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「マーケティング」という言葉の正体は、一体なんなのか?


マーケティングという言葉ってわかりづらい。

「何やっているの?」って聞かれて、「企業のマーケティング支援しているよ」と答える自分でさえ、マーケティング支援ってなんだろう?って思っています。

その理由は、マーケティングという言葉が時代や領域によって果たす機能が全く異なるからだと思っています。また、知識や業務経験に言葉のイメージが引っ張られるため、人によって認識が大きくことなりそうだと思っています。

とういうことで僕が認識している「マーケティング」について、歴史、実例を交えながらマーケティングという言葉の正体について完全に主観でお話ししたいと思います。



マーケティングとは、「マーケットを作ること」もしくは「存在するマーケットのパイを奪うこと」

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そもそも マーケット(市場)とは、定期的に人が集まり商いを行う場所、あるいは市場(いちば)における取引機構に類似した社会機構の概念を指します。

そして、マーケティングという単語は市場を意味する「Market」に「ing」を付け加えたものです。文字通りに意味を解釈すると、「マーケットする」こと。ちょっと意味不明なのでちゃんと説明すると、マーケティングとはマーケットを作ること、もしくは存在するマーケットのパイを奪うこと、だと思っています。

また、マーケティングは元々20世紀初頭のアメリカで生まれた概念みたいです。産業革命によって市場が活性化した際に、今までとは違い、新しい市場(エリア)を開拓してく必要に迫られました。そこで登場するのがマーケティングという概念です。(100年くらい前にアメリカで生まれた概念なので、ちょうどいい感じに訳せる日本語もないみたいですね)



時代や市場の成熟度によって変化するマーケティングの概念

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20世紀初頭のアメリカにおけるマーケティングは、主に物流網の構築が挙げられます。産業革命以前には地産地消の消費が普通だったのが、産業革命後に蒸気機関が出現したことで大量生産を行うオペレーションと、生産した商品をより遠くの地域に運べるようになりました。まさに、物流網の発達でマーケットが大きく広がった瞬間です。そうして物流網を構築することで市場が拡大し、売り上げを伸ばすことが出来ました。

一方で、多くの人が安価にかつ遠方にものを輸送できる現代では、物流網を構築することはマーケティング施策としては(マーケットのパイを奪うには)弱いと思っています。このように時代や市場の成熟度によってマーケティングの概念は変化していきます。

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▲時代、国、市場によってマーケティングの成熟度も変化する

別の例ですが、靴がない時代には靴を作れば売れます。

靴の市場があることがわかると、靴を安売りする人が現れます。安い靴がたくさん生まれたら、デザインが大事になります。安くてかっこいい靴が生まれたら、ブランディング(その商品を所有することで形成されるイメージ)が大事になります。

このように市場が成熟してくると、機能、クオリティ、価格の差分はどんどんなくなっていきます。そして、その商品を持つことによって想起されるイメージ(ブランド)が大事になる。そうした場合、消費者は製品自体と同じかそれ以上に、「誰が作ったのか」、「誰が良いと評価したのか」、という点を重視すると思います。つまり、モノを消費するのではなくイメージを消費している状態になっていくということです。



福岡では明太子の原材料は収穫できない

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みなさんは福岡で有名な博多明太子をご存知ですか?

知らない方がいないほどに有名な特産品だと思いますが、実は明太子は福岡ではほとんど獲れないらしいです。

明太子はスケトウダラと呼ばれる魚の卵ですが、スケトウダラは北海道などの北の地域でしか獲れない魚です。つまり、北海道で獲れたスケトウダラが福岡に運ばれ、漁師ではない福岡のメーカーが博多辛子明太子として加工とブランディングを行い、末端価格の数倍で販売しているのです。

衝撃的な事実ですが、明太子あの価格に引き上げているのは漁師ではありません。ちなみになぜ漁師が明太子を作って売らないのかというと、そもそも漁師業自体がそこそこ儲かるから、頭を使ってブランディングをしてもっと高く売ろうという発想を持つ人がほとんどいないから、だそうです。笑(※これは知り合いに聞いた話です)



消費者は本当に機能的価値に対して適切にお金を使えているのか?

明太子の衝撃的なマーケティングの他に、ネーミングもマーケティングに大きく関わります。例えば、鼻セレブという製品がありますが元々はモイスチャーティッシュという名前でした。

モイスチャーティッシュの発売直後はあまり注目はされていませんでしたが、「鼻セレブ」というなんとなく鼻にとても良さそうなネーミングにすることで大ヒットしたという例もあります。高級で質のいいティッシュという新しい市場(マーケティング)を作ることに成功しています。

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その他にも、消費者はイメージで商品を購入することがよくあります。お茶や水などの機能(味)も価格も差別化が難しいものは、TVCMのイメージや、パッケージのシズル感などで何となく選んでいると思います。

また、今回例として紹介したいのが、リポビタンDです。飲んだら元気になる(という)飲料の中では比較的、機能的価値に重きを置いて選ぶ商品です。

リポビタンDといえば「タウリン1000mg配合」というセリフと共に熱い男が叫ぶCMで有名ですが、これらが組み合わせられることで「なんか体に良さそうなタウリン」が「1000mgも入っている」ドリンクとして消費者には認識されます。

「そもそも1000mgって元気になる適切な量なんだっけ?」というように、効果的かどうかを科学的に理解している人はほとんどいないと思います。ただ、「タウリン1000mg」ってなんか元気が出そうですよね。また、「1000mg=1g」ですが、タウリン1g配合って言われてもなんか効かなさそうですよね。。。笑


と言ったように、いかにイメージを消費しているかというお話しでした。

特に結論があるわけではないですが、マーケティングに関連するお話を定期的にしていこうと思います。


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