題分析手法。最初に問題を挙げて、それに対して原因を考え、原因に対して重大度の評価をして、そこからアクションを選んでいき、それを検証する・・・といった流れで行います。他の手法とも繋げられやすい。この手法の良い所は複数の問題を挙げられる事です。

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掘り下げというと「5つのなぜ」となりますが、それよりも気持ち的には重くなくてやりやすいですが、かかる時間は問題が複数出るので時間がかかります。

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つらい「5つのなぜ」しんどくなくする手法。なぜと詰めていくと重くなって煮詰まったりしますが、途中で「What」・・「何が起こったの?」に変える事で軽く感じられるようにできます。


「Six Thinking Hats」~玄人向けの手法

教育の現場などで使われている手法で、これだけで一切つの本が出ているくらいのもの。議論をするときに役割をあてられた「帽子」をかぶりなおすことで、役割をチェンジしていく。思考を強制的に切り替えることでアイデアを出しやすくする。1つのハットで8分くらい使って行います。他の手法を使わずにこれだけでふりかえりを行います。

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もうひとつの玄人向け手法は「闇鍋

テーマを書いて箱の中に入れて、箱からランダム(または投票で)に取り出してそのテーマについて話す。マンネリになりがちなふりかえりで、いつもと違うテーマを挙げることが出来ます。ふりかえりはKPTとかYWTなどフレームワークがありますが、雑談だけでもふりかえりはできます。こういったのができれば上級者ですね。

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「KPT & ART」~オンラインでやりやすい

KPTを使ってアートを作っていく手法です。ホワイトボードツールでも出来ますし、Trelloのようなタスク管理ツールでもできます。短い時間でたくさん出して、やっていきます。・・・・これが本当にアートになるかどうかはあなた次第です。

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その他の手法に「Blocks

元々は陣取りゲームです。まずは表を用意しておいて、それぞれが好きなマス目に書き込んで色を付けていく・・・・そして他人のマスにリプライしたら、その他人のマスを自分の色に塗り替える。・・・そして陣取り合戦・・・そこから何が生まれるかはあなた次第です。

この手法のいいところは「掛け合い」がオンラインでもやりやすい事。自然と掛け合いが発生しやすくなります。書いたら即リプライされるのも良いです。

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Qiitaの記事もあります。簡単にできますのでやってみてください

オンラインでやりやすいというか、オンライン上で書くこと、ふりかえりの訓練といった感じでやってみる事です。


「ポジティブふりかえりマッピング」~つらい時にやれる

ふりかえりを始める前に「Norm Kerthの最優先指令」とNoBlame(お互いを非難しない)ルールを話してから始める。「みんなが最善の仕事をしたんです」という前提でふりかえりを始める手法です。読み上げた後に今週「良かった事」を挙げてグルーピングし、そのあと「もっといいやり方」を挙げます・・・・ここから実験(アクション)を議論します。始終ポジティブでふりかえりをすることができます。実験というのも「やらないといけない事」ではなく前向きです。

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Norm Kerthの最優先指令」だけでも効果があります。


ありたい姿~未来を考えられるふりかえり手法

まずチームのありたい姿を挙げて、それと現状とのギャップを話し合って、それを埋めるためのアクションを検討する・・・一週間ではなくロングスパンでおこなうと良いふりかえりです。

ポイントは長期的、中期的、短期的・・・それぞれのスパンのアクションを考える事です。

「むきなおり」に近い手法です

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いろんな手法を全部覚える必要はありませんが、手法を知ることで楽しくふりかえりをすることが出来ます。


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