帰国したが現実を見たくないので最強の惚気を共有しよう


 大切なもの全てを日本に置いて、僕はアメリカに帰っていた。実は帰ってきて一ヶ月ほど経っている。こういうのは一度手を止めてしまうと戻ってくるのも辛いものなのだ。さて、なんとかして時間を確保したわけだが、正直やることが多すぎる。僕はそんな現実から逃れるためにここにきたのだから、ここからは人生でトップに入る幸せを共有したいと思う。


 僕の友人である彼女はとてつもなく可愛い。これから僕が何回可愛いと書いてしまうのかが見どころだ。年末、彼女がアメリカに来てくれることになった日、僕は一時間ほど前には空港についていた。出口から少し彼女のスーツケースが見えて、顔を上げるとそこには半年ぶりに会う彼女がいた。道に荷物を置いてそのまま胸に飛び込んできたのは流石に可愛すぎると思いつつも荷物を回収し、久しぶり、と冷静を装う。そんな僕の腕を掴んで離さないのがまた可愛い。スーツケースは僕が持って、家に向かうべく電車に乗った。

意外とアメリカっぽくないなぁ、東京みたい

というので、慌ててアメリカらしいポイントを探して紹介した。ひたすら話す僕を見て

ケイ君の隣だね

と言った。彼女はどこでそんな言葉を覚えてくるのやら。うまく返す言葉もなく、困ったものである。途端に黙ってしまった僕に今度は彼女が慌てていた。

 僕の家に着くなり、スーツケースを開けた。半面は全部僕へのお土産だった。僕が昔好きだと言ったお菓子が詰まっていた。それからすぐ彼女は僕の部屋に行きたがったので、もちろん片付いた準備万端の部屋に招待した。

ケイ君の部屋、日本にいた時と変わらないね、私の写真がいっぱい貼ってある。あと、私のために片付けたでしょ!綺麗になってる!

僕の方を見ていたずらに笑う彼女が可愛いというのは置いておくとして、片付けていたのは当然バレてしまった。僕たちはテレビ電話をするのでバレるのはわかっていたのだけれど。部屋の壁には映画のポスターや歌手、家族、友人の写真が貼られている。その中でも群を抜いて多いのが彼女の写真だった。彼女しか写っていない写真、僕と写っている写真が半々で飾られている。どれも僕のモチベーションにつながるのだ。

 この日はディナーの予定しか入れていなかったので、彼女のメイクとヘアスタイルは僕好みに僕がした。彼女はあまりこういうことに興味がなく、知識がないので、基本僕といるときは僕がしている。しかし最近は彼女から良く質問されるようになった。物理的距離のために僕が毎日やってあげられるわけでもないので吸収しようとしているらしい。先日、日本で会った時のコスメポーチの中身が僕が似合うと言ったものばかりで、たまらなく可愛かったのはまた別の話だ。

 何はともあれ彼女が僕好みになり、日がくれてきたころ、僕たちはレストランにいた。クリスマスにはほとんどの店が閉まってしまうため、この日はかなり奮発して予約していた。彼女の好物は肉なのでアメリカ感のあるステーキをメインにした店を選んだ。タイミング悪く彼女は数日前に体調を崩していたので食べられるか不安だったのだが、とても美味しそうに食べてくれたので本当によかった。写真を撮られるのが苦手な彼女のために顔があまり映らないようなポーズを考案すると、嫌がられずにコレクションを増やすことができた。僕のどタイプなので写真は貴重だ。

 家に帰り寝る準備を済ませた僕たちは同じベッドに寝転んだ。僕の部屋にはベッドが1つしかない上に、別に引く布団もない。さらにアメリカサイズで大きく、二人で寝るのに問題はないため必然的に同じベッドで寝ることになっていた。まあ僕は親しい人間に限りあまり気にしない人間なので、既に何人かの友人とこのベッドで寝ていたが、まさか彼女と同じベッドで寝る日が来るとは思っていなかった。あまりにも嬉しくてなかなか寝付けなかったが、次の日のことを考えしっかりと睡眠をとった。起きるとまだ彼女は寝ていて、今まで離れて会えなかった分、隣にいることがまだ夢のように感じた。久しぶりに寝顔を見たがやはり可愛かった。夢にも彼女が出てきていたので(僕は普段からほぼ毎日夢を覚えているが彼女はほとんど覚えていない)起きてきた彼女にその話をすると

私もケイ君が出てきたから、夢の中でも一緒だったのかも!

と言われて悶絶したのはいうまでもない。

 さて、あまりにも長々と書いてしまったが、まだ1日目である。可愛すぎるのでこれから先の話は共有するか迷うところだ。今後書きたくなったらまた続きを描こうと思う。兎に角、今回はこの話はここまでとさせて頂く。


それでは、また明日。



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