CDジャケットの製作過程を公開（後編）

音楽に関わるアートワークを製作している橋本佳史朗と申します。この度はアンダースコアレコーズ様と提携させていただく形で音楽アーティスト様に向けたデザインサービス、バンドスターターのリリース決定に伴い実際に手掛けたCDジャケットの製作過程を公開致します。

バンドスターターについてはこちらの記事をご覧ください。

https://note.com/urerumaekara/n/n6727bae43fe6

コンピレーションアルバム企画もやります！コピーCDではなくプレスで製作し、1人でも多くの方に触れてもらえるようパッケージデザインにも力を入れて製作致します。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

https://note.com/urerumaekara/n/nd92873ad2bb4

ロックバンドR.O.S 1st mini album ▶︎PLAY START ジャケットデザイン製作後編

前編はこちら

https://note.com/keishiro6947/n/n15ea2ea01a44

前編では打ち合わせ、構想とリサーチ、ラフ画製作まで公開しました。後編ではいよいよ清書、文字組み。こちらで完成になります。

・完成したラフ画をもとに清書

完成したラフ画がこちら。こちらに合わせて各パーツごとに製作していきます。

・線画作り

パーツごとに分けて線画を描きスキャンしてデータ化します。　分けて描く理由はモチーフの構成もできるだけ修正、編集に対応できるようにするためです。こうすることで位置を調整したりパーツごとに色を調整できます。

・背景作り

デジタルイラスト特有の煌びやかなタッチを作るためのテクスチャパーツです。作るデザインに合わせて組み合わせて使用します。購入したりフォトストックサービスを利用することが多いですが自分で作ったものもたくさんストックしています。

同業者の方に「ちゃんと全部描けよ」みたいなリアクションをたまにされますが、常に予算や製作時間との勝負があるのがお仕事なのでできるだけ最短距離で良いクオリティの物を作らないといけないのです。特に音楽業界のデザインは予算がシビアなことがほとんどだと思います。

・清書

ラフ画の上に清書していきます。黄金比率ガイドを使用してパーツを配置していきます。黄金比率は人が最も美しいと感じる比率なので使えるタイミングがあれば積極的に利用していきたいです。

各パーツの配置が決まれば着色していきます。着色もパーツごとに編集できるように編集データを分けて塗っていきます。今回はバンドのコンセプトや世界観を考慮してアニメ塗りっぽく仕上げることにしました。

線画はブラウン系の色に変更。こうすることで塗りと馴染みます。

ベースカラーを塗っていきます。ワンピースの情報量を増やしたかったので先ほどご紹介したテクスチャを合成させました。ファンタジーっぽい感じがより伝わるようになったかと思います。

髪の毛の色が暗すぎたので編集します。パーツごとに分けて作っているので部分的な修正しやすいことが伝わればと。

調整しながら着色を重ねていきます。髪の毛とギターにもテクスチャを合成しました。冒頭でも少しお話ししましたがテクスチャの合成テクニックは一気に情報量を増やすことができます。　特にインディペンデントアーティスト様のデザイン依頼はどうしても予算との勝負になるので時短テクニックはうまく扱いたいです。

下に見えているRPGっぽい風景はご要望に合わせて昔のゲームのようなドット絵テイストに加工しました。

画像だと少し分かりにくいと思いますがこんな感じです。今回は構想とリサーチでいつもより時間がかかってしまったのでストックサービスを利用しました。質の高いものが揃うフォトストックサービスを利用しているのは依頼されるアーティスト様にとってもメリットになるかと思います。

（※もちろん使用契約内容を守り使用しております）

例えば1st demo作品を作る場合、パッケージの予算は一番抑えたいところではないでしょうか。（音楽をしていたとき僕はそうでした）バンドスターターでは活動を始めたばかりのアーティスト様もサポートできるよう作品に合わせたプランをご用意致します。興味を持っていただけますと幸いです。

髪の毛の質感が背景と馴染みすぎている気がするのでエッジとコントラストを強調します。

いい感じになってきました！光の表現や画面を引き立たせるエフェクトブラシを使い仕上げていきます。

余談ですがアートワーク製作ってレコーディングに似てますね。各パートを録ってミックス、マスタリングしてみたいな‥もうすぐ完成です！

テキストの調整

テキストのレイアウトがいまいちだったので配置を変更します。

ここでカーニング調整もやります。文字間を調整しテキストを見やすく、美しくすることができるデザイン技術です。

フォントにもよりますが文字同士を組み合わせた際、文字の間隔がまばらになります。これを整えることでテキストビジュアルのクオリティも上げることができます。ブックレットのクレジットページや帯デザインにも有効なのでカーニングにも時間をかけたいです‥！

背景もご要望に合わせて煌びやかに編集し完成！と思いましたが若干青みが強い気がしたので調整します。編集前のデータをコピーして比較しながらほんのわずかに暖色を被せて全体のカラーを馴染ませます。

・完成

最後にガラスの靴をもう片方描き足してほしい、目の表情をもう少しはっきり見えるようにしてほしいとのご要望があり加筆しました。こちらで完成となります。

バンドスターターではイラストレーション、グラフィックを用いたコラージュアート、テキストデザインを総動員して様々なテイストで製作致します。アーティスト様に合わせてデザインプランをご提案させていただき、完全入稿データでお渡し致します。

今回CDジャケットを製作させていただいたロックバンドR.O.S 1st mini album ▶︎PLAY START トレイラーも公開されていますので是非チェックしてみてください！！

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最後まで見ていただきありがとうございました！