見出し画像

SI→Web業界の転職成功事例に学んだ越境キャリア構築を支援するためのキモ

こんにちは。田川啓介と申します。10月にproject COMP (エンジニア向けの給与データベースサービス) のβ版をリリースして2か月が経ちました。おかげ様で、多くの方にご登録いただいております。ただ、閲覧いただいた方はお気づきのように、集まっているデータが一部(主にWeb系企業)に偏っているのが現状です。

以前のnoteからの抜粋】
日本のエンジニア不足の課題についても、今は業種や業界に閉じた課題解決しかできていないのではないか、自分としては業種や業界を超えてより良いキャリアを構築していける仕組みをつくって支援したい、と考えるようになりました。

この想いを実現していくために、Web業界だけではなく、SIer、メーカー、金融などあらゆる業界の「知の共有」を促進し、給与市場を透明にしていく所存です(注:以前のnoteでも書きましたが、知というのは個々人が持っている給与情報になります)。ただ、これだけで越境キャリア(注:業界を越えてキャリア構築することを指しています)を支援していくのには不十分であると悩み考えていた際に、SI→Web業界への転職に成功したあるエンジニアの話がヒントになりました。

今回の記事は、その具体的なエピソードから「業界を超えてキャリア構築した実例を集め、人の動きと給与変化を可視化していく」ことにもproject COMPで挑戦しようと決めた経緯を書きたいと思います。
注:個人の特定性を下げるため、一部抽象度を上げて記載したり、複数人から聞いた話を合わせて記載している部分があります。

SI→Web業界へ転職を諦めずに果たしたエンジニアの成功事例

画像3

大学でもプログラミングを専攻していて面白いと思ったAさんは、数百人規模の受託開発の企業に入り、プログラマー及びシステムエンジニアとしてキャリアを築いていました。5年目を経過したあたりから、スキルアップするのに比例し、「これは自分が作った!」と堂々と言えるサービスを作りたい想いが高まり、Web系企業への転職を検討していました。

しかし、最初に業界間の情報の壁の厚さにぶち当たりました。キャリアビジョンが近い同僚や上司や、Web業界で親しい友人もいなく、情報収集が進まなかったようです。Web系企業が開催する勉強会にも参加しましたが、それだけでは異なる業界で働くことのイメージがつき難かったとのことでした。また、その勉強会では、有名なサービスの開発をリードした人たちが登壇していて、理路整然とプレゼンし、質疑応答にも即答でビジバシ答えているのを見て、自分とは住む世界が違う人達だな、とヒヨってしまったことも。質問タイムでも手を上げる勇気を出せず、聞きたいことを聞けずに帰った苦い経験もあるとのことでした。

結局、Aさんは転職を考え始めてから5年もの間、転職に踏み切れず情報収集や検討に時間を費やしてしまったそうです。ただ、どうしても自分の想いを捨てきれず、思い切ってWeb業界のベンチャー企業にエントリーをしたところ、想いが伝わったのと、スキルもマッチしてその企業で働くことになりました。思った以上に給与も上がりました。

画像3

Aさんは転職後、環境の違いに少し戸惑うこともありましたが、半年もすると慣れてきて、環境が違っても自分はやれるんだという自信もついてきました。働く中で分かったことは、Web系企業の中には、専門学校から積み上げてきた人、同じようにSI業界から転職してきた人、様々な人がエンジニアとして活躍していたということです。出自や今までの実績も関係なく、皆が一緒になって泥臭く日々仕事をしていました。

問題は、外の業界からはこのような実態が見えないことです。思った以上に実態に即した情報を取得するハードルが高いのと、先行するイメージによって誤解して転職をあきらめる人が多いのが現状だそうです。

苦労したAさんが最後に言っていたことは「異業種への転職を成功させた実例を知ることが、一番勇気づけられる。」という言葉でした。「意外にも多くの人が業界を越えて転職している。ただ、Web業界にいるSI業界出身の人はSI業界から見れない。脚色された一部の記事だと自分とは結局違うんでしょと思いがち。それよりも、もっと多くのリアルな実例を可視化できれば、SI業界で自分と同じように燻っている人が想像以上に動いてくるだろう。」これだ!と思い、業界を跨いでキャリア構築した実例を集めて、人の流れと給与の変化をセットで可視化することに挑戦することに決めました。

業界を超えてキャリア構築した実例を可視化する

画像2

異業界への転職は、行ったことがない国に初めて行くのに近いと思いました。ネット検索やガイドブックだけでは見えない、リアルな世界(実態)がそこにあります。これは、決して、SI業界とWeb業界の間の話だけではなく、メーカー、金融など他の業界との間でも同じことが言えると思います。

その中で、project COMPのデータベースには、異業界への転職の実例も蓄積していきたいと考えています。project COMPは時系列で複数の給与情報を入力できるため、実際に業界を跨いで転職した方に、転職前後の情報をご登録いただき、それを蓄積していくことができます。自分の業界から異なる業界にどれくらい人が流れているのか、そしてその時の給与がどのように変化・推移しているのか、を統計情報として提供していきたいと考えています。ただ、それだけでは十分とは言い切れません。実態を表わす定量的なデータと共に、リアルなエピソードも重要であると考えています。

先日Branding Engineer の田中さんにもご協力いただき、SI業界からWeb業界への転職を成功させたエンジニアの方を招いて、ウェビナー形式でリアルなエピソードをいろいろな角度でヒアリングさせてもらいました。

開発スタイル、組織文化、給与体系・・・聞けば聞くほど、業界ごとの事情の違いが浮き彫りになりました。リアルなエピソードはその時の苦労や実態が脳内再生でき、やっぱり臨場感があると思いました。面白い話がいくつも聞けたので、今後noteなどでまとめて公開していこうと思っています。また、このような転職を経験したエンジニアのリアルな声や実例を知れるイベントが、誰かにとって少しでも励みになったり背中を押す一歩になるのであれば、今後も開催していきたいなと思います。

結論:ターゲットはWeb業界だけではありません

project COMPの現状のデータベースがWeb業界に偏っているのは、私がDeNA出身であり、初期に知人・友人に声をかけて登録してもらったことも要因です。ただ、project COMPを通して、業界を跨ぐキャリアビジョンの達成を支援していきたいと強く想っています。業界や雇用形態などによる給与形態の違いにも対応できるように、直近で時給や月給でも登録できる仕様をリリースしました。構想と現状のGAPはまだまだ広いですが、引き続き、project COMPをよろしくお願いいたします!

※もっとSI業界内の実情が知りたいです!project COMPの思想に共感いただき、ヒアリングにご協力いただけるSI業界で働いている方、もしく働いていた方、何卒よろしくお願い致しますm(__)m





サポート代わりに...シェアいただいたりサイトに登録いただけるとすごく嬉しいです!