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端午の節句

こんばんは。グラフィックデザイナー、カラリストの藤田です。
今日は子供の日、端午の節句ですね。
それにまつわるお話を。

菖蒲の節句

5月5日、端午の節句。
1月1日、3月3日と続いて、五節句の1つですね。
端午とは「月の初めのうまの日」を指しますが、「午」と「5」の語感で使われているそうです。

端午の節句を彩る花は、菖蒲しょうぶ
菖蒲は強い香りで、病気を治し、邪気を祓う効果があると言われています。
それにあやかって「菖蒲湯に浸かる」なんていう風習もありますね。

菖蒲と書いて「あやめ」もありますが、似て非なる植物です。

また菖蒲=しょうぶという語感、
菖蒲の鋭く伸びた剣先のような葉の形から、
「勝負」事に結び付いて、男の子の元気な成長と出世を願うことに結び付いています。
そこから「勝色(搗色・褐色)」という色も生まれました。
菖蒲の花の青紫と、行事から生まれた勝色が、この日を象徴する色と言えますね。

鯉のぼりの色

端午の節句と言えば「鯉のぼり」も欠かせないですね。
鯉のぼりは「鯉が黄河の龍門を突破し、龍へとその姿を変える」という故事「登竜門」に由来しています。
よく聞く言葉ですよね。

鯉のぼりの一番上についている吹き流し。
鯉の形はしていない、いろんな色のヒラヒラのやつです。

あれには陰陽五行の五色が使われています。
「木火土金水」、色で言うなら「青赤黄白黒」です。

五氣があるということは、正しく循環の取れた理想の状態で、
これにも邪気を祓うという意味があります。

鯉そのものも五色に通じて、上から
・真鯉の黒:忍耐力を育み、生活に欠かせない「水」の色。父親。
・緋鯉の赤:温もりを与え、繁栄させる「火」の色。母親。
・青鯉の青:健やかな成長や若さを司る「木」の色。子どもたち。
というような意味合いがあります。

とは言え、最近は緑やオレンジなど様々な色の鯉のぼりが、空を泳いでいるので、あまり由来を気にするようなものではないかもしれませんね。

・・・

端午の節句も、花に始まり、陰陽五行に至るまで、
様々な色と巡り合えました。
自然と調和して生き、そこから生まれた行事が今も続いているというのは感慨深いですね。

次の節句は7月7日。七夕です。
七夕も色にまつわる話がありそうで楽しみ。

参考文献
色で巡る日本と世界 -くらしの色-
城一夫 監修 / 色彩文化研究会 著 / 青幻社

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