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【経セミ・読者コメント vol.6】丸茂宗平さま 2024年6・7月号 特集「これからの労働市場改革を考える」

■ はじめに(編集部より)

経済セミナー編集部です。
今回は『経済セミナー』2024年6・7月号(特集:「これからの労働市場改革を考える」)に対して読者の皆様からお寄せいただいたコメントをご紹介します! 
毎号、いただいたコメントの中から3~4つほどを選定し『経済セミナー』本誌や経セミnoteでご紹介させていただいております。

頂戴したコメントは本誌やnoteで公開していないものも含めすべて拝見しております。コメントは今後の企画・制作の参考とさせていただいております。

もちろん、ご執筆者のご了解をいただいたうえで、掲載内容をご相談して進めています(記名でも匿名でもOKとさせていただいております)。

今回は丸茂宗平まるもしゅうへいさまによるコメントをご紹介します!

【以下、コメントです👇】



■ 人的投資としての高度人材の採用、その手前でのリスキリング

〇 「労働市場と人的投資のこれから」(宮本弘曉、p.25〜)より

弊社は経済学を起点として、アカデミックコンサルティングを提供していますが、アカデミアの高度な知見を使いたいという声は日に日に高まっているのを感じます。データサイエンス、マーケティング(+サイエンス)、ファイナンス、マーケットデザインなど、その広がりは様々です。企業とのヒアリングを通じて感じるのは、企業課題の解決には、もはや研究者とのコラボなしでは難しいと実感されているということです。今まで日本企業は勘と経験でなんとかなってきましたが、グローバル企業が経済学を始めとした高度なアカデミアの知見を使うようになったことで、競争で太刀打ちできないということを実感し始めています。

弊社が提供しているアカデミックコンサルティングを使いこなすには、それ相応の知識と理解が必要です。そこでリスキリングです。修士課程、博士課程に進んで学べることができれば、それ以上に良いことはありませんが、そこまでの投資をかけられる企業は多くないでしょう。アカデミアの知見を使いたいと考える企業は、まずは経済セミナーのような雑誌から学び、少しずつその知見を業務に生かしていくのはいかがでしょうか。

中長期的には、サイバーエージェントさんのように高度人材を採用することで研究機関の内製化を実現できれば、大学研究者や他分野とのコラボレーションも容易になり、さらなる企業成長につながるのではないかと考えています。

■ 様々な観点から考えられるプラットフォーム

〇「プラットフォームの経済学」( 佐藤進・善如悠介、p.45〜)より

プラットフォームは、経済学の様々な視点を通して考えることができるトピックです。弊社でも様々なメンバーが多彩な角度から検討していますので、いくつかご紹介させていただきます。本連載と併せて学習していただければ幸いです。

1つ目は、弊社シニアエコノミスト・山口真一(国際大学准教授)が提唱している「FSP-Dモデル」と呼ばれる考え方を紹介する記事や本です。「FSP-Dモデル」とは、「フリー」「ソーシャル」「価格差別」そして「データ」の4つを組み合わせたビジネスモデルです。本連載でも取り上げられるネットワーク効果とも関連が深い考え方です。関連する記事と書籍を挙げていますので、よろしければご覧ください。

※1つ目の記事は、書籍「なぜ、それは儲かるのか: 〈フリー+ソーシャル+価格差別〉×〈データ〉が最強な理由」の出版イベントの書き起こしになります。

「基本無料×ネットワーク効果がビッグビジネスを生む」山口真一氏が解説する、覇権を握る“FSP-Dモデル”とは?


『なぜ、それは儲かるのか: 〈フリー+ソーシャル+価格差別〉×〈データ〉が最強な理由』


『そのビジネス課題、最新の経済学で「すでに解決」しています。 仕事の「直感」「場当たり的」「劣化コピー」「根性論」を終わらせる』


2つ目は、弊社共同創業者・安田洋祐(大阪大教授)が執筆しているモバイル・プラットフォームの手数料についての記事です。

現在、プラットフォーム規制がよく話題に上がりますが、そうしたトピックも産業組織論などの経済学の知見を考察することができます。本連載でも取り上げられる予定ですが、その予習としてご参考になればと思い、紹介させていただきます。

手数料が下がるとアプリは安くなるのか?

3つ目は、弊社エコノミスト・岡本実哲(明治学院大准教授)が執筆している「価格発見装置としてのオークション」を紹介する記事です。オンラインフリマとして名高いメルカリが先日発表した「価格なし出品」機能を皮切りとして、妥当な価格を探す手法をオークション理論の観点から紹介しています。プラットフォームにも大きく関連する内容ですので、よろしければご覧ください。

「妥当」な価格を見つけるには?オークション理論の活用

■ 『経済セミナー』さんへのリクエスト

私も執筆していますが、最近読者モニター制度が開始したことで、他の人がどんな感想を持ったか知る機会ができました。経済セミナーといった雑誌は、初学者には少し硬派な雑誌だと感じています。しかし、他の読者モニターの方々のコメントと合わせて本誌を読むことで、ゼミで一緒に勉強しているような感覚で勉強できるのではないかと感じています。

そこで、編集の皆さんに各コラムに編集を通しての簡単な感想を記載していただくと、より読者の皆さんが勉強しやすいのではないかと思いました。日々経済コラムに触れている編集部の皆さんならではのコメントを掲載いただくことで、読者の皆さんが新たな視点や勉強をする上での見方といったものを身につける手助けになるのではないかと思います。

よろしければ、本誌の各コラムに編集部の皆さまの簡単なご感想を掲載いただくのはいかがでしょうか?(笑)


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