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# 109_FabBiotope2.0の参加者がつくる「手触りのある経済圏」について教えてください

2021-07-17_流通のビジネスモデル

 FabBiotope2.0の参加者の方は、プロジェクトの中で、我々運営チームが準備した方法論を使っていただくことを想定しています。また、その実践の過程で、参加者の方、独自の方法論が導かれることを想定しています。それら生み出された方法論を中心とした知を、似た課題感を持つ人に書籍や映画、また、それらのウェブ上での連載という形を取って流通させていきます。また同様に、プロジェクトの参加者同士で協働して生まれた発明や、その協働のための方法論も流通させていきます。運営チームでは、実践のための方法論の提供や編集者として関与させていただくなど、実践や流通のための環境的存在として関わらせていただきます。以上のような形で、参加者は実践を通じて生まれた方法論を中心とした知の流通によって、独自の経済圏をつくっていただくことを想定しています。
 また同時に、運営側もプラットフォームとしての経済圏をつくります。運営側はプロジェクトを通じて当事者兼つくり手の人を増やし、またその関係性を結びながら、同時に「当事者兼つくり手を増やす人」を「増やす」ことを指向します。プロジェクトの参加者の方は、自らと似た課題感を持つ人に方法論を中心とした知を届けることで、自分が明確に認識している自らにとっての当事者兼つくり手の像の範囲内で、そういった人が増えるよう振る舞います。そのような準自分、個人の延長にある全体、小さな普遍を対象とした経済圏は、当人にとって手触りのある経済圏として立ち現れます。
 運営チームでは、当事者兼つくり手個人が一人ひとりそれぞれの手触りのある経済圏を持ち、それが小さな生態系として複数点在している状態を目指しています。また、運営チームも同様にひとつの小さな生態系として、環境側としての価値の循環系をつくり、持続的な活動として経営をしていきます。運営チームがプロジェクト参加者にどのような方法論を提供することを計画しているかに関しては、弱視者の方、エンジニアの方、それぞれがプロジェクトの中でどういったことを実践いただくかを紹介するQ&Aの文章[1]がありますので、そちらをご覧いただければと思います。
 また、今回触れた価値循環の回路は、主に参加者個人が直接的に似た課題感を持つ人との回路を開く実践のことでしたが、そこから派生し、ある特定の共同体を対象に文化醸成のためのエドュケーションプログラムを、運営者、主に私と、プロジェクトの参加者が協働して設計するというモデルもあり、それもまた「当事者兼つくり手を増やす側に回るとは?」というQ&Aの文章[2]で触れておりますので、ご興味のある方はそちらもご覧になっていただけると幸いです。

[1] 「FabBiotope2.0に参加する弱視者は、どのような実践をするのですか?」と、「FabBiotope2.0に参加するエンジニアは、どのような実践をするのですか?」の章を参照のこと
[2] 「『当事者兼つくり手を増やす側に回る』について教えてください」の章を参照のこと

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Keisuke Shimakage

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