「ラムネ」の上手な冷やし方

「瓶入りラムネ」が夏の季語の一つになってから、それなりに時が流れた。

ラムネの中身はサイダーである。
飲んだ事のある方からすれば、何を今更と思うかもしれないが、中身に限ればサイダーとラムネに大きな違いはない。
現代日本において、ラムネとサイダーの違いは容器の違いだ。
ビー玉で栓をした、上窄まりで、窪みのある「コッドビン」とも呼ばれる玉詰びんがラムネである。同じ中身でも缶だったり、ペットボトル式のキャップで締められていた場合、それはサイダーとなる。かせきさいだぁはキャップ式である。

更にラムネは元々ラムネではなくレモネードであった。
日本におけるラムネの歴史は、黒船で来航したペリーが、まだコルクでせんをしていた頃のレモネードを持ってきたのが最初らしい。
日本人がレモネードをうまく聞き取れなかった結果、ラムネという言葉が誕生したとかなんとか。しかも、現在ではレモン味を主張しているラムネはメインストリームでは無い。
ちなみにサイダーの語源はリンゴ酒を元にする炭酸飲料であるシードルで、こちらもかなり売り手の好き勝手に味がフラフラしている。

「ラムネ」という概念はとても狭く、儚く、都度都度のテキトーな解釈から生まれたブランディングである。基本的に存在があやふやで味や原材料、出自などに強みがある訳ではなく、だからといって時代に合わせて正当に進化をしてきたということもない。
言ってしまえば「見た目」という武器たった一つで、他のサイダーには無い確固たる地位を手に入れた。ある意味ではkawaii文化に近いものを感じる。

そんなラムネだが、実は冷やし方にコツがある。
端的に書くと、よく冷える冷蔵庫に入れるのは若干の危険がある。構造上、急激な冷却をすると瓶が耐えきれず割れるのだ。
緩やかに冷やすためには何が良いかというと、やはりタライに氷だろう。
しかし、瓶ラムネを買ったは良いものの、家にタライが無いよ〜!!という方もいるだろう。

そんな貴方にはこれ!ドドン!!

このタライ、ただのタライではない。ホーロー製である。
つまり、匂いがつきづらく、見た目も可愛い上に、氷を入れてラムネを冷やすだけでなく、直接火にかけて煮沸も出来る。
湯が沸かせるということは足湯も出来る、洗濯も出来る、湯煎もできれば、急に赤ん坊が生まれるといった時にも活躍してくれる事だろう。

皆さんもぜひ、一家に一つタライのある生活を。

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