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ハイレイヤー専門の人材紹介の意義について

今日はハイレイヤー専門の人材会社って必要なのか。
という観点について考えてみました。

たまに言われることがあります。
「本当のハイレイヤーであれば、リファラルで転職するよ」
というご意見です。

まぁ、ごもっともな部分も正直あると思っていますが、大きな観点が抜け漏れています。
それは「誰であってもこの世の全ての求人を把握できていない」という点です。

前述の意見をお持ちの方はたぶん大きな勘違いを2つしていると思います。

■1点目
優秀な人は自分で情報を集める。もしくは引き合いが多いので、その中で転職ができる。

■2点目
人材紹介会社はキャリア面談を通じて、その方にマッチした求人を紹介する。
キャリアの棚卸や、キャリアについてアドバイスを行う。

この2点について、先入観があると大きな勘違いを起こすのだと感じています。

上記に対する弊社の考え方は以下の通りです。
■1点目について
優秀な人がこの世にある全ての求人を把握できている訳ではない。
ハイレイヤーの方が知らない情報をお伝えすることで、彼らのキャリアの選択肢を増やすことが少しでもできれば。
と思っています。
もちろん、そういった方々にリファラルでの声かけが多いことも承知の上ですが、選択肢が少しでも多い方が良いのは間違いないので、そこの手助けをしています。

■2点目について
業界、職種で一定以上まで上り詰めた方に対して、正直アドバイスすることはあまりありません。笑
私たちより、ハイレイヤーの方の方が知見も豊富ですし、中途半端なアドバイスが有効に働くとは全く思っていません。
むしろ、1点目に記載したような「選択肢を増やす」ことをしっかりと行い、優秀な方に「自身で判断」して頂く。ということを目的にしています。

ハイレイヤー専門(いわゆるヘッドハンティング)の人材紹介会社はこういった所が多いのではないでしょうか。
コンサルティング会社も業界に一番詳しいのはクライアント企業の役員であり、そこからヒントを貰いながら仮説検証を行うと聞いています。
一定以上、上流にいくと、当然の如く外部の会社では知りえないレベルの情報やリアルな課題感を本人たちが持っておられます。
そこの情報や課題感をコンサルティング会社やヘッドハンティング会社は解決するところにバリューがあると考えています。

介在価値。という言葉も多々言われることがあります。
ただ探して、面談して、紹介するだけ。それだけで年収の40%、45%、50%(大手であれば100%等)を請求するのか。高すぎる。というご意見です。
言わんとすることは元人事としてとても分かります。
ただ、なぜ高いのかを考えて頂けると嬉しいです。
私もこの業界に入って、ここの紹介料が高い理由が分かりました。
理由は簡単です。同じビジネスモデルに見えて、やっていることが全く違います。

■一般的な人材紹介会社(紹介料35%)
魚釣りで言えば、「網」を使って大量の魚を一気に釣り上げるイメージです。
1回の量で、何百匹という多くの魚が取れます。但し、1匹あたりの単価は高くない。というものです。
例えば、鯛1匹であれば小売価格で数千円というところでしょうか。

アパレルで言えば、ユニクロかもしれません。
安く、高品質で、みんなが気軽に着れる服を作って売っているようなイメージです。

■ヘッドハンティング会社(紹介料45%以上)
魚釣りで言えば、大間で一本釣りのイメージです。
何十回と漁に出ても、1匹も釣れないことが当たり前です。
人口比率で考えれば当然なのですが、年収2000万円以上の割合は0.5%と言われています。2000人に1名です。
そのような割合の少ない方を見つける工数、面談した上でクライアントとマッチする割合、書類選考から内定までの率。を考えると、想像を絶するくらいに大変です。
アパレルで言えば、ハイブランドのアパレルの服でしょうか。ユニクロのセーターが5000円だとして、同じようなハイブランドであれば30万円することも多々あります。(本当は全然違うのだと思いますが)
そう考えると、紹介料が50%でも決して高くないと思っています。

鯛が1匹5000円(1回の漁で大量に取れる)と、マグロが1匹5000円(数カ月に1匹釣れる)だと、ビジネスが成り立ちません。
なので、鯛が5000円であれば、マグロは数百万円という値段になる訳です。

字面だけは漁師、アパレル、人材紹介。とあっても、裏側で掛かっているコストや工数が全然違います。
そこを理解して頂ければ、より良い方のご紹介に繋がります。
安く紹介してほしい。というニーズもあるのは理解しているのですが、上記の通り工数が全く違うので、中々対応が難しいという部分もあります。
なぜか人材紹介で「紹介料が高い」という話をすると嫌な顔をする方もいらっしゃいますが、高級な魚や、高級な服と同じだと思って頂けると分かりやすいかと思います。
気持ちとして受け入れたくないのも理解できますが、ビジネスとして成立させるためには利益が必要であることもまた事実です。

ダラダラと書き進めました。
結論として、ハイレイヤー専門の人材紹介会社と一般の人材紹介会社は、そもそもやっていることが全然違う。
同列に並べると、「存在意義」や「費用」について様々な意見が出ることも分かっています。
スシローと銀座九兵衛、ユニクロとエルメスが同列に並ばないのと同じで、ハイレイヤー専門の人材紹介会社と一般の人材紹介会社が全く違うものであると理解頂けると嬉しいです。
どっちが良い。どっちが悪い。ではなく、利用目的に応じて価値を感じて頂けると良いのではと思っています。