ジョジョ・ラビットの感想

ジョジョという響きでハリウッド版ジョジョの奇妙な冒険なのかなと思いながら劇場に向かいました。そんなわけないと思いつつも。

予想通りジョジョの奇妙な冒険の実写版でした。
以下、ジョジョラビットがジョジョの奇妙な冒険の実写版である根拠
・主人公の名前の愛称がジョジョ
・ジョジョはヒトラーの姿をしたスタンドを操る
・スタンドはスタンド能力を持っていないと見えないため、周りの人間にはジョジョのスタンドであるヒトラーが見えない

スタンドを持っているのに何もしないジョジョには終始イライラを感じたが、信念を貫いたスカヨハには心が揺さぶられた。

いい映画です。

昨年、アベンジャーズエンドゲームで衝撃的な結末を迎えたブラックウィドーことスカーレットヨハンソンだったが、今作でも衝撃的な結末を迎えることになる。作品が変わってもスカヨハの未来は変わらないのかと、ジョジョが母であるスカヨハに抱きついたシーンで絶望した。
しかし、このシーンでは絶望と共に希望も感じた。

おそらくジョジョの家はそれなりの家柄なんだろうと思う。黙ってお上の言うことに従っているフリをすればそれなりの暮らしはできていたはずなのに、自分の信念に従ってナチス党と戦い、一人のユダヤ少女を救った。
描写はなかったが、もっと沢山のユダヤ人を救っていたかもしれない。

そんなスカヨハに敬意を称して、敬礼!したい気分になった。涙なしには見られない。

そんな母の命がけの抗議活動などつゆ知らず、呑気にナチズムに傾倒し、頭の中のヒトラーとじゃれ合うジョジョ。一体なんたることか!打ち首の刑に処す!

この作品を見ていて一番恐怖を感じたのが、政治に教育が利用されることだった。映画「チャッピー」でも感じたことだが、子ども時代にしっかりとモラルというものを教えてもらえないととんでもない考え方のモンスターが出来上がってしまう。

そんなモンスターを生まないためにも小さな子の前では模範的な振る舞いをしなければと思った。そして、悪いことをした子どもを見つけたら注意をしてあげよう!


教育を通じて、完璧なレイシストとして成長をしていくジョジョであったが、家に匿われているユダヤの少女と触れ合うことによって、少しずつ考え方が変わっていく。

ここにもスカヨハの貫いた信念と同じく、希望を感じた。「間違った育ち方をしたとしても、違う世界に触れることで、人は間違いに気づくことができる」、全体通してそんな感じ。

だから、コミュ障とか言ってないで、たまには違ったコミュニティに触れてみるのもいいんじゃないですかね。

とてもいい映画でした。

ジョジョの奇妙な冒険第8部 完


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