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理系少年が身だしなみを気にし出した話

僕は理系大学院生だ。
ボサボサメガネ集団の理系大学院生だ。
そして阪大生だ。イカ阪(いかにも阪大生の略でチェックシャツを着ているような人を指す)なんて言葉があるようにファッションとは程遠い世界に属している。

そんな僕がファッションバキバキに決めてロン毛でキャンパスを練り歩くようになるまでの経緯を話そうと思います。
学校の人には「阪大にいるような人じゃない」と言われるので中々レアキャラだと思います。

まず、身だしなみを気にし出したきっかけは中学3年生
クラスの友達が休み時間におもむろに雑誌を取り出した。
「え、なにそれ」
僕が尋ねると、彼は
「んー、ファッション誌」
と答えた。

ファッション誌だと?中学生が教室でFINE BOYZという雑誌(高校〜大学生向け)を読んでいる。
「こいつ、できる」
僕は彼に憧れた。僕の周りでファッション誌を読んでる人なんて彼だけだった。
「服とかどこで買ってるん?誰かと買いに行ってるん?」
「んー、1人で梅田かな」

1人で?梅田だと?
1人で梅田(大阪の中心地)に服を買いに行くなんて中学生のすることか?
「こいつ、できる」
僕は彼に憧れた。
「今度一緒に買いに行っていい?」
「んー、いいよ」

ワクワクが止まらない。俺がおしゃれになる日も近い。
そう思って同じ雑誌を買い、梅田で一緒に服を買うようになった。

この頃、母ちゃんに内緒で近所の薬局にワックスを買いに行った。
男子中学生なら必ず通るギャツビーの丸くてGって書いてあるワックスだ。
同時にYouTubeでヘアセット動画を見始める。
当時の男子ヘアセットYouTuberは"もるさん"一択だった。

僕は身だしなみに気を使い出した。

高校生になっても服はファッション誌で勉強してヘアセットはYouTubeで勉強していた。
原宿の美容師さんのヘアセット動画にはとてもお世話になった。
母ちゃんや姉が使うヘアアイロンをこっそり使って外ハネなんてしていた。
ワックスもサロン専売品を使うようになった。

部活に入っていなかったので休日は梅田に服を買いに行ったりしていた。

恐らく進学校育ちの阪大生はこんなことはしていない。
もっと言えば、僕みたいな高校生は阪大には行かない。

高2の進路選択で理系に進んだことと、受験勉強にハマったことで理系阪大生になったが、元々は普通の高校生だ。
高校生が見た目を気にするのは普通だ。

進学校育ちの学生がほぼ全員見た目に無頓着なのが異常なコミュニティだと思う。

大学生になってからは、お金が増えて周りが男子だけになったこともあり、僕の身だしなみは突っ走っていった。
文系でMARCHとか行ってれば綺麗目な服着てマッシュかセンターパートで卒業しただろうに、理系で阪大に行った結果モードやビンテージの服着てロン毛パーマというイカ阪の対偶を取ってしまった。

洋服屋さんでは「お仕事アパレルですか?」とよく聞かれるし、なんならお客さんに「試着していいですか?」と間違えられることもある。
「22歳の大学院生です」と言うと「20代後半アパレル店員に見える」とよく言われる。

こんな阪大生がいるだろうか。いや、いない。
僕は阪大生なのだろうか。いや、違う(違わない)。
阪大卒の院中退間際という中途半端な身分だ。

いっそのこと、26歳アパレル店員を名乗ってやろうか。

今日はこんな感じで、また明日。

(以下おまけ)
命題
いかにも阪大生(イカ阪)⇒ボサ髪でチェックシャツ
対偶
ロン毛でモード⇒いかにもアパレル店員(イカ店)

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