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#049 経理社員は社長の無茶な指令に応えられるのか

しばらく空いてしまいましたね。取り戻さなきゃ(汗。

今回は社長の無茶振りに対してどう対応するか、を考えてみたいと思います。

利益の出てきた社長が『税金』というワードに対してすごくナーバスになったります。

これに対して部下はどう対処すれば良いでしょうか。

ズバリ言いましょう。社長が満足する回答は基本的にありません。税理士でも難しいでしょう。

何故なら社長は『節税』という言葉の名の下に税金に対するキャッシュアウトを嫌います。それは、自分の事に対してお金を使っていないという感情が出てしまっているからです。

どんなに優秀な税理士さんから節税対策を聞いたところで恐らく納得しないでしょう。それは納税する事に納得がいかないからです。国民の三大義務の一つとして挙げられる納税義務についてしっかりとした理解をされていないと思われます。納税の義務を理解していたとしても『利益=資金』でないという事も含め不公平感を感じるのでしょう。

結局、税金に対してのキャッシュアウトをどれだけ減らせるかが社長の満足に繋がっている訳です。

それがタイトルにある社長の無茶振りに繋がるのです。

この無茶振りを社員が対応できるのか?それは小さな企業になればなるほど不可能に近いと思います。何故ならこの無茶振りは税理士回答であっても納税キャッシュアウトを回避できる方法でない限り税理士ですらダメ出しになります。

社長の欲しい回答は何か。それは、資金を税金に取られない様にする事です。

これは、事業や収入を得る活動をしている限り矛盾が生じる様にできています。そもそも利益が出ている限り納税しないといけません。納税しない事は不可能な訳です。そこで出てくる言葉が『節税』です。「納税しない訳ではない。多く支払う必要がないのではないか。そこを探れ。」と指示が飛びます。基本的に税理士がないと言えば本来ないはずです。ヘタに脱税の様な方法を取ると税務調査等で指摘が入った時に経理担当者のせいにされる事もあるでしょう。そこまでして、社長の言う事を聞くべきでしょうか。

逃げ口上ではありませんが、ないという回答を良しとしない社長においては、顧問税理士に相談していくつかそれとなく方法を聞き、回答とする。または、いろんな文献などを探る。3つくらいの事案を挙げ、どれにしますか?と選択肢を持たせる。

どれもダメ出しされた時に「色々考えましたがこれくらいしか対応できそうなものはありません」とギブアップするしかないのではないでしょうか。

節税方法は大体決まっています。突飛なものを行う時は後でしっぺ返しを喰らうようなその場対応の節税対策だったりします。

生命保険など年払等で損金算入を狙う場合、ただ行ってもキャッシュアウトされるものが多かったり現在では、損金算入額が少なくされている商品がほとんどですからメリットがほぼないもの、また解約返戻時に益金算入されるため、その時に赤字だったりすれば良いですが、利益が出ていると単に利益を繰り延べしただけで結局どこかで納税額が増えると言う事になります。これは、先読みして数年後厳しくなることを見込んで行う分には良いでしょうが、通常は目先の対策としか捉えられません。

会社に資金を残すことは会社存続のために大切な事であり、用もないのに無駄にキャッシュアウトして税額を減らすと言うことは、納税額よりもキャッシュアウトしているお金の方が多いのです。

この先読みしづらい時代環境ではむやみに支払を増やすよりお金をプールする事を考え、身のある資金繰りを考える事の方が重要だと私は思います。


平凡な解決策しか出てきていないかもしれませんが、それだけ今はお金の使い方が大切な時代に入っていると思います。社長にお金の使い方を考えてもらう時期に入っていると言えるでしょう。相当儲かっている社長なら自由にしてもらえば良いかもしれませんが。


単純に社長を納得させる方法もあるでしょうが、ここでは触れないでおきます(良し悪しがある方法のため)。

それではまた次回。

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