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後編:イベントに頼らず『日常の賑わい』を生んだ、まち歩きプログラム『大門びより』。

「ものづくりとまちづくり」を実践するソイロの松本啓太です。
4/20(土)に本拠地の名古屋市中村区・新大門商店街で、まち歩きプログラム『大門びより』を実行委員として開催。このプログラムを通じて同商店街に『日常の賑わい』を生めるのか?という実験的な取り組みです。前編を読んでいない方はこちらからどうぞ。

後編では、当日の様子をお伝えしながら、プログラムがどれくらいの成果を挙げたのか見ていきます。

大門びよりの様子

①参加店みんなで集客する。

今回も「大門軒先マルシェ」同様に、参加する全店舗が協力しあって集客。当たり前と言えば当たり前ですが、意外とこのお話をすると『なるほど!』となる事が多いです。
今回の『大門びより』は400~500人の来訪者を想定していました。これには2つの理由があります。1つ目の理由は、実行委員の4店舗が一度に集客できる数がおよそ300~400人くらいと分かっていました。(過去のイベントで集客データが取れている。)

そして、2つ目の理由が重要なのですが、大門の街と各店舗の受け入れできる「キャパシティ」が500人くらいである事。2000人ほどが詰めかけたら、明らかにキャパオーバーです。提供が追い付かずに長蛇の列が生まれ、お客さんと話す事もままならない。言うなれば「過剰な賑わい」です。前編でも言及しましたが、9割くらいの稼働でもう少し頑張ろうと思える「適切な賑わい」を目指すと、過剰に多くの人に来てもらっても、お店側も来訪者も満足度が上がらないのです。

集客は「多ければ良い訳ではない」と言うのが私たちの考え方です。

開店と同時に外まで列があふれ出した「あおい会場」

プログラム開始の10時少し前。一度各店の様子を見に商店街に繰り出したところ『思ったよりも、お客さんが少ない』印象でした。それでも、実行委員であり、大門でも有数の人気店「shizuku」さん、「あおい」さんの店先にはしっかりと列が出来ており、この光景を見てホッと一安心。お目当ての店舗から、各店に人が流れていくのは、マルシェやイベント等と同じようです。

その後、11時くらいからは各店も徐々に賑わい始めたのでした。
最終的に、各店の販売数や店舗間の回遊件数などから推測するに、予定通り500人程が大門エリアに遊びにきてくれたようです。

②地域店のコラボ商品+事前の食レポ

コラボ品が今回の目玉商品であったことは間違いありません。商品紹介はもちろんのこと、事前の宣伝活動として「食レポ」をインスタグラムで発信していました。この「食レポ」がとても分かりやすい。商品紹介は、自分達が思ったよりも相手に魅力が伝わっていないことが多いです。写真や文章にしっかりと書いてあることでも、サラッと質問されます。(そこに書いてあるんですけど、と毎回思います。)でも、これは広告と全く同じで『ユーザーは広告(この場合は商品説明)を読もうと思ってはいない、読まれない前提で書け!』と言う事に他なりません。

「こださんぽ」と称した食レポが人気コンテンツに。

その点で、今回の『食レポ』はレポーターが、少しだけ脚色しながら、時に大げさに、面白おかしく、そのお店と商品の魅力を伝える事に成功しました。『大門びより』の当日のみならず、その後の日常でも『食レポ』見てました、と声を掛けられるほど地域に浸透したレポートになりました。

各店舗にコラボ品はあったのですが、おおよそ完売となりました。

③運営がどれだけ”楽”をできるか。

事前の準備では、それなりに省エネで取り組んできましたが、当日は、そこそこ行動をしたわけです。プログラムが円滑に回るよう行動したというより『各会場とお客さんの流れなどを確認し、今後につなげる』意味合いが強かったのです。
今回は6店舗が会場になっていたのと、お客さんの入り具合も丁度良かったため、各店の店主とも会話する余裕がありました。その中で、リアルタイムな情報交換を行い、お客さんの傾向や商品の売れ行き、他の会場の様子を共有しながら、より良い運営を行う事ができました。具体的には、会場ごとにお客さんが多い少ないが出た時でも、店主が機転を利かせてお客さんに別会場をおススメしたり、SNS上で会場の様子を見れるようにしたり、などです。

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