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DIYお店づくりの落とし穴? 失敗しないためのリアルな話。

ものづくりとまちづくりを実践するソイロの松本啓太です。

初めてのお店づくり
は、ワクワクと不安が入り混じるものです。特に、予算と時間には限りがあります。僕が関わる事が多い商店街で開業する場合、その制限はさらに厳しくなります。そんな状況でよく言われる『予算を合わせるためにDIY』という選択肢です。

しかし、DIYは本当に良い選択なのでしょうか?実は、デメリットもあります。

DIYの落とし穴?

1. 労力と時間がかかり、本来やるべきことができない
DIYは想像以上に時間がかかります。材料を選んだり、道具の使い方を調べたりの準備段階から、壁を塗ったり、棚を作ったり、照明を設置したりと実際の作業に至るまで。大事な店の運営や集客を考えるべき貴重な時間が減ってしまいます。さらに、不慣れな作業は必要以上に時間がかかり、職人さんに頼んだ方が結果的に早くオープンできる場合もあります。オープン日が早まれば、その分、売上を早く作れる事はついつい忘れがちな事です。

2. 仕上がりが悪く、お店のイメージに影響がでる
不慣れなDIYはどうしても仕上がりが悪く、プロの仕事と比べると差がハッキリと出ます。壁の塗装がムラになったり、棚が歪んだり…など、お客様がジロジロとその差を確認する事はありませんが、それでも違いを無意識に感じ取り、結果として店のイメージにも影響を与える可能性があります。

3. 職人との連携がうまくいかず、工期が延びる
DIYを一部取り入れる場合、職人との連携が重要になります。しかし、不慣れな作業は職人にとっても効率が悪く、工期が延びる可能性があります。現場監督も、素人の作業ペースを考えて余分に工期を見る事が多く、お店のオープン日は遅れていきます。

上記のように、DIYには多くのデメリットがあります。時間と労力、仕上がりの質を考慮し、DIYが本当に必要かを慎重に判断しましょう。

それでもDIYをしたいあなたへ

DIYはデメリットばかりではありません。うまく活用すれば、お店のオープン前から地域との繋がりを作るチャンスにもなります。

1. DIYをイベントにする
地域の方に参加してもらえるDIYワークショップを開催することで、お店の存在をPRし、オープン前からファンを作ることができます。例えば、壁塗り体験、看板作りを通じて、お店のコンセプトが感じられるワークショップを企画できたら最高です。SNSで募集するよりも、実際に顔が分かる相手に直接声をかけて誘う事がポイントです。SNSはどちらかと言うと「こんなイベントやります」くらいライトな告知であり、多くを期待してはいけません。

2. リピート来店を作れ!特典を用意する
DIYに参加してくれた方に、後日使えるクーポンやサービスを提供することで、リピーター獲得に繋げることができます。例えば、ソフトクリーム無料券、次回割引券など、参加者にとって魅力的な特典を用意しましょう。実質的に、値引きに近い行為ですが「広告宣伝費」だと考えましょう。オープン当初は自分のサービスを知ってもらい、体感してもらう事が何より大切です。予算が必要なノベルティなどは作らないように。

3. コミュニケーションを大切にする
DIYを通して地域の方とコミュニケーションを取ることで、開店前から応援してくれるコアなファンを作ることができます。道行く人と挨拶をし、お店を始める事を伝えたり、開業への想いを語ったり。
ワークショップをきっかけに参加者と交流し、その後はSNSでお店の進捗状況を報告したり、本オープン前のプレオープンに招待するなど、積極的に「何かを伝える機会をつくって」コミュニケーションを図りましょう。

お店づくりの好例DIY

**三重県鈴鹿市の「ippuku。」**さんは、DIYもうまく活用しながら年末年始に自主的にイベントを企画するなど、オープン前から地域に愛されるお店づくりに成功しています。地域の方と交流することで、材料を譲り受けたり、DIYを手伝ってもらったり、時には差し入れを頂くなど、オープン前から地域に根強いファンを獲得していました。これはオーナーご夫妻のお人柄によるところも大きいのですが、上記のメリット1~3を意識しながらお店づくりを進めてきた成果でもあります。

海沿いのソフトクリームとおやつのお店、ippuku。

プロジェクトページ|SOIRO|WORKS|ippuku

お店づくりにおいて予算はとても大切ですが、当初のお店を作る目的を見失わずに、自分に合った方法を見つけてくださいね。


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